この作品を買って読んだのはおそらく2014年末か2015年初めで、この頃はミステリー小説にハマる前です。
 
初版の単行本を買いました。
そして東川篤哉さんの作品を読んだのはこれが初めてでした。
(ただ東川さんと言えばドラマ「謎解きはディナーのあとで」の作者であることは、ドラマを見ていないのになぜか知っていましたが・・)

 

ですからこの感想文はもう4年近く前に読んだ本のもので、しかも読み直しはしていないので、覚えている範囲で書きます。

 

 

そもそもなぜ今になってこれを書くのかといえば、最近東川さんの「館島」を読んで感想を書こうとした時に、この一服堂を先に書いておけばなにかと都合がいいと思ったからです。

 

 

まずこの作品を買った理由は完全な「表紙買い」です。

 

この本が発売された2014年の頃、「珈琲店タレーランの事件簿」や「オーダーは探偵に」と喫茶店絡みのミステリーを読んでいました。
そしてこの本を書店でたまたま見かけて、表紙にタレーランの主人公の美星さんを意識してるような女性が描かれ、タイトルも「純喫茶」とあり喫茶店の店員が謎を解くというので買いました。

 

そしてまだこの頃、叙述トリックも知らなかった私は読み終わって衝撃を大きな受けたものです。

 

 

まさか春夏秋冬の一年のサイクルで4つの事件が起きたのかと思いきや、一つの事件の間が10年空いていたとは・・そして最終的にはヨリ子さん茜さんもいい歳(50代?)になっていたとは驚きました。

 

 
しかも表紙の若いヨリ子さんのビジュアルとあわせて見事に読者をだましているのには当時は感動したものです。
そういえば今までミステリー小説を読んできて、表紙が読者をだますのに一役買っているのはこれだけな気がします。

 

トリックはほとんど覚えていませんが、本格的を目指した感じのトリックだったと思います。

 

喫茶店要素はおまけ程度であったのはご愛嬌といったところでしょう(笑)。

 

そして何より4つの猟奇殺人を描きながらも軽妙なタッチで紡ぎだされる物語はとても読みやすかったです。

 

そして登場人物がいかにも映像映えしそうな容姿と個性を持ったキャラクター達のオンパレードで、この物語はこのままでは映像化が不可能ですが、そのうちオチが変えられて映像化されてもおかしくない感じです。

 

ドラマ「謎解きはディナーのあとで」もコメディタッチで描かれてたようですから、これが東川さんか~と思ったものです。

 

 

今にして思えば、妙な軽さが気になりますが当時の私はそんなことは気にしていませんでした。

 

 

さてこの感想を書くにあたり少しネットで一服堂について調べると、2017年に文庫本サイズで発売されているようですが、表紙のヨリ子さんと思われる人物が単行本と全然違うのに驚きました(笑)

 

 

単行本も文庫本もどちらもヨリ子さんなのでしょうが、単行本はタレーランを意識した感じだったので、文庫本では敢えて変更したのかもしれませんね。

 

 

(個人的評価)

 

面白さ    ☆☆☆
キャラクター ☆☆☆☆
トリック    ☆☆☆
驚き     ☆☆☆