2月28日は、昨日到着したGualaquizaの町の周囲で採集することにしました。ガイドのオリベリオは、昨日まで滞在していたTwintza周辺同様、採集地の情報がないということで、現地の人にヒアリングして採集できそうな場所をさがすことから始めざるを得ません。

 こちらについて以降、天気が悪く、太陽の姿はほとんど見ていません。今日も、天気予報を見ると、激しい雨は降りそうもないものの終日、曇りか雨という予報。ちなみに、天気予報はweather.comのサイトで確認しています。雨雲レーダーの情報は特に便利です。毎日チェックしていますが、エクアドル国内は今後10日間もほとんどの場所が晴れることがなさそうという、ほぼ最悪の状況です。私たちが到着する前のエクアドル国内は晴の日が続いていたとオリベリオは話していたのですが、ちょっと信じられない気分です。

 上の図は、28日の移動状況です。図の中の青が移動の軌跡です。下は、GPSデータをグーグルアースで読み取って高度プロファイルを表示したものです。採集時の記録は、中央付近のもっとも標高が高く、移動速度が遅かった部分です。中国企業が開発を進める金鉱山に流れ込むQuimi川という小河川があって、左岸に砂利道が付いていたので、そこをさかのぼり、多少、木が生えている場所に車を止めて、その周辺で採集しました。標高968m、3°30′52.48″S; 78°26′00.06″Wが停車場所のGPSデータです。ただし、標高はグーグルアースから読み取っています。ペール―国境までわずか7.4㎞という地点です。約3時間、曇天の中での採集でした。蝶の姿はとても少なかったのですが、セセリだけはトラップを使いますので、条件が悪い中、57頭の成果がありました。昨日までのポイントが標高300m台だったのに比べ、標高が高いので、だいぶ顔ぶれは違っていました。といっても、いずれも過去に採集したことがあるものだけでした。冒頭の写真のセセリは、Achlyodes busirus heros Ehrmann, 1909という種。日本にいるセセリでみればミヤマセセリに比較的近いグループで、前翅長が30㎜に近い大型種です。2016年に初めてエクアドルで採集した時は大きさにびっくりしてネットに入れるとき、興奮しました。エクアドルでもペルーでも、トラップによく集まり、再普通種の一つで、Twintzaにもいました。

 Gualaquiza周辺では、今日走った限りでは、この周辺位しか良さそうな林が残っていないようです。仕方ないので、宿泊場所を変え、新たな地での採集を目指すこととします。