早池峰山に花見に行ってきました。
この季節は岳の集落から先がマイカー規制となり登山口までシャトルバスを利用します。
しかしこのシャトルバスも値上げで片道1000円の大台に乗り、とても気軽に乗れる代物ではなくなってしまいました。
そこで片道分バス代をケチって早池峰から鶏頭山に縦走して岳まで歩いて帰ってくることにしたのでした。
どうもこの縦走路、相性が悪いといいますか…。
毎回転んだり岩に手足を打ち付けたりして痛い思いするんですよね。
さて、今回はどうなることやら。
まずは小田越から早池峰山へ!
「いくでー!」
花の季節だけあって登山者は多めだ。
しかし列を成して登るというほどのこともなく、これくらいなら許容範囲だろう。
人混みは苦手なのだ。
今日は鶏頭山まで縦走予定。
片道1000円のバスを二人で往復使ったら4000円!
とてもじゃないがそんなお金を出せる余裕は我が家には無い!キリ
「なんかすごく情けないことを高らかに宣言したっぺね」
「花いっぱいで嬉しいっぺ♪」
「花の写真は後半でまとめて!」
今回はハヤチネウスユキソウが適期で嬉しかった。
意外と見頃を外すんだよね。
元気よく囀りまくっているビンズイ。
この季節、山で目立つ鳥の筆頭と言えよう。
今日のハシゴは片道切符。
「なんか地獄の片道切符みたいで嫌だっぺ」
ハシゴを登れば九合目。
山頂まであと少し!
「サンチョミエテキタヨ」
「なぜカタコト!?」
「早池峰登ったどー!」
「今季初!」
お社の前は記念写真の順番待ちになっていたのでこちらで撮影。
山頂で一休みしながら今から歩いていく縦走路を望む。
岳登山口まで10km。
数字だけ見るとそれほどでもないような気がするのだが、ここのコースが甘くないことは過去の体験で思い知っている。
まずはアキラケルンを通過。
「見たかった花が見つからない~」
ツートンはこのあたりで以前にたった一度だけ見た花を探し求めているのであった。
中岳が近づくと大きな岩が立ちふさがるようになる。
このコースの難所の始まりだ。
真正面から岩に挑むような場所は少ないのだが、大岩の足元をくぐったり…
岩の肩を乗り越えていったりと障害物競争のようなムーブを強いられる。
これが地味に体力を削っていくのだ。
中岳も遠目に見ると樹木に覆われた山に見える。
一瞬岩場から開放されるのかと思うのだがそうではない。
実はゴツゴツした岩の隙間を埋めるように樹木が立ち並んでいる。
ということはどういうことか。
足元は岩、目の高さあたりに木々の横枝というような道が続くのだ。
これが見た目の距離以上に疲れる原因なんだよなぁ。
急に暗くなったなと思って振り返ると早池峰山山頂はガスに包まれていた。
ありゃ、この時間山頂の人は残念でした。
「なかなか最後まで文句なく晴れるってことないっぺね」
中岳、着きました~。
すでに疲れを感じてきているが、まだ全行程の3分の1!
中岳を過ぎたあたりが、いよいよこのコースの核心部だ。
ビルのような大きな岩が天を衝いて並んでいる。
登山道もその岩の間を縫って続いている。
切り立った崖をトラバース。
鎖やロープなどが設置されているわけではないので自分の手足だけが頼り。
落ちても死なないとは思うけど…。
蟻の戸渡り…っぽい岩の背歩き。
距離が短いからいいけど、狭さでは本家の蟻の戸渡りに負けていない気がする。
横風が吹いている時は要注意!
岩場が終われば次はアスレチックセクションが始まる。
倒木の下をくぐり、岩を乗り越え…と普通には歩かせてもらえない。
やっぱりなかなか疲れる道だ。
暑さと疲労でクラクラしてきた頃、ようやく鶏頭山が見えてきた。
永遠に続くように思われた縦走路も終わりが見えてきたのだ。
山頂直下の草付きの斜面を登る。
「この辺は今年は花が少ないっぺ…」
「水不足かねぇ?」
いつもなら早池峰本峰とは少し違う花が楽しめるのだが…。
「鶏頭山、着いたどー!」
「お疲れ様!!」
早池峰山からは小さく見えていた毛無森が今はこんなに大きく見える。
振り返って…ここを歩いてきた!
「長かった~! 調子乗って往復するとか言わなくて良かったっぺ」
「最初はそんな事も言ってましたな」
お昼は野菜入りピリ辛ラーメン。
「塩分補給!」
具材の冷却のために入れていた保冷剤がすでにぬるくなっていてびっくり。
今日は思ったよりも暑いんだな…。
山頂でゆっくり休んだら、あとは岳まで下るだけ。
最後まで気を抜かないように行こう!
「この岩、犬の横顔に見えない?」
「あー、耳タレ系の犬っすな?」
「そうそう」
「じゃ、今日からこの岩は犬岩ってことで!」
「うーむ、トトロ岩みたいに定着しそうにないな」
偽鶏頭のお地蔵様は相変わらず良いお顔をなさっておられる。
見るたびに癒やされるんだよね。
偽鶏頭の岩場を過ぎると岳の集落が見えてきた。
「まだまだ遠いっぺ~」
「がんばれ、ボンディアのソフトクリームが君を待っているぞ!」
「!」
避難小屋通過。
「下りたらボンディア、下りたらボンディア」
メタボ返し通過。
「ボンボンボンディア、ボボボンボンディア♪」
下山!
「お疲れボンディア!」
下山したからには一刻も早くソフトクリームを食べに行きたい。
(でないとツートンの機嫌が…)
そんな時に、こんな看板があったら行っちゃうじゃないですかー。
シャトルバスの発着所まで近道できるかなって。
「…おい」
「最後にこの仕打ち…」
駐車場に渡る橋が通行止めでした。
花の最盛期ということで様々な花が百花繚乱でした…と言いたいところですが、今年は例年に比べて花が少なめのような気がします。
背丈も小さいものが多いような…。
今年は雪が少なかったので水不足なのかなとは思うのですが、一時的なものなのか気候変動みたいな大きな話なのか。
鹿も入ってきているようなので、このまま早池峰の花が減少してしまうのではないかと心配になりました。
縦走路は小田越コースとは打って変わって人影少なく静かでした。
それなりにキツイコースなのでもともと歩く人は少ないのですが、バス代が高くなったから人増えるかなと思ったんですよね。
実際はほとんどが往復ともバス利用でした。
みんなお金持ちだなぁ(笑
おしまい