道路切削水の処理について
私たちが日常茶飯事的に目にしている公道での工事。工事には、道路下の埋設物の工事であったり、道路そのものの工事であったり、様々な種類がありますが、そのたびごとに、道路を切削するわけであり、その際に出る切削物及び切削水は、近くの下水道に垂れ流されていたことを皆様ご存知でしたでしょうか?
私はこの問題に、数年前から取り組んで参りました。下水道の処理能力の許容範囲であり、環境基準の水質のPh値にも問題がないということで、続けられてきたわけですが、道路を切削し下水に流せば、必ず切削汚泥が出ます。
それを税金で処理すれば、汚泥を減らす方向には行かず、廃棄物処理の排出者責任の理念にも反します。
今回の原発事故で、放射能汚泥の問題がクローズアップされました。この放射能汚泥は全て埋め立てられ、リサイクル(①石灰系焼却灰の特性を利用した土地改良材 ②高分子系焼却灰を利用したアスファルトフィラーやセメントの原材)としては使われません。こうしたことを考えても、そもそも下水の処理能力の範囲であり、環境基準を満たしているからと言って、排出者責任が問われないのは、問題であると思われます。
今回国への地道な働きを続けてきたことにより、遂に法改正がなされ、7月に国が見直しの指針を示すことになりました。これを受け、東京都も直ぐに切削水の処理の指針を改めました。東京都の迅速な対応に心から敬意を表します。
これから環境に対する考え方は、合理的では済まされません。全てにおいて、説明責任が果たされるような取り組みこそ重要であり、そうした積み重ねが子供たち世代への環境に対する責任であると思っております。
今後ともこうした粘り強い地道な活動を、積み上げてまいります。