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「幸せな人生だった。
ありがとう」
母との最期の電話での言葉。
2024年2月21日
母が永眠しました。
原発不明がんと診断され、
抗がん剤治療をしても
余命半年、
治療をしなかったら3ヵ月、
と宣告されてから、
7年半。
会話ができなくなる
強い薬を使用する前に
最期の電話をくれた。
その時がくる心の準備は
7年間してきたつもりだったけど、
その時は、突然だった。
数日前に
「足をマッサージしに来てほしい」、
と言われて、
「また行くから、待っててね」
と約束していた。
私はこれまで
母と約束を破ったことが
なかった。
電話の翌日、
病院に駆けつけ、
意識が朦朧としている母に
「約束通り、足マッサージにきたよ」
と、声をかけたら、
閉じている目が一気に涙ぐんだのが
わかった。
「また行くから、待っててね」
別れる際、必ず約束をした。
母も私との約束を
破ったことがなかった。
最後の1週間は
横浜と宮城の地元の病院を
何往復したか覚えてない。
片道3時間。
新幹線がこんなに遅く感じた
ことは初めてだった。
亡くなる前日の朝、
ふと顔が見たくなって、
「母、娘がきましたよ」
と声をかけたら、苦しそうにしていた顔が
安心した顔に変わったのが、
最後の反応だった。
母と二人だけの夜に
音楽好きだった母に
音楽を聴かせたくなって、
父に母の好きな曲を聞いて、
耳元でYouTubeを流してた。
苦しそうな呼吸も、
すやすやと寝息に変わり、
そのまま、母は旅立っていった。
約束はすべて履行された
夜だった。
「自分の人生、最幸だった」
と思えるひとを増やしたくて、
私はこの仕事をしている。
冒頭の電話で母から
「幸せだった」という言葉を
聞いた時、やっぱり私は
母のことを選んできたんだな、
母には敵わないな、と思った。
そして、やっぱり
「自分の人生、最幸だった」
と思うひとを増やしたい、
と思った瞬間でもあった。
相談会やセッションを
リスケしてくれたお客様と
事務局のようこさんのおかげで、
母との最期の時間を
ゆっくり過ごすことができました。
ありがとうございます。
また、7年間、母のことを
見守ってくださった方、
相談に乗ってくださった方には
心から心から感謝しております。
ありがとうございました。
目も開くことも
声を出すこともできない状態になり、
もう少し会話したかったな、
と思いながら、
病院に向かった日のこと。
母に声をかけると
目を開けて、
「わぁ、まこきれい。
私に似て、今日もきれいだね」
と、久しぶりに見た笑顔の母に、
「あら、そう？綺麗な顔を
娘にくれて、ありがとうね。
じゃあ、綺麗な顔をちゃんと
見せてあげるから」
なんて、笑いながら、
マスクを外したのが
最期の会話だった。
なんてことのない
穏やかで幸せな
奇跡の時間だった。
戒名には「雲」という文字が入った。
空を見たら、いつでも見守っているよ、
という意味らしい。
私は飛行機の雲の上が
いつも安心する場所だ。
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