盛和塾大阪で伊勢まで合宿勉強会にいきました。

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盛和塾では「心を高め、経営を伸ばす」、「企業の(チーム)の永続的発展」のために学んでいるわけですが、永続的発展を伊勢神宮に学ぼうと言うことで伊勢の地での合宿勉強会となりました。
まず学んだのは、どうやら日本人の宗教観は、1神教の概念的なものとは違い、働きに対するもので、生まれてきた命の源に対しての感謝、畏敬の念が信仰の原点ではないかということです。日本と言う国の名前そのものが「日が本」という、太陽が命の源なのだとの実感からきた名前です。昔の人は日の出の太陽に向かって拍手を打って拝んだのだそうです。元旦には日の出を見に行きたくなりますよね。
伊勢神宮の内宮に祭られている天照大神は、太陽神であり、皇祖神であります。また日本人はみんな遡っていけば、とこかで天皇家とつながるはずですので、総氏神とも言えるのではないでしょうか。伊勢神宮は、信仰の原点といってもういいような場所ですが、女の神様で、母性の象徴でもあり、そういう意味ではお母さんに繋がるのだと改めて思いました。
「人間にとって最高の祈りとは、子なる命が母なる命に助けを求める魂の叫びだ」という言葉があります。「感謝は幸せの呼び水」とも言われますが、人間にとって大切な感謝の心は命の源である母に繋がり、そこに永続性の原点もあるのではないでしょうか。
神宮の社、祠は、もともと穂倉から来たのだそうです。祠には稲が、食べ物が貯蔵されました。われわれが食べるのは餌ではなく、食べ物です。食べ物とは賜ぶ物、つまり大自然からの賜り物です。だから食事をするときには頂きますと言い、食べ終わったら、作ってくれた人への感謝を込めて、ご馳走様(馳走・・走り回って食べ物を作ってくれた)と言い感謝をするわけです。
我々は「生きている」のではなく「活かされてある」のです。そのことに気づくことが有難いと言う感謝につながり、お陰様でとなるわけですね。感謝の気持ち、おかげさまに対してお返しをしたいと言う気持ち、感恩、報恩が、寄進につながり伊勢神宮の永続性につながりましたが、それが形を変えたのが利他の心です。利他の心、積善の心が重なって、伊勢神宮の清浄な空気感が生まれたように思われます。

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また伊勢神宮では式年遷宮が20年に1度行われています。20年に1度立て替えることにより、一見脆弱でありそうな木造建築が千数百年もの間永続し、今も祈りの場であります。一方パルテノン神殿は強固な作りではありますが、いまや廃墟になっています。これは概念的な一神教と、働きに対して、命の源に対しての日本の宗教観との違いもあると思われますが、一神教は自分が正しいと思うので、他が間違いだとなり、いさかいを生じてしまいます。日本的な宗教観があったからこそ、儒教、仏教、キリスト教などとコラボレートしながら共存してくることができたのでしょう。新しい宗教、文化が入ってくる中で、原点や原形を大切にしていこうと言う思い、信仰が伊勢神宮を今の形で永続させてきたのではないでしょうか。
 企業(チーム)は永続的発展を求めていかなければなりませんが、それは古くて新しいものを瞬間・瞬間つないでいくことと言えます。原点に返り本筋を見つめると言う道と、新しいものに対応していく術があって初めて永続性が生まれます。片足が原点を見据えると言う道であり、もう片足が現実を変革していく術であり、2本の足があって初めて前に進んでいける、永続的な発展が可能になるのではないでしょうか。

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以上伊勢神宮に学んだことですが、ここからが盛和塾の学びです。

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 経営の全体像を樹に例えると、幹は理念や戦略、枝葉は経営技術の一つ一つ、そこから花が咲き、果実と言う利益が生まれます。しかし大切なのは台地の中にある、経営哲学と言う根っこであり、経営哲学は人生哲学に支えられています。稲盛塾長は人間としての正しさを求めること、経営に利他の愛を貫くことを愚直にやってこられましたが、経営理念を仲間と共有していこう、枝葉にまでいきわたらせようと言う執念で、体験知を形式知にして600ページを超える京セラフィロソフィーを作られました。
JALではフィロソフィー、考え方の教育、浸透を徹底的にやりました。一人ひとりの魂が活性化され、会社(チーム)との一体感が生まれ、理念の共有、フィロソフィーが共有されると、やっていることは同じでもやっている中身の心が違ってきます。同じようなことをやっても心が違うと、伝わり方、波動が変わって、結果が違ってきます。
利益とは永続的発展のための未来費用であり、経営者と従業員の知恵と工夫と努力により創造された価値であります。知識は理論的、体系的に学べますが、知恵は体験から実感としてしか学べません。知識は豊かにこしたことはありませんが、大切なのは知恵なのです。
利益を得るには天の理に合ったやり方があります。業績を上げるには、頭の中で知識として方法を知っているだけでは使えません。強烈な願望、潜在意識に透徹するほど頭の中から心の中に染み込んだ、心の中で信じ込んだ、信念化したものが必要です。強く持続した願望、心の中に染み込んだ、潜在意識に染み込んで、心の中で信念に高まったもの、信じているものがあれば、人間は信じたものの方向に行きます。経営の原点12か条にしても知識として持つのではなく、繰り返し学ぶことによって信念になるのです。繰り返し聞いているうちに信じられ、潜在意識に通ると無意識の中でそういう考え方になるのです。

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経営者(リーダー)は自分の会社(チーム)はこうしたい、こうありたいと言う思いを文章にはっきり書いて、目的目標を文章化しメンバーに話し共有化しなければいけません。共有化というのはメンバーの心の染み込ませてしまうということです。1回では話にならないので繰り返し話をして、コンパの場で酒を飲み食事をしながら話しをすると、メンバーにも納得ができ染み込んでいきます。なるほどそうですね、腑に落ちました、納得しました、仰る通り私もそう言う考えで行きましょうと言ってくれるメンバーが何人、何割できたかによって、会社(チーム)の業績は決まっていきます。ど真剣に理念の共有、掘り下げ、深堀と実践への落とし込みをしなければなりません。
有言実行で3年後5年後を語れないといけません。具体的な目標を成長チャートにするのです。成長チャートを描くことによって、欠落している部分が見え、一つ一つの方策のつながりが見えてきます。理念と行動方針が合わさった成長チャートを使いながらメンバーと繰り返し共有していくことが大切なのです。塾長は理念を浸透するために600ページの形式知にしましたが、フィロソフィーの共有が成長チャートのベースにあります。考え方が変わると行動が変わり、行動が変われば結果が変わります。有言実行する力が必要なのです。
宇宙の意思はすべてのものをよくしてあげたいと言う一方的な愛ですので、これに同調する心を持たないといけません。すべての命は必死で生きています。ですから我々も誰かに勝つとかではなく、自分の仕事、会社(チーム)を良くするために必死で誰にも負けない努力をしないといけません。誰にも負けない努力をする、自力を尽くせば、周りが助けてくれる、他力が働き、心を高め続けると宇宙につながり、絶対他力の力が働くのではないでしょうか。
経営者(リーダー)が夢を語り、努力し、自己犠牲を払い、給料をむさぼらず、つらい仕事を引き受ける事により、同志的結びつきを持った企業(チーム)が生まれます。経営者はピラミッドの頂点と思われがちですが、やっていることはある意味下座行なのではないでしょうか。京セラの理念であり、JALの理念にもなった、全従業員の物心両面の幸せを追求すると言うのは、心だけでなく物も求め、心の高さも求める、唯物主義ではできない、宗教でもできないことを実現すると言うことです。経営と言うのはある意味で救世の事業なのではないでしょうか。