例によってインターネットでミステリー小説を調べて買いました。
私は調べたり買うときは作者名をあまり気にしていないため、この本も読む直前に東川篤哉さんの本である事に気がつきました。

 

東川さんは「 純喫茶「一服堂」の四季 」で大いに驚かせてくれた作家であり、コメディタッチの文章が読みやすかった印象がありました。

 

そしてこの本はユーモアのある本格推理物という事で楽しみにして読みました。

 

読んでみて・・いまいち楽しむことができませんでした。

 

 

楽しめなかった原因が、軽妙なタッチの文章や会話にあると思います。

 

これは人の好みの問題であるとも思うので、私には合わなかったというだけの事です。

 

特に隆行は岡山県警の捜査第一課の若手刑事で本来優秀なはずですが、性格や言動はどうも受け付けることができません。

 

また主人公である沙樹も美人で聡明、ピッキングができる、酒癖が悪いなどいろいろ属性を持っています。

 

これはこの作品が映像化前提で、美人女優やイケメン俳優をキャスティングするための登場人物で、そしてコメディタッチで誰でも楽しめるドラマ(もしくは映画)にするために必要以上におちゃらけた言動をさせているのではないかと邪推してしまいます。

 

 

最終段階の沙樹の謎解きは面白かったのですが、館自体が動くトリックはあっと驚くというよりはそんなの本当にできるのかという冷めた目で見てしまいました。

 

 

今回はこの感想を書くにあたり、4年ほど前に読んだ 純喫茶「一服堂」の四季の感想を先に書きましたが、一服堂は思い出補正があるせいか、今でもとても面白かったと思っています。

 

 
今はミステリー小説慣れをしてしまったがために、館島を楽しむことができなかったのかもしれません。
なのでもし館島を4年前に読んでいて、一服堂を今読んだら、館島は面白くて、一服堂は面白くないと感じるかもしれないと思いました。

 

(個人的評価)

 

面白さ     ☆☆
キャラクター ☆
トリック    ☆☆
ユーモア   ☆