6月第2週は、6/6(8),6/8(8),6/10(6),6/11(13)の4日間の観察で、17種を確認しました。6/6はサンクチュアリ内調査6月第1週で、6/11は第2週の調査日でした。各日のカッコ内はその日の確認種数ですが、いかにチョウの姿が少ないかよくわかると思います。1日の確認種数が10種に及ばないのですから。6/8に確認したヤマトシジミ、再普通種といえたチョウですが、コロンビアから帰国して最初に観察出た5/29から6/11までに間に10日間歩き回って、たった1頭を確認したにすぎませんでした。とにかく、チョウがいない。ほかの昆虫もいないという状態が続いています。ネオニコチノイド系の農薬の影響を原因として考える意見が多いでしょう。今後、ますます昆虫が減少する可能性が高いと考えられます。地道に観察を継続し、今後どのように変遷していくのか記録し続けたいと思います。

 そのように、以上にチョウの姿が少ない中、今週の観察で興味深かったのが、トラフシジミです。6/6にサンクチュアリ内の津島谷戸で確認した個体は春型(上図の左)、6/11にサンクチュアリの外ではあったのですがミズキの花に来たトラフシジミは夏型(上図の右)でした。6/6に確認した春型の個体は比較的新鮮な個体で、羽化してからそれほど時間がたっていないものと予測されます。わずか1週間の間に春型と夏型の両方が確認できたことは驚きでした。これまで、春型の最も遅い確認は小山内裏公園周辺でチョウの観察を始めた2010年の6/5で、夏型の最も早い確認は2022年の6/20でしたので、今回は、そのいずれも更新したことになります。

 6月第2週に確認した蝶は、次の17種ですが、このうちのオオチャバネセセリは、今年になっての初確認で、サンクチュアリ内の大田切西谷戸内で確認しました。

 

【2024年6月第2週に確認した蝶】

オオチャバネセセリ(6/11)、アゲハ(6/6,6/11)、モンシロチョウ(6/8,6/11)、スジグロシロチョウ(6/8,6/10,6/11)、モンキチョウ(6/6,6/10)、キタキチョウ(6/6,6/8,6/10,6/11)、ミズイロオナガシジミ(6/8)、トラフシジミ(6/6,6/11)、ベニシジミ(6/6,6/8,6/10,6/11)、ヤマトシジミ(6/8)、ルリシジミ(6/10,6/11)、イチモンジチョウ(6/11)、コミスジ(6/6,6/8)、ルリタテハ(6/11)、クロヒカゲ(6/6,6/8,6/10,6/11)、ヒカゲチョウ(6/11)、コジャノメ(6/6,6/8,6/11)

 

オオチャバネセセリ(6/11)大田切西谷戸、今年になっての初確認

ヤマトシジミ(6/8)、10日間の観察で確認できたのはたった1頭、ずいぶんと小さな個体でした