初秋京都の旅、途切れ途切れで綴っていますので季節がかなりズレていますが、ご容赦、ご容赦・・・

 さて、二条城を後に一度宿泊先に戻り、もう一ケ所夕食前に錦市場を散策しました

京の台所として知られている錦市場商店街

 

8割方が観光客が外国人の方々で、きょうとの人気スポットなのですね

 

 安土桃山時代から京の市場として存在した「京の台所」と呼ばれていますよね。全長390メートルのアーケードの中に京野菜や豆腐、魚などの他では目にできない生鮮食料品が軒を連ねているのですよ。その錦市場の東端に神社があるのです

 

歩いていると寺町通りと新京極通りの間のビルの谷間に石鳥居が見えてきました

 ここの鳥居は「奴禰鳥居(ぬねとりい)」という形式で、全国の中でも京都に2基しかないんですって!

 

扁額に錦天満宮とあります

 

あれっ、鳥居の笠木がビルの中に刺さってる~!

何だこりゃ?

これはインパクトありますよね!

 

 明治初年、当時の京都府参事、槇村正直が幕末の「蛤御門の変」と「東京奠都」で荒廃したこの一帯の再開発を命じ、この再開発で、錦天満宮の境内地を接収し、鳥居の周辺は様々店が立ち並んだそうなのです。なんでもそのとき、鳥居上部の笠木の長さを考慮せずに柱と柱の幅に合わせて道を造ってしまったそうでなのですよ。その当時は鳥居より高い建物がなかったので、特に問題視されておらず、1935年(昭和10年)に鳥居再建の話がでて、周囲に高い建物がなかったので元の大きさで建替えられたのでした。

長州出身 槇村正直 男爵

 

ところが新京極通りの発展に伴い、通り沿いに立ち並ぶ商店の高層化、錦小路通りも高いビルへと建替えられていき、当然、鳥居が邪魔になってきたのだそうです。鳥居上部の笠木の幅に合わせると、計画通りの建物が建てられず、鳥居は俗域と聖域とを隔てる神聖な建造物なので、壊した、撤去したりすることははばかれられました。そこで考えだされたのが、鳥居の笠木にぶつかる部分のみを建物の壁を切り抜いて納めるかたちになったそうなのです

 

こんな形でビルの壁を鳥居の笠木を壊さず突き抜けていますよ!ビルのお店に入って見ることが出来るそうなのですが、靴下専門店で靴下を買う気もないので断念・・・

この写真はお借りしました・・・<(_ _)>

 

境内の入口には提灯がたくさん奉納されていました

 

境内案内図

 

まずは手水舎で清めまして・・・

 

錦の水

 境内の地下30数メートルから京の名水「錦の水」が湧き出ているのだそうで、定期的に水質検査が成されている天然水ですが、飲用の時は念のために煮沸がお勧めとか

水質検査もバッチリ

参拝とともにお水取りに参られるとか・・・

本殿

御祭神は学問の神様として有名な菅原道真。平安前期に道真の生家に創建された神社が起源なのだとか。ご利益は学業成就、招福、厄除け、商才などがあるとのことなので、招福、厄除けを祈願しました・・・(笑)

菅原道真

 この神社は修学旅行生、観光客、錦市場で働く人々からも信仰を集めているのだそうですよ

 左が若相で右が老相

拝殿には高い教養とゆうがな美貌?の随神が安置され、神社を守っていました

 

境内の中には末社、摂社がありますよ

塩竃神社

御祭神:源融(みなもととおる) ご利益:安産の神

あの源氏物語の光源氏のモデルとされた人物。嵯峨天皇の皇子で、源の姓を賜り臣籍に下り、臣下として左大臣まで上り詰めた、天皇の子でありながら天皇になれなかった皇族です。六条河原院を建造し、後に融を御祭神として塩竃宮が創祀され、この地に歓喜光寺が創建され、またまた豊臣秀吉による都市改造で天満宮とともに現在の場所に移されたのだそうです。面倒な経緯ですな・・・(笑)

 

日之出稲荷神社

御祭神:倉敷魂命(うかのみたまのみこと) ご利益:商売繫盛の神

 五穀豊穣を守護する神でなのですが、今では商売繫盛の御利益があると信仰されているとか

白太夫神社

御祭神:渡會晴彦(わたらいはるひこ) ご利益:子授け

世継ぎのない貴族、菅原是善は当時の伊勢神宮外宮神官であった渡會晴彦を通じて伊勢神宮に祈願しました。そのご神徳により菅原道真が生れ、その縁で渡會晴彦は道真の守役として忠誠をを尽くしたのです。後に渡會晴彦は若い頃から頭髪が白かったので「白太夫」と呼ばれたことから「白太夫神社」と言われ、道真を祀る摂社として創祀されりゅおうになったとか

 

七社之宮

①八幡神社   御祭神:応神天皇  ご利益:勝負

②床浦神社   御祭神:少彦名命(すくなひこなみこと) ご利益:疾病退散

③竃 神社   御祭神:竃神(かまどかみ) ご利益:火除け

④市杵島神社 御祭神:市杵島姫命(いちきしまひめのみこと) ご利益:家内安全

⑤熊野神社   御祭神:伊弉諾命(いざなぎのみこと)

           :伊弉冉命(いざなみのみこと) ご利益:子孫繁栄

⑥恵美須神社  御祭神:事代主神(ことしろぬしのかみ) ご利益:商売繫盛

⑦事比良神社  御祭神:大物主神(おおものぬしのかみ)

           :崇徳天皇(すとくてんのう)  ご利益:航海・漁業

撫で牛
色んな人々に撫でられているからピカピカ・・・(笑)
勤勉、慈愛、健康の象徴として奉納された牛なのですよ
取敢えず小太郎も撫でておきました・・・(笑)
平安期になると、都で多々起こった凶事や事象が、無実の罪で亡くなった菅原道真の怨霊説として広まり、その霊を慰めるために道真の神号’’天満大自在天神’’により天満宮が建立されたそうなのです。その後、道真を祀る天神信仰が広まり、天神の使いとされる牛と道真の牛にまつわる数多くの伝承が結びついた様です。
 
「京の台所」錦市場に行ったのなら、立ち寄ってみて下さい!
 
さて、夕食の頃合いとなったので、先斗町へとむかいます・・・お後が宜しい様で