代表者会議でこんなご挨拶をしました。(人間性を育みあう-ヒーローズカップ)

皆さんよくご存知の様にラグビーはイギリスで教育のために作られました。それが世界に広がって我々もラグビーを始めたわけです。
私の恩師の岡先生は、スポーツを、プロ、ノンプロ、学生、レクレーションと分けて考え、それぞれに目的が違うと位置づけていました。学生スポーツの目的は教育のためで、ヒーローズカップの目的も当然それ以外にはありません。
では何を学ぶのか?ラグビーは一人では出来ません。自分以外の他者と共に創りあげるものです。自分以外の周りの人たち、自分を超えたものを考え感じないと出来ません。仲間への信頼、ジャージに込めたみんなへの思い、恩師や支えてくれた両親、周りの人への感謝、そんなことを感じて始めていいプレーが出来るのです。相手のチーム、レフリー、実に沢山の方のおかげ様でラグビーが出来る、そのことに対しての感謝を学ぶことだと思います。
真剣に正々堂々とやる、激しく体を張って真剣に戦う、真剣だからこそ汚いプレーをしたくない、だからこそノーサイドがあり、相手への尊敬も生まれるのではないでしょうか。
一昨年菅平でチャリティーフェスタをやった時、パネルに来ていただいたのは高校大会の決勝を戦った、東福岡の谷崎監督と東海大仰星の土井監督でした。その時谷崎監督がさかんにコーチングのお話をされていました。コーチングと言うのは相手を目標の場所まで届けるわけですが、答えを用意しないと言うことを仰ってました。それは言葉を変えたら、人間のハートの中にある、成長したい、自分を高めたい、人の役に立ちたい、真善美を求めたい、みんなの幸せを願いたいと言う心、内発的な公共性を信じることではないかと思います。人間は内から燃えないとダメですよね。主体として、内発的公共性から湧き上がってこないと力は出ません。
人間は私と他者との関係性(あはひ)の中で生きています。本来皆ハートの中に真善美を求める内発的な公共性を持っているのですが、それを曇らせるのが欲です。縦を私の軸、横を他者の軸とします。上が公共化(皆の幸せを願うこと)、下が私物化、右が公共化、左が私物化です。私をいかに公共化していくか、他者の公共心をいかに育んでいくか。
ONE FOR ALLとはこの縦の軸です。自分の欲を抑え、自分自身の心を高め、皆の幸せを願う事、私の公共化であり、ALL FOR ONEとは他者の心も育み高め公共化していくこと、横の軸ではないかと思います。

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ラグビーを始めたときはボールを持って走りたい、人にボールを渡さない。しかしそれでは勝てません。勝つために自分の欲を抑えて人を生かす、チームも仲良くしないといけないので桝目の左下の1:1から右上の9:9を目指します。しかしこれ(9:9)でもまだ縦軸横軸のクロス点より左下です。
ところがチームを超え、相手のチーム、レフリー、ラグビーが出来る、生かされてある、お陰様に対する感謝を感じ、それにお返しをしようと思ったときに自分自身が公共化され、高まり、また他者の公共性も育み高めることができ、その先にノーサイドがある、和が出来るのではないかと思うのです。
お互いの人間性を育みあって、和を作ろう、共に幸せになろうというのが、ONE FOR ALL ALL FOR ONEの意味で、ラグビーで学ぶべきはそのことで、ヒーローズカップの目指すものはその実践ではないかと思っています。
ヒーローズカップはONE FOR ALL ALL FOR ONEの精神で皆で作る大会ですと言ってきました。大会を通じて、皆がお互いに人間性を育みあい高めあい幸せになる、そんな実践をしていければと思います。
今日はお集まり頂きありがとうございました。皆でいい大会にしたいと思いますのでよろしくおねがいいたします。