地域社会の再構築を | 鈴木あきひろ 一言日記

地域社会の再構築を

 最近、東京都立川市をはじめ関東圏で孤立死事件が問題となり、都においても定期的、強制的に都営住宅などで安否確認がされるようになりました。しかしこの問題の根深い所は、そいうした対応が取られたから解決する話ではなく、そこに日本が抱える突出した高齢化という人口動態の深刻な問題が存在します。

 かつて限界集落と言うと中山間地域をはじめとする過疎地域の問題ととらえられていましたが、今や高齢化率40%以上の地域が大都市でも見られるようになりました。そして局地的に高齢化が進んでいる地域は、一人または二人暮らし高齢者世帯が多く、人間関係が希薄化し、ひきこもり高齢者が目立つようになり、日本の社会の絆の象徴である隣り近所の助け合い、町内会や地域組織の活動が弱体化してきております。

 超高齢化社会の問題に立ち向かうには、助け合いの精神(共助)が注入されたコミュニティーの構築が不可欠であり、そうした任意団体に今まで距離を置いていた行政が、再生のために積極的に支援していくことが不可欠であります。そして今後は、町内会の合併や、小学校区などのレベルで地域社会の構築を図っていくことなども必要となってくるでしょう。


※現在日本の高齢化率(65歳以上の高齢者の割合)は21%以上で、2007年に「超高齢化社会」に突入しました。国立社会保険・人口問題研究所の推計では、2024年に高齢化率は30%に達し、2060年には39.9%となり、一人の高齢者を1~2人の働き手で支える肩車社会となります。また2011年度版高齢社会白書によると、65歳以上がいる世帯の構成は、「夫婦のみ」「一人暮らし」が合わせて半数を超えています。

 国連推計(2009年)でも、日本の高齢化率は欧州で比較的高いドイツやイタリアよりも高くなっています。