Llanaでの採集は、報告した3月6日に加え、3月7日及び8日にも行いました。上に示した成果は、上段左が3月7日のもので 74頭、右は3月8日で47頭、下段左が3月7日午前中の32頭、右が午後の30頭です。この3日間で183頭ということになります。良い年の1日分の採集数にも及ばなかったことが残念でした。

 3月7日は、別方面から林に入ったのですが、グーグルアースで示すように、大まかにいえば同じ産地と考えてよい場所でした。ここには10時40分頃から2時間ほど滞在、完全に曇天の中での採集で、最後は雨が降り出して採集終了。トラップを仕掛けたことから、こんな悪条件下でも32頭の成果は予想外でした。条件が良かったら、かなりの数のセセリが採れたことでしょう。その後は、前日に訪れた山小屋に至るトレイルの湿地までの間で採集をしました。この場所は、午前中の場所から直線距離で2㎞今日しか離れていないのに雨は降っていなくて、午後1時半から3時間弱、採集することができました。特に1時間ほど経過してからは日照もあって、それなりのセセリが姿を現しました。3時過ぎからは、薄暮飛翔性のセセリが採集できたのも成果でした。同行の杉本さんは、置いておいたご自分のリュックにアグリアスが飛来してネットイン。完品だったそうです。午後3時は過ぎたころだと思います。真昼間が活動期と思っていたアグリアスですが、天候が悪いこの時期は、わずかでも日照があれば活動するようです。

 3月8日、Tenaは、朝から激しい雨。Meraまでの移動の途中にLlaucanaによりたかったのですが、暗い気分にさせられました。それでも、朝食後、Tenaを離れて直線で10㎞程のLlaucanaのポイントに着いたときは雨は降っていなくて、いつものオリベリオの小屋までのトレイルにトラップを仕掛け、飛来するセセリを待ちました。採集開始が9:10ころで、トラップを仕掛けるのに30分程度、10時ころからは陽射しが出てきて絶好の条件と思ったのですが、トラップに飛来するセセリはとても少なくて、なぜだという気分にさせられました。先に示したように、この日採集できたセセリは、わずか47頭でした。3時間ほど、日照があったでしょうか。おそらく、今回の採集の中で、これだけ長い時間陽が射していたのは3月3日とこの日の2日だけだったと思います。朝の激しい雨が影響したのでしょうか。採集終了は、いつものとおり降雨開始。今回の採集は、ほぼ必ず雨が降り出して採集終了となっています。

 今回は、いつものオリベリオの山小屋までのトレイルに加え、川までの道路が整備されたため、川を渡った先も見ることができました。また、3月7日は迂回して別方向から同じ林に入ることもできています。この一帯は、かなり良い林が残っています。ただし、大きな木から切られていて、5年後10年後まで蝶が住む環境が残るかどうかは甚だ疑問です。やはり、採れるうちに採っておかなければならないでしょう。

 上の図は、グーグルアースに採集地で歩いたトレイルを表示させたものです。左の図はTenaの町からの位置関係が分かるような縮尺にしたもの。Tenaから10~12㎞程離れた場所となります。右は拡大で、直線は移動時のデータ感がつながって表示されてしまったものです。中央が、整備された道路の突き当りの川を渡って3月5日に歩いたトレイルです。このトレイルは初日にトラップを仕掛けただけで、ほぼ採集は出来ていません。右が3月7日の午前中に歩いたもの、左はオリベリオの山小屋に至るトレイルです。3月7日の午前中の一番奥からオリベリオの山小屋までは1.6㎞の直線距離となっています。下の写真は、3月7日の午前中に車道からオリベリオの山小屋方面の林を写したものですが、良い林が続いていることが分かるかと思います。