※※ この本を読んで一言 ※※

シリーズ物(?)は読む順番が大切だと思い知らされました(笑)。

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古野まほろさんの「全日本探偵道コンクール セーラー服と黙示録」は、インターネットで面白そうなミステリ小説を探しているときに見つけました。

完全なタイトル買いです。

「探偵道」・・なんという素敵な響き!

 

そしていつも通りあらすじ等の下調べは一切せずに購入しました。

 

古野さんの作品は「天帝のはしたなき果実」しか読んだ事がありませんが、なかなかにインパクトのある作品だったので、この作品もどんな展開になるのか楽しみにして読み始めました。

 

「全日本探偵道コンクール」の初めから聖アリスガワ女学校や古野みずき、葉月茉莉衣などが簡単な紹介だけで出てきて、あれっ!と思ったら、勁草館高校が出てきて、その生徒には穴井戸や修野などが出てきたので、「もしかしてこれはシリーズ物だったか?」と思いながら読み進めました。

 

そして読み終わってから「読む順番を間違えた~!!!」と後悔しました(笑)。

調べたらこれはやはり「天帝シリーズ」と「セーラー服と黙示録シリーズ」のコラボ作品のようです。

 

なのでせめて「セーラー服と黙示録シリーズ」の1作目は読んでおくべきでした。

 

しかし過去の作品を知らなくても「全日本探偵道コンクール」の話はミステリ小説あるあるやいろいろな作品のオマージュ(パクリ(汗)?)があり楽しめました。

また実際の殺人ではなく、あくまでもコンクールの中の「殺人演劇」なので殺伐とした雰囲気ではなくほのぼのとした雰囲気で読むことができました。

 

また「学内編 島津今日子の図書館」はミステリの短編としてスケールは大きくないものの、小竹の殺人と島津との対立の緊迫感と、島津のコツコツと証拠を積み重ね、犯罪を立証するために労力を厭わず実行するところは読みごたえがありました。

 

それにしても「全日本探偵道コンクール」ではまさか先鋒戦だけで終わってしまうとは思っていなかったので、ちょっとびっくりでした。

できることなら次鋒戦と大将戦も読んでみたいです。

 

また茉莉江の間延びした話し方が気になりましたが、「セーラー服と黙示録」シリーズではキャラとしてすでに確立されているのでしょう。

また穴井戸はあのような性格悪いキャラだったかどうか覚えていませんが、これも「天帝シリーズ」から引き継がれたものでしょう。

 

全く関係ない事ですが聖アリスガワ女学校と勁草館高校は私の出身の愛知県にあるとは知りませんでした。

そして聖アリスガワ女学校は三河湾の中の島にあり、全寮制ということなので、もしかしたら蒲郡市にある海陽学園がモデルなのかもしれませんね。

 

さて最後になりましたが、やはり古野さんの作品は独特の世界観があります。

そしてオフィシャルホームページには『本格ミステリ作家の古野まほろです。』と自己紹介しており、その言葉通りミステリ作品として読みごたえはあると思います。

 

機会があれば別の作品も読んでみたいです。

 

(個人的評価)

面白さ   ☆☆☆

登場人物  ☆☆

世界観   ☆☆☆

お祭り要素 ☆☆☆☆