3月のコンサート、16日はサンドロ・クトゥレーロのプロデュースによるヤヴォルカイ兄弟によるロマ音楽の影響を受けたクラシック音楽の名曲三昧。17日は、読響の川崎マチネシリーズの最終回で、仲道郁代のピアノとコバケン(小林研一郎)。いずれも熱演で、たっぷりと楽しんできました。

 

 16日のロマ音楽、私などはジプシー音楽としてなじんできたものです。私にとっての音楽は、理屈というよりは、多分に感覚的なもので、聞いていて楽しいかどうかが最大のポイントです。ロマ音楽は、私にとって、楽しいと感じる音楽の一つに違いありません。メロディはわかりやすいものの、演奏は超絶技法が要求され、演奏者の腕の見せどころ満載です。ハンガリー出身の兄弟、兄のシャンドルがヴァイオリン、弟のアダムはチェロの名手。クラシック音楽というよりは彼らにとっては民族音楽そのものではないかというノリでした。アンコールのディニク:ひばり、ハチャトゥリアン:剣の舞まで、一度は聞いたことがあるというポピュラーな演奏曲のオンパレードで、とても熱狂的であり楽しいひと時でした。

 

 17日の読響の川崎マチネーシリーズは、みなとみらいホールが耐震工事で使えなかった2年間にミューザ川崎で開催された演奏会で、初年度4回、次年度4回の計8回が開催されました。最後の指揮は、炎のコバケン。前から3列目のごく近いところからたっぷり指揮ぶりを堪能しました。1曲目は、仲道郁代演奏のグリークのピアノ協奏曲。ピアニストの中ではおそらく一番沢山の演奏を聴いている演奏者だと思うのですが、コバケンとの共演は熱の入った聞きごたえのある演奏でした。アンコールは、シューマン:謝肉祭より「ショパン」、私には、どこがショパンなのかと思う曲でした。

 コバケンのチャイコフスキー交響曲第4番は、2016年12月2日のサントリーホールで開催された読響第598回名曲シリーズで聞いて以来でした。相変わらず熱い演奏で、たっぷりコバケンを堪能しました。そして、この日はアンコールも。定番のダニーボーイ。いつ聞いても感動するこの曲を聞けたのは幸せでした。最近は、疲れちゃったからといってアンコールを演奏することも少なくなったコバケンですが、やはり、コバケンのアンコール、ダニーボーイは素晴らしい。