ラグビーを引退し、教育の道を志し

はや20年の年月が過ぎました。

 

感性教育をテーマに活動してきましたが

講演も1000回近くを数え、聴講してくれた方は

10万人を超えたと思われます。                                                                                                                                                                       

 

感動体質を作る

「感性フォーラム」を立ち上げ、

開催も140回を超えました。

(※感性フォーラム : 

  感動体質生まれ変わり研修

  ラグビー体験・アメリカの行動科学

  禅・東洋哲学等を融合した研修)

 

この20年1000人を超える

受講生達と共に人生のドラマに向き合い

涙を流してきました。

 

私の人生のワンテーマは

「湧き上がる感動」

ではなかったかと思っています。

 

思えば湧き上がる感動を

体験をするためにラグビーをプレーし

引退後は湧き上がる感動を伝えようと

「感性フォーラム」を続けてきました。

 

湧き上がった瞬間

飾ることが出来ず・作ることも出来ず

とめどなく涙があふれた瞬間に

そこに紛れもない私がいて

真実の瞬間がありました。

 

 

 

心理と真実は違います。

心理は頭でつかめますが

真実は体感するものです。

 

人生には、楽しいこと、嬉しいこともあります。

しかし中には、つらかったこと、悲しかったこと

苦しかったこと、悔しかったこと、そんな出来事も

なくはなかったと思います。

 

人生の中のさまざまな出来事と向き合い

浸りきった時に、涙があふれます。

流す涙が、色んなものを洗い流してくれます。

 

広島大学の医学部には

こんなデータがあるそうです。

 

原爆を落とされ肌がケロイド状になり

皮膚呼吸ができない。

そんな中で生き残った人は、涙を流した人

痛いと言って泣いた人。

我慢した人は亡くなったのだそうです。

 

涙は代謝です、代謝する事により

生きるエネルギーが復活したのだと思われます。

 

細胞には重要な働きが2つあって、

それは、入れる事と出す事なのだそうです。

だから人間も入れて出すことが大切で、

しっかり入れて出しているときは健康なのだそうです。

 

入れる時はそうでもないのですが、

一度人間が体に入れると出てくるものは

汚いものとされています。

 

ウンチに小便、目くそ、鼻くそ、耳くそ・・

 

しかし「涙」だけは美しいのです。

 

涙を流し心を揺さぶる事により

湧き上がってくる元である

感性が育まれます。

 

人間の夢や希望や憧れも、

この感性の中からしか湧きあがってきません。

 

 

 

ところが一方で現代は

「乾いた時代」だと言われます。

 

世の中の湿り気や潤いが乾いてしまって、

何となくパサパサ、あるいはカサカサと

しているのではないでしょうか。

 

例えば家を作るにしても、

湿式工法から乾式工法へ変わってきました。

 

昔の家は湿式工法で立てられ、

漆喰を練ったり、セメントを混ぜたり、

家を建てるにしてもたくさん水を使いました。

 

ところが現代は、乾式と言われる工法で、

水を使わずに家が建ちます。

 

同じ様に時代とともに、日々の生活の中で、

水分気が減ってきているのではないでしょうか。

 

お絞りでもぬれている時は

ずっしりと思いのですが、

乾いてくるとカラカラになって、

軽くなってしまいます。

 

同じ様に生活の中の水分気が

乾いてしまって軽くなってきました。

 

生きていることや、命が軽くなると、

自分の命を絶ったり、人を殺したりします。

 

そんな中で今必要なのは潤い、

適度な湿り気ではないでしょうか。

 

そしてその湿り気は湧き上がるもの

「涙」の中からから

生まれるのではないかと思います。

 

ゲーテは

「共に流す涙ほど、2人の間を

近づけるものはない」

と言いました。

 

共に涙を流した時に

「一期一会による直真の交わり」

が生まれます。

 

今時代の要請として

適度な湿り気や潤いが求められ、

感性の教育が益々重要に

なっているのではないかと考えています。

 

今後も感性開発の道を求めて

参りたいと思っています。