えぇ、最初から何となくおかしいなぁと思っていたのですよ。

メールの送信元は、全く知らない会社。

メールには「オイラさんのことを知り、当社に興味があるのならば連絡してほしい」とある。

ん?

オイラのことをどこで知ったんだ?

オイラの何を知っていると言うんだ?

それに何でオイラのプライベートメールアドレスを知っているんだ?

まさかオイラのPCがハックされたか?

いやいや、セキュリティのアップデートは済んだばかりだし、そもそもほぼ全てのスパムメールはブロックされている。

と言うことは、どこかから漏れたか?

漏れた先は、プライベートメールでやりとりしていた人に限られるけれど、そこから他人に漏れていたとしたら、誰にも確認のしようがない。

 

送って来た「企業」のメールアドレスを見てみると、これは確かに存在するメールのようだ。

ホームページがあるみたいだったので、そのメールに記載してあった企業名から検索してみる。

すると、確かにそれらしき企業が存在しているらしきことがわかる。

所在地は北米シカゴ。

えらく遠いところだ。

オイラが社員時代にお取引のあった企業さんとの関連企業のなかにシカゴ在住、あるいはシカゴでスタートアップした企業があるかどうか、思い出してみるのだけれど思い浮かばない。

何故なら、オイラが主に担当していたのは欧州だったから。知る由もない。

 

確かにシカゴの隣には、かつてアメリカの自動車産業の中心地であったデトロイトがある。

ビッグ3があったし、自動車産業の関連企業、例えば鉄鋼、電子部品、ゴム、鋳物、ポンプ企業などなどの企業が多数存在していた。

でも、日本社との競争に負け、大きなガスイーターが敬遠されるようになって、”モータウン”は衰退した。

だから、この会社の所在地がデトロイトだったら、まだ話はわかる。

「復活するぞ!」なんて、アメリカ人なら言うとしてもそれをおかしなことだと言う人はいない。

チャレンジスピリットの重用される国だからね。

 

だから、デトロイトから離れたシカゴで「自動車ビジネス」をスタートアップさせるなんて、全くピンと来ない。

まぁ、シカゴといえば嘗て ” Second City ”(第二の町)と言われていた町だから、何かビジネスを起こそうと言う人がいても不思議じゃないのかもしれない。よく知らない町。

 

でも、鉄道を、例えば電気で動く路面電車を曳くとかなら、まだ話はわかる。

それなのに何故自動車?どんな自動車?

全くわからない。

「化石燃料は悪だ!」という、トンチンカンな、的外れな、根拠を持たないセージ家どもが蔓延るこの世の中。

いやだ、いやだ。

 

ホームページを隅々まで見てみても、スタートアップ企業だとかで、企業情報が殆どない。

財務情報はおろか、所在地もGoogle マップ上はアパートメントのように見えるし、そもそも何を目的としてスタートされたのかがわからない。

掲載されている写真は、恐らくウェブ上で自由に使えるもののようで、出てくる画面はどれも煌びやかで、美男美女ばかり。

 

おいおい、そんなうまい話があるわけない。

そんなところにオイラが自分で自分の首を差し出すと思っているのかい?

オイラはすんなりと「騙し」を喰らうほどおバカさんじゃないぜ。

何しろ、「世界で2番目のへそ曲がり」だぜ。

そう簡単にオイラの気持ちを開くことは出来ないぜ、ハッ!

それにしても、レベルの低い「ロマンス詐欺メール」だな!(続く)