仮面ライダーリバイス 第40話 備忘録 | Slipperの部屋

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『仮面ライダー』等の特撮ヒーローを愛好しております。気ままに書きますので不定期更新で失礼。

「愛していたか」

 

 どうも、当ブログ管理人のスリッパです。

 今日は父の日だそうで。全国のお父様におかれましては、「義父」たちの熱い演技に息を呑んだという方もいるやもしれません。

 私は父親になったことはないので、視聴したお父様たちがどう感じたのかを正確に把握することはおそらく不可能ですが。

 とりあえず、ボロボロのやる気スイッチを押し込みながら、またこの備忘録を綴っていければと。

 

※当記事はネタバレ等を含みますので、ご視聴後の閲覧を推奨いたします。また、一部不快感を覚える文言があるかと思いますが、予めご了承ください。

 

 

『仮面ライダーリバイス』

第40話「家族か世界か…魂の兄弟喧嘩!」

脚本:毛利亘宏

監督:上堀内佳寿也

 

 

 

~スリッパの備忘録~

 

1:の志と「息子」

 

 今回のエピソードを語る前に、前回に私が全く見落としていた点を一つ。

 それは《ウィークエンド》の牛島太助さんの「説明しないで描かれた表現」について。

 

 偽装家族である牛島家。その母親役だった公子さんの死。

 息子役だったはずが、五十嵐一家の在り方を間近に観ていて情が湧いてしまった牛島光。

 しかし、父親役だった太助さんもまた、公子さんの死に何も感じていないわけがなかった。

 

 光くんが「なぜ助けに行かせてくれなかった!?」と詰め寄るシーン。

 胸倉を掴まれた太助さんの手から落ちた紙屑と、床に散乱した資料の数々。

 あれを「取り乱してぶちまけた」以外に何と言えばいいのか。

 

 正直「お前に何ができた?」と、冷徹な司令官ポジションらしく振舞う彼より、そう言われて突き放された息子の方にばかり気持ちが向いてしまっていて、全然わかってなかった自分は反省したいモードでございます……ぅぅ。

 

 何だろう、前向きに観る姿勢って、やっぱり大事だなって。

 いや、最近『W』の記事も書いているせいか、やっぱり懐古厨になっているのかもしれません……。

 あれだけ「復讐」や「犯罪」といったダークな単語で雰囲気を出しながら、ラストはクスっと笑える『W』のあの絶妙な塩梅といったら……

 昭和のライダーたちの多くがナレーションと共にバイクで疾走していくみたいな安心感。

 ある意味では『水戸黄門』のような「お約束」の強みとでも言いましょうか……。

 

 もちろん自分は平成ライダーの黎明期も愛好する側ですから、今の『リバイス』はむしろあの当時の「先が視えない」系統の展開には近しいとも言えるので、それはそれでいいのですが……。

 刺激物を望んだ自分が、しかし今できる限りの刺激を提供しようとしている『リバイス』を懐疑的に観ていたというのは、何とも頭の痛い話で、穴があったら入りたい……。

 

 

 脱線失礼。

 

 偽装家族だったとしても、共に過ごした時間があれば「人の情」は生まれるもの。

 遂に自らシェルター襲撃に乗り出した赤石長官の変身するギフデモス、その圧倒的な力に撤退を余儀なくされてなお戦おうとする息子を守る為、偽装家族の父はその命を散らします。

 

 その死にゆく中でも退かぬ覚悟と、はらりと落ちた一枚の写真。

 映っていた家族こそ、太助さんの本当の家族。

 かつてデッドマンズに奪われたと。

 それでも「俺は未来しか見ない」と倒れながらに宣言する姿は、気高い。

 天に伸ばした手は、亡き家族と生き残った「息子」への想いからだったのかな、とも。

 

 

 対して赤石もまた、その姿に感じるものがあった様子で。

 

 いや、そもそも大二が一輝と「戦った(殺し合った)」と聞いて、「その孤独、よくわかる」と共感を示した時点で、もはや単なる悪人でも敵役でもないんでしょう。

 むしろ千年単位で生き永らえた人間が、全く孤独を感じずにいられるわけもなく。

 

 他者の存在を求めずにはいられない、そんな弱い人間が、その他者と離別し続ける世界。

 これって地獄に近いものがありましょう。

 寂しさに耐えられずに他者を求めるのが人間の性質だというのなら、彼はその度に寂しさを埋めてくれた相手を喪って、より一層の寂しさと対峙してきたことになる。

 

 ギフと仲良し、なんてジョークを言ってはいましたが、それってあくまで「上位概念」として崇めているというのが本当では。

 少なからずギフと赤石が「楽しくおしゃべり!」というシーンは存在しない。

 心を許し合った友でもなければ、相互に愛情を向け合う家族でもない。

 

 家臣であるなら生かしてくれるというだけの、単なる「神様」……もとい「悪魔」。

 

 それでも、ギフの持つ力の絶対性は変わらない。

 愚かしくも戦いを挑み、人類全体が滅ぼされるくらいなら、全て無力化した方が平和だろうと。

 おそらく、赤石の「戦略的人類退化政策」というのは、真面目に善意だったということなんでしょう。

 深読みでしかありませんが、やはり彼が王だった時代に、ギフへの忠誠を拒んだ勢力が「無駄な血を流した」と本気で感じるような事件があったのかも。

 

 ゆえに、早くも「ギフと戦うなんて無益な血を流すだけだ」と気付いた大二に、赤石なりに多少なりと感じるものがあったのかも。

 それが今回、牛島太助の「息子」に懸けた死を見たことで、改めて「息子(に近しい存在)」への情が沸き上がったのかなと。

 

 いやいや、一輝は大二の実の兄弟だぞ、というツッコミも入りましょうが。

 実際、血を分けた兄弟でも分かり合えないことはたくさんある。

 私にも兄がいますし、仲が良いと周囲から言われることも多かったのですが、今は互いに通じ合えないことも少なくありません。

 小さい頃はずっと一緒でも、年齢を重ねるにつれ別々の環境に身を置き、別々の生き方をする。

 そうすると、仲の良かった相手でも「通じ合えない」と思うことも出てくるというものです。

 

 一輝と大二は、現状「視えているもの」が食い違いを起こしている。

 どこに重点を置いて思考を巡らせているか、あるいは余計な情報を遮断しているかで、二人の結論は大きく異なったものになるのは道理。

 ある意味、父=白波純平が「悪魔ハンター」だった時の面影が大二に重なって見えるのも、この親子がそれぞれ「偏った情報のみで判断し、行動に移すしかない」という状況に追いやられているため。

 

 白波純平の場合は「誰が両親を殺したか不明」で、だから犯人を特定できないのなら「片端から倒すしかない」というのは、哀しいけれど「情報の欠落」がある以上は正攻法。

 五十嵐大二の場合は「ギフに逆らわなければ平和」と思い込むしかなくなった時点で、その正義を理解しない相手はみんな敵に見えてしまっているのでしょう。

(わかる……数年前の自分が完全にそういう側でしたから……いや、今もかもしれないけれど……)

 

 

 でもさ。

 父親の志を知って、それでもその父親を死なせたくないと叫んだ一輝が、今はギフと互角に戦える可能性を秘めている。

 正直、あの描写だけでは「本当にギフに勝てるのか?」も「ギファードレックスバイスタンプは完成したと言えるのか?」も、何なら「父親の志など本当は理解できていないのでは?」も、答えにはなっていないのかもしれません。

 

 ただ、一輝自身が「大切な記憶」を代償にしながらも戦って勝ち取りたいのは、きっと父含め家族みんなが「笑って生きられる、自由で平和な世界」なのでしょう。

 

 そういう綺麗事を、それでも必死に言い続ける主人公、私は好き。

 もちろん、今誰よりもその「孤独」に苦しんでいるだろう大二も。

 いつか、二人が笑い合えるといいな……(過去作、『BLACK』のラストを思い返しつつ……)

 

 

2:自由と平和と、みんなの笑顔

 

 今回、一輝が大二との壮大な「兄弟喧嘩」の中で語った重要なキーワード。

 それが「笑顔」です。

 

 今の大二が、より強い上位個体であるギフへの服従で、「平和」を勝ち取ろうとする中。

 これまで《ウィークエンド》が掲げてきた、ギフに従う必要のない「自由」への道を走りながら。

 その「どちらかだけ」は選ばないと言い続ける意味。

 

 今回の「笑顔」というキーワードと一緒に、少し深読みしたいなと思います。

 

 

 

 1971年に始まった『仮面ライダー』の敵、ショッカー。

 つい先日にYouTubeの公式配信された回ではドイツのナチスが隠した秘密、というのが出ておりました。

 一説ではショッカーの設定自体、ドイツが第二次世界大戦中に研究していたという人体実験の話がベースとして組み込まれているとかいないとか。

 実際に「何の罪もない一般市民」だった青年=本郷猛が「改造兵士」にされたことで始まる物語ですから、少なからずその恐怖を表現したかった意図が制作陣にあるのは違いないかと思います。

 

 では、そのショッカーが掲げる「世界征服」とは。

 誤解を恐れずに言えば、これは「突き詰めた平和」と捉えられるのかなと。

 

 そもそも平和というのを調べると「戦争がなく、世の中が安穏であること」と出てきたりします。

 では争いごとが起こる原因を突き詰めれば、それは意見の対立に他なりません。

 金銭や利権といった複雑な要件は必ずあるでしょうが……対話で解決できなくなったから暴力に訴えるというのがパターンとして多い。

 では、その意見の対立全てを裁定してくれる絶対者がいたのなら?

 極論を言えば、世界を支配するだけの力を持った相手になら「逆らわない」のが得策で、いっそ楽ですらあります。

 わざわざ対立などせずとも、その支配者様の言う通りにしておけば良い。

 それが自分たちの不利なことであっても、どうせ立ち向かうだけ無駄なのだからと割り切れることもある。

 少なくとも、いつ終わるかも不明な泥沼の戦争などする必要がないのなら、それは幸福なことかもしれない。

 

 現に、今は他国を武力で侵略する大国が、その攻勢をまだ緩めないでいる。

 そのために避難する人々がいて、現地で戦う人々がいて、中には凄惨な死を突きつけられた人もいる……。

 こういうことを考えると、戦いを辞めてくれるなら何でもいい、と思考停止をしたくもなります。

 たとえそれが「堕落」や「怠惰」と言われようと……そう願ってしまう心は理解できる。

 

 

 ただ、そこで棄ててしまった「自由」には価値がないと言えるでしょうか?

 人間というのは業の深い生き物で、生きていれば「欲しい」と思ってしまう。

 それは単に「美味いものを食いたい」とか「素晴らしい家で眠りたい」とか、そういうだけに非ず。

 私などもそうですが……「自分の心に思い描いた世界を表現したい」という欲望も存在する。

 もちろん、それらを実現した時に感じる達成感もまた、人間に「生きている!」と実感させてくれる大切なものであるはず。

 

 で、それは全て「自由」がなければ成り立たない。

 

 何なら「好きな人と幸せに生きたい」という願いすら、突き詰められた「平和」を守るために踏み潰される可能性は否定できない。

 相手が悪いことをした人間だから捕まる、というのならわかると思います。

 しかし、「その人間に生きる価値がないと上位存在が判断したから命を奪う」なんてことも、平和を守るという免罪符で正当化されたら、堪ったもんじゃない。

 その人を大切に想う家族や友人、恋人からすれば「冗談じゃないぜ!?」と叫びたくなるところでしょう。

 

 だから「自由」を奪うかもしれない支配者への服従を、《ウィークエンド》をはじめとして『リバイス』世界のキャラクターの多くが肯定しない。

(もちろん、そういう描写が足りていない気が私もするところですが、少なからずその言葉を使おうとする意志だけは尊重したい……)

 

 

 では一輝の語る「自由で平和な世界」とは。

 それを象徴するのが「笑顔」なのでしょう。

 

 嬉しい時、楽しい時、幸せな時……人は笑顔になる。

 これはこの番組を楽しむメインターゲットである3歳児だってよく知っていることでしょう。

 でもそれは、「自由」なだけの世界でも、「平和」を突き詰めた世界でも、本当の意味では続かない。

 

 たとえ「自由」ゆえに対立が起こるとしても、対話によって妥協点が見つけ出せるなら「平和」を掴めるし。

 たとえ「平和」を求めて互いに我慢をすることがあっても、それをルールやマナーとして互いに譲り合えたなら「自由」に生きられる世界は存在できる。

 

 最終的に行き着くべきは、みんなが「自由」と「平和」を謳歌して得られる「笑顔」。

 

 一輝が言っているのは、その笑顔を目指すことであり、リバイスの力はその笑顔を守るために使いたいって話でしょう。

 

 

 そんなの綺麗事? でしょうね。

 でも、子どもたちに伝えていきたいと制作陣が想っているのは、ここなんじゃないかなと。

 たとえ兄弟で傷つけあうことになっても、それでも思考停止に陥った「平和」に堕ちることなく、粗暴な悪意を「自由」を笠に着て正当化することもないように。

 

 本当に大切なことは、みんなが「笑顔」でいられる世界を目指す姿勢だよ、と。

 

 

 いや、もちろん「兄弟で仲良く!」がベストだとは私も思います。

 ただこうしたヒーロー作品が「何を見せたいのか」を全く考えずに文句だけを述べるのは、やはり私は違うと思っていて。

 まあ、建設的な意見を言ったところでそれこそ「無意味」と仰る方もいる。

 だから私は私なりに頭を抱えながら「あーでもない!」「こーでもない!?」と叫びながら、物語を紡ごうとしたりも……

 いや、最近はめっきり上手くいっておりませんので、あまり大きな声では言えませんが……💦

 三月末ぐらいまでは良かったのに、すーぐスランプに陥る……私の悪い癖ですね……。

 

(↑そんなスランプ状態の私が書いている自作小説シリーズ『ピリオド』。私なりに「仮面ライダーっぽい」を目指して……いや、この第1エピソードはちゃんと初志貫徹してる!はず!!)

 

 

 これ以上は意味不明な駄文が続くだけになりそうなので、ここらで筆を置かせてくださいまし。

 こんなところまで読んでくださり、どうもありがとうございました。