正直この本については私に感想を書く資格はないです。なぜならかなり読み飛ばして内容を理解しているとは言いがたいからです。
それで感想は・・よく分からない・・です。
 
ただ「読んだら精神がおかしくなる」なんていうのは全くデタラメもしくは誇張だというのが分かったので、これだけは他の人にも自信を持って説明できます(笑)。
そしてこの物語のいいところは、著作権が切れている(?)からなのか、インターネットに全文が掲載されているので、本をめくらなくても調べたい記述のところは検索しながら感想が書けることです。

 

さて内容に関してですが呉青秀の描いた妻の死後の絵は日本では「九相図」で有名なので中国でもあっても不思議はないですが、その絵を見て精神がおかしくなり、呉青秀になるってあまりにも無理があります。そもそも私は「心理遺伝なんてない」と言うスタンスなので当然そう思います。

 

 
正木博士がいたら「唯物論者め」と言われそうですが。

 

そしてドグラ・マグラに正解はないということですが

 

千代子を殺したのはホントに呉一郎なんでしょうか?
巻物を見せただけで先祖代々受け継がれた精神の異常性が呼び起こされて母親を殺すのか。

 

また「私は呉一郎」と言ったすぐ後に離魂病の話が出てきて「私」が「呉一郎」を見ているその後、正木がそれは嘘だと言う描写があったと思いますが、ホントはどうなのか?

 

 

ただ呉一郎が解放治療場で次々に殺し始め、女王気取りの女に一喝されて、「楊貴妃様」と言ったところで、呉青秀の記憶とか「胎児の夢」や「心理遺伝」などとかではなく、結局は精神障害なのだと思いました。

 

 

とすると物語は呉一郎の過去に起こした事件であり、ドグラ・マグラは呉一郎が見ている一瞬の夢かも・・と思います。

 

 

他の方の複数のサイトで「私」は呉一郎と呉モヨ子の間にできた子どもで生まれる前の「胎児」であるとありました。

 

なるほどこれなら過去に呉一郎が起こした事件を一瞬のうちに追体験していて、「胎児の夢」と矛盾しません。

 

ここから物語とは関係ないですが、「キチガイ地獄外道祭文」の内容は戦前の話ですが、これは現代でも言える事ではなと思います。

 

世の中には「退院させられない人はいる」と聞いたとこがあります。精神的に「普通ではない人」は、おそらく家族でもどうしようもないから病院に入院するしかないようです。
他人を陥れるためにわざと精神的におかしい人であると言う噂を流して、病院に隔離させるといったこともあったようですが、現代ではそこまでないと信じたいです。
 
「キチガイ地獄・・」では医者が丸儲けをしているくだりも出てきますが、これはさもありなんといったところでしょう。人間の精神について可視化ができないので治療法やその効果について他人が判断することがきわめて困難であろうことは素人の私でも想像はつきます。それにつけこんで金儲けをしようという医師がいても不思議はありません。

 

人の精神に関わることは永遠に解明できないのかもしれませんね。

 

 

最後に呉一郎が心理遺伝により1千年前の呉青秀の精神状態になるのは、幽遊白書の「魔族大隔世か!?」と思わずツッコミました。もっともドグラ・マグラの方が先なんですが。

 

 

(個人的評価)

 

正木の迷惑度   ☆☆☆
面白さ          理解不能
私は誰         理解不能
本の表紙のエロさ  理解不能