東海遠征も早くも三日目。
本日もダブルヘッダーとなります。
まず午前中は鳳来寺山に登る予定。

鳳来寺山は山上に古刹鳳来寺があるということのほかに、NHKの生放送をきっかけに姿のブッポウソウと声のブッポウソウが同定された場所でもあり、我々鳥好きにとって興味深い場所。
ペンギン「声のブッポウソウ、コノハズクに会ってみたいっぺ♪」

はたして我々はコノハズクに会えるのか?
張り切って行ってみたいと思います!




鳳来寺門前町入口の無料駐車場から歩き始める。
ペンギン「では、行ってきます!」
ちなみに門前町の奥まで車で入ることはできるが、そちらの駐車場は有料となっている。
山門に近ければ近いほど高いのは、この手の駐車場あるあるだ。



ペンギン「名物、五平餅って書いてあるっぺ!」
ツートンがさっそく食べ物に反応した。
お茶「残念、まだ営業開始前」
ペンギン「ぐぬぬ…」
お茶「いつも同じネタですみません」



鳳来寺山への登路は、そのまま鳳来寺への参道でもある。
沿道には数多くの石碑や昔日を偲ぶ案内板などが立てられていて、それらを見て歩くのも楽しい。



江戸時代から信仰と観光で栄えてきた面影が今も町のそこここに残る。
昔から変わらず宿坊を営んでいる家があれば古民家カフェに改装された建物もあるようだ。



門前町の最奥から長い石段が始まる。
お茶「さて、気合い入れて行くかね」
ペンギン「行くぜ!」



立派な山門が寺の格式を主張しているようだ。
この仁王門は国の重要文化財に指定されている。



山門を抜けてすぐ、ご神木が来訪者を歓迎してくれる。
根本が踏まれて樹勢が弱まっているらしいので石段から外れない心遣いを。



麓から鳳来寺まで1425段の石段が続く。
この石段も重要文化財で源頼朝の寄進とされている。



石段の両側にはかつてずらりと寺社や宿坊などが立ち並んでいたらしい。
大部分は無くなってしまったが、今でも残っている建物がいくつかある。



ただ、残ったものも少しずつ無人になりつつある様子。
明治維新後の寺領の没収や廃仏毀釈でダメージを受けたのが原因だが、たとえそれが無くても現代社会において徒歩でしか到達できない場所にある建物を維持するのは並大抵のことではない。



石段は上部に行くほど急角度になっていく。
お茶「厳しい!」
ペンギン「並の登山道よりキツイっぺ」





登るのに疲れたら少し石段を外れてみるのも楽しい。
石仏や胎内くぐりなどアトラクション的なものがいくつか存在する。
ペンギン「四国八十八箇所ミニ巡礼まであったっぺ」



1316段にして、ようやく鳳来寺に到着。
石段は全部で1425段だから、まだ先がある。
お茶「厳しい!」



とりあえず鳳来寺を拝んでおくか。
ペンギン「休憩するっぺ」



鳳来寺本堂の前にやってきた。
背後に岩山を背負ったお堂はいかにも「山寺」といった風情。
まだ時間が早すぎて扉が開いていないが…まぁ帰る頃には開いてるだろう。



本堂前の広場には屋根がかかった休憩所が設置されている。
麓側は広く開けていて眺めがいい。



絶景!
山側を見ても奇岩がそそり立つ山腹が見渡せる。
山を吹き渡る風に当たりながら、石段登りで火照った体を冷やすのには絶好の場所だ。



石段をさらに進むと小さなお堂がある。
ここが1425段の石段の終点だ。
お茶「やっと石段終了!」
ペンギン「やー、きつかったっぺよ」



そのお堂の脇から山中へ入る道がある。
鳳来寺山頂と奥の院への道だ。



薄暗い林の中では石段ではなくコンクリートで作られた急な階段が登山者を待ち構えていた。
ペンギン「北山崎の階段を思い出すっぺ!」



急な階段を登りきると多宝塔がある。
いかにも信仰の山らしい風景だ。



眺めも良し!
多宝塔の傍らにある岩の上が絶好の眺望ポイントになっている。



多宝塔から先は今までの急登がなんだったのかと思うほど平坦な道に様変わりする。



崖をトラバースする形で道が作られており途中にはお堂や石仏など寺に関わりがあるものがたくさんある。



一見遊歩道みたいな道だが万が一落ちたら死ぬので気をつけて歩こう。
ガードレールや手すりのようなものは一切ない。
ペンギン「罠だ…」



山頂も近いというのに水がドバドバ流れている。
ここは滝行などが行われたという水場だ。
鳳来寺山は修行の山だったのだ。



鳳来寺奥の院に着いて驚いた。
建物が倒壊しつつある。
朽ちたというよりは破壊された感じ。
なにか災害にでも遭ったのだろうか。
ペンギン「衝撃の光景だったっぺ」



建物は残念なことになっているが、奥の院裏手にある岩の上は絶好の展望所になっている。
ペンギン「やっほー!」



展望所近くには東屋があるのだが、ここも奥の院同様壊れかけていて立入禁止になっていた。
いったいここで何が起きたんだ…。



東屋からまもなく鳳来寺山山頂に到着した。
山頂は樹林に囲まれ眺望は得られない。
ペンギン「鳳来寺山、登ったどー」



お茶「ふぉぉぉぉー!!」
ペンギン「…なに、それ?」
お茶「鳳凰のポーズ!」
ペンギン「楽しそうで何よりだっぺ」



鳳来寺山から少し北に瑠璃山というのがある。
鳳来寺山の標高はこの瑠璃山の標高ということだ。
せっかくだから行ってみることにした。



瑠璃山は岩峰だ。
まずは階段で岩の肩に登り…



岩の割れ目に沿ってよじ登っていく。
ロープや足場が設置されているわけではないので自己責任にて。
無理に登って降りられなくなったりするのは避けたい。



なかなか大変な場所だった。



お茶「瑠璃山、登ったどー」



瑠璃山山頂は突き出した岩の上なので景色が良い。
しばし景色を堪能。
コーヒーなどをいただいた。



瑠璃山のてっぺんには山名標識が無かった。
しかし「瑠璃山」の山名標識があるはずというので山頂周辺を探してみる。
北へ続く稜線は岩の痩せ尾根でなかなか迫力がある。



山名標、見当たらないなぁ…。
ペンギン「ホントにあるっぺか?」



お茶「あった!」
ペンギン「え、それ?」
これは…色褪せた「山火事注意」の看板の再利用のような気がする。
なんでこんなぞんざいな扱いを受けているんだろう…。



下りは天狗岩や鷹打場を経由するコースへ。
最終的に鳳来寺の前で往路と合流する予定だ。



まずは尾根伝いに東へ進んでいく。
下る一方かと思ったが、しかしなかなか標高が下がらない。
地形図には出てこない小さなアップダウンが連続しており思ったより歩きごたえがある。



時々こんな岩場も出てくるので足元には注意が必要だ。
下手に転んだら崖下に真っ逆さまなのだから。



天狗岩までやってきた。
とはいえ、天狗岩は足元にあるのでよくわからない。
ここの東屋も壊れていて立入禁止になっている。
なんだか鳳来寺山周辺にすっかり廃れた印象がついてしまった。



鷹打場は本線から少し外れた場所にある。
少し疲れてきていたので寄るか寄らないか一瞬迷ったのだが
ペンギン「二度と来ることはないとおもうっぺよ?」
の一言で行ってみることにした。



鷹打場はこういう岩場の突端で眺めが良い。
しかし眺めが良いだけの場所なら、ここまでの道中でいくつもあった。
ここで特におすすめしたいのはこちら。



振り返ると天狗岩が見えるのだ。
なるほど、これは天狗だ。
さっき何が天狗なのかさっぱりわからなかった天狗岩は下から見れば誰しも納得の天狗であった。
少々めんどくさくとも本線を外れても鷹打場には訪れる価値がある。



鷹打場からは山腹を水平にトラバースして鳳来寺方面に戻っていく。



なにやら建物が見えてきた。
最初はてっきり鳳来寺に戻ってきたかと思ったのだが…。



鳳来山東照宮という神社だった。
なんと日本三大東照宮!
鳳来寺ばかり気にしていて完全にノーマークだった(笑



ペンギン「日光にも行ったことがあるから、これで三大東照宮のうち2つを制覇したっぺ」
お茶「ちなみにもう一つは久能山。久能山と日光は異論無しとして、3つ目は諸説あるそうな」
ペンギン「それはまた面倒な…」



帰りの急な石段で足腰にダメージを負う…。
石段だと思って調子に乗ってペースを上げすぎた結果だ。
ペンギン「いつまでもあると思うな金と若さだっぺ」
お茶「身に沁みますな…」



というわけで無事?下山!
ペンギン「おつかれさまでした!!」


長い長い石段を登ってたどり着く鳳来寺山。
登る前は参道の石段が核心部かなと思っていました。
しかし、なかなかどうして、その後の山頂までの道も崖あり岩場ありで登りごたえがあります。
適度な難易度の楽しいコースでした。

おしまい


詳しいルート等についてはヤマレコにて