日大アメフト部の話が世間を騒がせています。

スポーツをやってきた人間として

何か書くべきなのか?

と思ってパソコンをたたいています。

 

 

私自身はラグビーをプレーし、

実は「壊し屋」と言うニックネームで

呼ばれてきました。

 

相手選手を病院送りにしたからと

勝手にみんながつけてくれたあだ名ですが、

私自身はこの呼び名に誇りを持っていました。

 

私はバードなプレーが信条でしたが

ダーティーなプレーはしませんでした。

ルールの中でフェアーに戦ってきました。

 

ラグビーと言うスポーツの中で

密集の中で殴られたり、踏まれたり、

そういう事もありましたが、

少々殴られても、踏まれても

実は大したダメージはありません。

 

一番いやなのは、真正面からみぞおちに

ドカンと入ってくるタックルです。

ルール通りのプレーですが、

真正面からドカンと貫かれるタックル

これ以上に嫌なものはありません。

 

だから私はそれをしようとやってきました。

何か姑息な手段を使って、

相手にダメージを与えよう等と思った時は

実はいいプレーはできません。

それは身をもって感じていました。

だからやらなかったし、

相手に一番嫌がられ怖がられる

プレーヤーでありたいと思った時

自然とルール内でのプレーになり

カッコ良いとかではなく相手が嫌な事をしようと

それをやってきたわけです。

 

 

そもそもルールを守らなければ

スポーツそのものが存在しえません。

元々民族ゲームのお祭りの様なものが

ルール化されて制限され

初めてスポーツが生まれました。

 

ぎりぎりの試合の中で、

プレーヤーはレフリーを値踏みします。

どんな笛を吹くのか、どこまでなら

許容範囲があるのか?

笛を吹かれないギリギリのところで

相手にとっていやなプレーをし

プレッシャーをかけあって

相手に思い通りのプレーをさせない

 

このミスをさせるために

プレッシャーをかけ合うのが

そもそも試合なのです。

 

スポーツは勝利を目指します。

相手に勝とうと思わないと

そもそもスポーツではありません。

 

勝利を目指さないのであれば

トレーニングかエクササイズか

レクレーションになってしまいます。

 

大学の体育会スポーツで

勝利を目指さないチームはないはずです。

 

しかしながら、その先にある

ゴールは何なのでしょうか?

 

今回の話を聞くにつれ、

いったい何をゴールにしたのだろうか?

との疑問を持ちました。

 

ゴールとは何のために

スポーツをやるのか?

大学におけるスポーツの目的は?

 

結論から言うと、私は大学における

スポーツの目的は教育にあると思っています。

スポーツを通した人間形成こそが

大学スポーツの使命ではないか?

と思っています。

 

 

しかしそのゴールはそれぞれの

チームや指導者が決めることで

ゴール設定によってチームとしての在り方が

180度変わってきます。

 

ゴールと言う言葉の定義が難しいですが

私は目的と言う意味で使っています。

目的と目標は違います。

 

目的はそれを目指し続ける方向を示し、

目標は数値化され通過していくものだと思います。

 

勝つことをゴールにするのか

人間教育をゴールにするのか

ゴールの定め方で、あり方マインドセットは

180度変わってきます。

 

人間を育てる事、教育を目的にしたのなら

今回の事件はありえないことだと思います。

 

教育とは2つあって、

1、徳性を養う 

2、知識や技能を養う

事です。

 

本学末学とも呼ばれますが、

根本は本学、徳性を養う事で

心を作っていく事だと思います。

 

 

心は目に見えません。

しかしその心を高めるために、

日々の鍛錬があるのだと思っています。

そのために練習をし技能を磨くのです。

 

しかし勝つことが目的になると

勝つためには何をやってもいい

となってしまいます。

 

ヒーローズカップと言う

チャンピオンシップをやっていく中でも

この事はずいぶん議論してきました。

 

 

教育を目的に、人間としての成長のために

人生のヒーローになってもらうために

勝利する事を目標として切磋琢磨し

精一杯努力し試合をして

勝った事や負けた事を通じて

価値ある体験をする。

 

私自身は、心を揺さぶり感性を育むのが

スポーツ教育の目的ではないかと思っています。

 

その場でしか体験できないことがある。

我々はその場作りをしよう。

勝つこと負ける事どちらも貴重な体験です。

負けを知らない勝者はいない、

失敗を知らない成功者もいない。

それをどう落とし込み受け取らせてあげるか

それがコーチの腕の見せ所ですよ。

と言う風な事を話しながら

大会を広げてきました。

 

 

ゴールは抽象度の高いものです。

それを高め続けていかなければ

ならないと思います。

 

ゴールをどこに定めるのか

そのことによって全ての在り方が変わってきます。

 

組織の在り方を決めるのはこのゴール設定です。

ゴールが決まれば、ゴール目指すにふさわしい

マインドセット(心構え・あり方)が決まってきます。

 

指導者は(リーダーは)ゴールを

掲げないといけません。

ゴールとは存在する目的であり理念であります。

 

人間の心は、高まりもするし下落もします。

指導者(リーダー)は、それを高め続けて

いかなければいけないと思います。