「トリちゃん、どうしたの?」

と、犬を連れた近所の爺様に聞かれました。

トリちゃん?誰のこと?と思っていますと、

「ほら、毎朝、元気な声で起こしてくれたトリがいたでしょ、トリが」という。

 

あぁ、インコさんのことね。

毎朝、周りが明るくなってくると、大きな声で「朝だよ〜!」、誰かが家に来れば「誰か来たよ〜!」、外を誰かが通れば「誰かが通ってるよ〜!」とインコ語で教えてくれるインコさんだな、と思ったので、

「あぁ、インコさん、今、実家で母親と一緒に過ごしています」と返答すると、

「ふぅん、いつも元気に聞こえてくる声が聞こえないから、どうしたのかな、と思っていたんだよ。調子が悪いのかな、とかさ。ふぅん、お母さんのところか。元気ならいいや」という。

「お陰さんで、母親ともうまくやっているみたいです。イタズラしたり、甘噛みしたり、大変みたいですけど」とオイラが言うと、

「でもさ、お母さんも話し相手ができて良かったんじゃない?年寄りの相手をしてくれるなんてさ。大したトリだよな、あはは」と言う。

確かに、年寄りの話を聞いてくれて、色々構ってくれるのはインコさんだけかもしれない。

 

「俺はこれから、コイツと散歩。じゃまた」と去っていく爺様。

犬は爺様の顔を見上げて、それからオイラの顔を見て、「行ってくるぜ」の仕草。可愛いやつよ。

暑いのに、犬と散歩しなきゃならない。どこにいくのかな。

麦わら帽子とペットボトル、それと熊除けの鈴を持っていたから、熱中症対策と熊対策は済んでいるようだ。

幸いにして、これまでのところ、熊が出てきた話は無いけど、でも油断すると猿軍団の襲撃を受ける。

犬が追い払ってくれると思いたい。

 

オイラは、再び雨が降ってくる前に、実家に生存確認をしに行くことにしよう。