※※ この本を読んで一言 ※※

分かっていたことですが、私が夢野久作さんの独特の世界観を理解すること、そして面白さを味わうにはまだ早いのかもしれません(笑)。

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夢野久作さんの作品を読むのは久しぶりで、「ドグラ・マグラ」「瓶詰の地獄」も続き、3冊目(ドグラ・マグラが上下2冊だったので厳密には4冊目)になります。

 

全体を読んだ感想は、「瓶詰の地獄」や梶井基次郎さんの檸檬」や武田泰淳さんの「ひかりごけ」でも毎度毎度言っていますが(汗)、作者が何言いたいのかが私には読み取れないせいか、その物語の真の面白さを理解できないでいると思います。

 

もっとも読書は「考えるものではなく感じるもの」であれば、私が感じた事は「そういう時代だったんだね」と「相変わらず夢Qワールドは独特でよく分からんな~」いった私の読書レベルの低さを露呈する感想です(汗)。

 

特に「時代」を感じるのはやはり文章表現と登場人物の言葉ですね。

当たり前ですが、今では差別用語として扱われる言葉、表現、考え方のオンパレードは読んでいて不思議な気分です。

 

女性や貧しい者の人権は軽んじられ、蔑まれています。

その点は今の時代の方がまだましだと思えます。

 

そして「夢Qワールド」は「ドグラ・マグラ」に代表される精神障害の患者の話は、もう何が真実で何が妄想なのか区別がつかないところは、夢Qワールドにだいぶ慣れてきたせいか少し面白く感じるようになりました。

 

それでも私が読むにはまだ早かったかなと思います(笑)。

 

この1冊で短編が8編掲載されていますが、これからは私が感じた雑感を書いていきます

 

〇空を飛ぶパラソル

本の表題にもなっている短編で、新聞記者の話です。

しかし今で言うなら写真週刊誌記者でしょうね。

明治・大正。昭和初期の新聞ではゴシップ的なことまで記事にしていたようで、この短編においても、やっていることは下世話な話をセンセーショナルに紙面に載せ、読者の興味を煽るゴシップ誌そのものですね。

 

この短編においても時枝ヨシ子の飛び込み自殺、花房オツヤの病死と夫の敬吾の失踪、それが記者の精神に暗く影響する・・と言ったことでしょうか。

はっきりしたオチがないところが、記者の行く末をより暗く沈めているように感じます。

 

〇いなか、の、じけん

田舎の駐在の巡査の取り扱った事件の「小話集」で、一つ一つが短いので読みやすいです。

しかし内容は全然頭に入ってこないせいか覚えていません。

それでも少しだけ覚えているのは、当時の世相が反映されていて、一般市民の考え方がよく描かれていたな~と言ったことくらいです(汗)。

 

〇復讐

これは妄想に取り憑かれた品夫の物語で、真実が何なのかよく分かりません。

医師の健策と患者の黒木が、品夫が品夫の父のために復讐を企てているという会話で物語が進行していきますが、正直健策と黒木の会話がじれったいです。

 

結局最後に印象に残ったのは、品夫の妄想のヤバさです(笑)。

しかしこれも夢Qワールドでは普通のことです(爆笑)。

 

〇キチガイ地獄

これを読んで私は真っ先に「ドグラ・マグラ」を思い出しました。

しかし「ドグラ・マグラ」よりも分かりやすく、しかもミステリー要素もあります

 

精神病患者が語る物語ですが、結局語り手の精神病患者は何者??

医師に話しかけているように物語は進行しているのに、結局は患者の独り言だった???

その独り言も全部妄想????

 

もう訳が分かりません(笑)。

 

〇白菊

ラスト短編ですが、これは世界観が謎すぎです。

これも虎蔵の妄想・・ではないようですし、オチも訳が分かりません。

 

他の短編もあったのですが感想は割愛します(汗)。

今回の感想は訳が分からないと連呼しましたが、たまにはこういう読書もアリかなと思います(笑)。

 

(個人的評価)

面白さ    ☆☆

登場人物   ☆

夢Qワールド ☆☆☆☆

訳分らん度  ☆☆☆☆☆