【2023/8】ベトナム(サイゴン~ムイネ―)旅行記 vol.4 | 旅人Toshiの徒然独り言。

【2023/8】ベトナム(サイゴン~ムイネ―)旅行記 vol.4

 

■8月15日(火) Day_4  

 

3:30起床。

昨日予約したプライベートツアーはムイネ―の主要観光地を半日で回るプラン(VND600k≒3,600円)。

メインの白砂漠(White sand Dune)は日の出の時間に合わせていくため、ジープの待ち合わせ時間は4:30。眠い・・・

空にはオリオン座がきれいに上がっている。

 

まだ真っ暗の夜明け前のムイネ―の街をジープで爆走する。

郊外に出ると、同じような観光客を乗せたジープが目に付く。

5:20白砂漠到着。空が白み始めている。

エントランスのところで入場料を払うことになるが、ここで一つ選択がある。

砂漠は基本的にはバギーでの移動になるが、メインの砂丘ポイントをタクシーのように運転手さんの後ろに乗って輸送してもらうか(VND300k≒1,800円)、いくつかの絶景写真スポットを自分の運転で砂漠を爆走するか(VND800k≒4,800円)。

 

金額にかなりの差がある。一応値切ってみるが、「いや、金がないなら普通のピストン移動でいいだろ」とあっさり安い方に誘導される。別の業者がいるわけでもないし、こりゃ無理だ・・・

まぁ、ここまで来て3,000円ケチっても意味がない(また来ることもないだろうし)。東京で一回飲みに行けば誤差のレベル。ということで、バギーで砂漠爆走プランをチョイス!

まずはエントランスから最初の絶景ポイントの砂丘の上まで5~10分ぐらいはスタッフの運転で連れてかれる。

そして、そこで圧巻の光景、、、

砂漠が?日の出が?いや、違う、、、砂丘を占領する韓国人旅行者にだ!

(中国人もちょこっといたが、こちらは男性グループなども含まれている)

しかもほぼ女性!あるいはカップル。そして、皆一様に純白のドレスを着ている。

遠目で見た時には冗談抜きで何かの宗教団体か、怪しいサークル活動だと思ってしまったが、近づいてみると、それぞれ単独または数グループの韓国人の女の子たちだった。

どうやら最近のベトナム旅行のいわゆる”インスタ映え”スポットということだそうだ。

もはや、ハロン湾の夕焼けやホイアンの夜の提灯街は定番過ぎて、そんなに「映えない」、再生回数も上がらず、フォロワーも増えないらしい。

ということで、ここ数年の人気スポットらしいが、面白いのがほぼ「韓国人の女子」限定であることだ。

ここで30分ほど日の出を見ていたが、砂丘の上には50人以上の観光客がいた中で、中国人の女の子とカップルが2~3組が同じような白装束がいたぐらいで、あとの欧米人旅行者やその他のツーリストはそんな恰好はしていない。そして、日本語を全く聞くことは一度もなかった・・・

あと数年経ったらこの白砂漠&白ドレス&日の出ブームが日本人女子の間にも広まってくるかもしれない。そしたらこのムイネ―も少しは観光客増えるかな。

そんなキャーキャーと若い女の子たちが自撮り棒や三脚を構える中、僕は一人離れた砂丘の隅から白砂漠の地平線から昇る日の出をただただ見つめていた。

 

 

 

 

 

 

陽が上がり、空が明るくなる中、ここから先は自分でバギー運転。

一応スタッフが後部座席に乗って行っちゃいけないルートとか危険ポイント(ルートを逸れると砂が深くてスタックしてしまう)を教えてくれるが、基本的には自分で好きに走っていい。ただ、スピードを上げ過ぎるとちょっした凹凸でバギーがバウンドして危ないし、緩めすぎると砂の重さでタイヤやハンドルが結構もってかれなかなか加減が難しい。アスファルトの道を車で走るのとは全く違う。

ただ慣れてしまえば、超気持ちいい!

これはExtra3,000円を払った価値あり!

こっちのプランにして本当に良かった。

これまで徒歩やラクダでトロトロと砂漠を進むことはあったけど、地平線を眺めながらバギーで砂漠を突っ走る爽快感は今までにない経験だった。

 

 

 

 

 

6時半ぐらいに白砂漠を出てジープに戻り、そこから30分ほどムイネ―側に戻ったところにある赤砂漠(Red sand Dune)へ移動。

確かにこちら

の方は同じ砂漠でもちょっと色合いが違って名前のとおり赤茶けた砂が特徴だ。

ただ、その規模は白砂漠と比べれば小規模なもの。ただ、ムイネ―やファンティエットからのアクセスが容易なため飲み物やお土産を売る物売りのおばちゃん達も自由に入れるようでより観光地的な匂いがした。

そして、ここでも白装束のおねーさま方がそこら中におりまして、どっちにカメラを構えても写真に写り込む・・・

 

 

 

 

 

赤砂漠で30分ぐらい散歩した後、ジープに戻りファンティエットのFishermans Villeageに移動。

ここはその名の通り、魚介料理で有名な漁村であり、ファンティエットに宿泊する人達はだいたいここでロブスターや魚のシーフードBBQを食べるらしい。

ただ、ビーチ沿いにある市場は正直、汚いし、匂いのきついし、残り物を漁る野良犬もウロウロいていて、とても清潔な感じではなく観光客を意識したようなものではなく、特に女性に方にはお勧めしない。ビーチの市場には行かず、幹線道路沿いにならぶシーフードレストランだけ行けばいいと思う。

 

 

 

 

 

その後、最後の観光スポットであるFairy Stream(妖精の渓谷)に行く。

ここは綺麗な赤色砂岩とローム層が見れる渓谷の中を、緑に囲まれたチョロチョロ流れる小川に沿って裸足やサンダルでお散歩する、というのが一つのイベント。

小川の底は砂漠の砂だったりするので裸足でも全然痛くない。川の深さもだいたいくるぶしぐらいまでで、若干水が跳ねることはあってもビショビショに濡れることもないので、子供たちもはしゃいで走り回っている。

途中、写真ポイントみたいなところがあったが、どこまで行っていいか分からず、とりあえず20分ぐらい歩いて引き返すことにした。

ここでツアーは終了し、ホテルに戻ったのが9:30ぐらい。

朝4:30~9:30の5時間で白砂漠、赤砂漠、漁村、渓谷と4ヶ所回って3,600円とはジープチャーターにしてはなかなかのコスパ。はじめは個人でレンタバイクで回ろうかと考えたが、初めて来た街で真っ暗闇の中朝4時から運転するのはダルいと思ってこちらを選択したが、短期旅行にあってはタイパもよく、ジープは開放感あって楽しかったし、なかなかナイス判断だったと自画自賛。

 

 

 

 

 

 

ホテルに戻っても、まだ朝食ビュッフェに間に合う時間というのが嬉しい。

穏やかな海を見ながらゆっくりと朝食をとる。

アジアのビュッフェはどんなところでもフルーツだけは豊富にあるから嬉しい。

貧乏性のため、日本のスーパーではあまり手に入らないものや、高くて手が出ないもの中心に食べてしまう傾向がある。パパイヤ、ドラゴンフルーツ、ドリアンなどここぞとばかりにお代わりしてしまう。

 

 

 

 

 

 

今日のイベントは既に終了、十分動いたし、結構歩いた。

あとはホテルでまったり過ごすことにする。

部屋戻って洗面台でここ3日分の洗濯をして、普段の休日ではあまり聴かなくなってしまった音楽を聴きながら、部屋でゴロゴロとまったりする。

旅中に汚れた下着やシャツなどを洗濯していると、僕はとても旅情を感じてしまう。世界各地のゲストハウスの洗面所だったり、共同トイレやシャワーだったり、時には宿の人からたらいを借りたり、ドミトリーの隣のベッドの奴に洗剤を借りたり、物干しスペースを探したり、そこにはいろんな想い出がある。チベットのラサの共同洗面所で出合った日本人バックパッカーとは今でも友達関係が続いている。

 

お昼にホテル近くのドイツ人経営の食堂で飲んだドラフトビールがとても濃厚クリーミーな黒ビールでおいしかった。グラスやジョッキではなく、(VND50k≒300円/1l)というのがリーズナブルでいい。(メニューはやっぱりロシア語と英語だった)

午後はホテルのプールサイドで読書をしたり、昼寝したり、泳いだり、一人自由な時間を満喫する。

夕方、昨日と同じホテルのSpaでマッサージをしてもらい、部屋でひと眠りする。今日は昨夜のようなダンスミュージックはなく、静かに寝落ちしてしまった。

夜20:30、腹が減って起きる。

レストランが閉まらないうちに安そうなレストランに入る。

何を飲もうか迷ったがなんとダラット(Da-Lat)産のワインが手軽な値段で発見。仏領インドシナ時代からフランス植民地だったベトナムは意外とワインが作られていた。その中でもこのダラットは特にブドウ作りが盛んに行われ、ベトナムワインの有名な場所。そして、昔読んだ林芙美子の『浮雲』の舞台にもなっていて、太平洋戦争時代は一時日本軍も進駐して拠点を置いたところだ。

ピーナッツもセットでVND70k(≒420円/Half bottle:375ml)とだったが、すっきり辛口でとても飲みやすかった。

お土産で買っていきたいぐらいだった。

ただ、メインで頼んだシーフード焼きそばがハズレだった・・・

せっかく海の街に来たんだしと思って魚介系をオーダーしたものの、やっぱりレストランなんだからステーキとか肉系にすれば良かったし、どうせシーフード食べるならちゃんとしたシーフードBBQの店にすれば良かった。中途半端なことをするとロクなことはない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[後記]

これまでサハラ砂漠、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、ヨルダン/ワディラム、オーストラリア/ピナクルズ、、、各国の砂漠を見てきたので、正直ムイネ―の砂漠はちょっと物足らなかったけど、まぁ鳥取砂丘よりは砂漠感あったかなと。(まぁ、そんな場所と比べてはいけないが・・・)

その中でも、今でも忘れられないのがダマスクスからパルミラに向かうバスの中で見たシリア砂漠だ。

サハラ砂漠やこのムイネ―のようなキレイなサラサラとした砂砂漠ではなく、中東地方特有の岩砂漠だったが、見渡す限りほ岩と石しかない砂漠地帯を一本道がひたすら続く。もちろんシリアのバスは女性なんて乗るわけがなく、白いガラベーヤ(イスラム服)を来た男だらけ満員のバスにひたすら4~5時間、みんな無言の中、猛スピードで砂漠を突き進む。夕暮れの中、サンドストームが激しくなり、視界も全くない中、いつ辿り着くとも分からないパルミラの街と遺跡を目指して不安と期待が入り混じる複雑な気持ちでその岩砂漠を走るバスに揺られていた。そんな学生時代の一人旅の記憶が蘇る。

かつてはペルセポリス(イラン)、ペトラ(ヨルダン)と共に”中東の3P”と並び称された、パルミラ遺跡も2015年のイスラム国により無残にも破壊されてしまった。アフガニスタンのバーミヤン遺跡がタリバンに破壊された時もそうだったが、曲がりなりにも歴史を齧ってきた者として、このような歴史遺産の人的な破壊というのは本当に悲しいものである。

ムイネ―の砂漠とロシア語表記のメニューを見ながら改めてそんなことを感じた。

 

(*2000年2月、破壊前のパルミラ遺跡)