2月22日に成田を出てエクアドル各地で、雨が降っていない可能性が高い地域を放浪してきました。ネットのweather.comの10日間天気予報や雨雲レーダーの情報を最大限活用しての判断でした。今回みたいにエクアドル中が雨ないし曇天の日々にもかかわらず、何とか採集になったのは、この情報があっての故でした。

 丸一日採集についやできる最終日の3月9日、滞在中のMeraは、朝から雨。暗澹たる気分の中、Puyo方面に向かって、空が明るそうな場所目指し、何とか、雨が降っていない場所で10時ころから2時間採集しました。道路から森の中に入るトレイルがあって、500mほどの範囲にトラップを仕掛け、何回か往復して飛来するセセリを探しました。ほぼすべて曇天だったのですが、10分間程度は日照があって、セセリは、その前後の30分間だけ活動。採集成果は上の写真の左側で、22頭採集。最後は雨で終了。今回を象徴するような天候だったのですが、良く、こんな悪条件下でセセリが活動するものだと感心してしまいました。道路沿いで頑張っていたオリベリオは、このわずか10分間の晴れ間にアグリアス2頭を採集したとのこと、この場所は、以前はかなり良かったようですが、周囲はほとんどが伐採されていて、次に来た時に蝶がいるかどうかは定かではありません。

 翌3月10日、MeraからQuitoに戻る途中のBanosから山を登って標高3000mをちょっと超える付近の沢沿いのポイントで、正真正銘、今回最後の採集を行いました。ほぼ曇天、風も強く、気温が16℃程度という、かなり寒く感じる状況だったのですが、到着時に撒いたおしっこトラップで上の写真の右側のセセリ、3種6頭を採集しました。普通だったら採集しようとは思えない条件下だったのですが、セセリの飛来は意外でした。私が採集した雑蝶はジャノメが2種2頭タテハ1頭の3種3頭。標高と天候を考えるとよく蝶採集になったものがと感心しました。

 これで、延べ14日間の採集が終了。14日間に採取したセセリは、843頭、交尾器を抜き出した(予定も含め)ものは353頭となりました。14日間の日照時間をざっと集計してみたところ、多く見積もって19時間になりました。3時間の日照が3日、2時間が4日、その他は1日以下というとにかく、曇天の中での採集でした。こんな条件の中で翌800頭を超えるセセリを採集したものだと感心してしまいます。当然トラップを使わなければ一桁違う成果だったでしょう。

 最後に、今回デジカメで撮影したセセリの画像を、すでに紹介したものも含め、掲載しておきます。