政治の使命とは? | 鈴木あきひろ 一言日記

政治の使命とは?

 先日ある大学生の集まりに出席した。知り合いの後輩がそこのサークルのメンバーで、ぜひ話を聞かせてほしいとのことだった。内容は、東日本大震災後の復旧・復興、そして原発問題について、また高齢者対策など多岐に渡って語り合った。

 その中で、被災地の復旧・復興について、大学生が一番感じているのが、未曽有の災害でその被害の大きさがあまりにも甚大であることは理解しながらも、その進み具合が大変遅いのではないかということであった。

 私は、かつての後藤新平が中心となって取り組んだ帝都復興事業、また石原信雄官房副長官が村山総理の信任の元に取り組んだ阪神淡路大震災の例を引いて、こうした復旧・復興には、明確に中心となる者を据え、窓口を簡素化して、極力細部は口出しせず、全体の方針、復興のビジョンをしっかりと共有して取り組んでいくことが大切であると我が国は学んで来ているのに、今回だけはそれが全く機能していない事が、大幅な遅れの原因となっていると説明した。

また、原発問題については、慎重な対応が必要である。私たちの社会において何よりも大切にしなくてはならないもの、それは人の命であり、今回その命が、驚くべき脆弱な安全神話になおざりにされてきたことに、誰もが驚きと憤りを感じずにはいられなかった。

 ただ、そうした重い現実(これは正に政治の不作為であり、重く受け止めなくてはならないことであるが、この原子力政策を我が国のエネルギー政策の柱の一つとして取り組んできたことには一定の理解ができる。)を受け止め、今後を冷静に判断することが重要で、だからこそ脱原発でいいのかとも考えるべく、彼らに話をさせてもらった。

 彼らからは様々な意見が出てきたが、その中で、自分たちもこれからのこの国の政治や社会に責任を持っていくことが重要であるということにまとまった。

 大切な問題を多岐に渡って話し合えた大変有意義な時間を過ごさせてもらった。

 我が家の子供達と同年代の彼らと語り合う中で、彼らの普段感じさせない真剣さや頼もしさに触れ、私自身、世代を超えて情報発信をしていくことの大切さを実感した。また私たちの仕事の責任の重さも痛感した。