みちのく潮風トレイル新地町区間を歩いてきました。

 

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この区間は新しくできた「ふくしま浜街道トレイル」と重複している区間となっています。
しかし磯山展望緑地から鹿狼山の麓までの一部分だけは浜街道トレイルの独立した区間となるので、その部分も併せて歩こうと思います。

ペンギン「その浜街道トレイルとやら、やるつもりだっぺか?」
お茶「当然! 本来、潮風トレイルは津波で被害を受けた沿岸市町村を歩いて繋ごうっていうコンセプトだったでしょ?」
ペンギン「だから青森から福島まで歩いてきたっぺよ」
お茶「福島っても相馬まででしょ? そこから南は原発事故のせいで潮風トレイルのコースは設定されなかったんだ」
ペンギン「…で?」
お茶「それが事故後10年以上経って、ようやく福島県沿岸地域を歩くことができるコースが整備されたんだよ。これはもう潮風トレイルと一体のコースだと考えるべきでしょ!」
ペンギン「お、おう…」
お茶「というわけで、潮風&浜街道トレイル、スタートです!」





ふくしま浜街道トレイル北ターミナス、磯山展望緑地。
ペンギン「なんかまた新しいの始まったっぺー」



潮風トレイルのように特に何か標識や看板などがあるわけではなさそうだ。
これは少し寂しいなぁ。
今後、何か案内表示板のようなものが設置されることを期待したい。



釣師浜には釣師が一人。
「浜街道トレイル」の名に恥じぬ海がよく見えるトレイルコースだ。



…が、トレイルはここから内陸へ向かう。
正面に見える鹿狼山を目指すのだ。
ペンギン「浜街道とは!?」
お茶「ざっくりと、広い意味で」



跨線橋で常磐線を越える。
奥に見えるのは新地駅。
真新しい線路、真新しい建物が並び、震災で壊滅した場所という面影はもはや感じられない。



町外れで潮風トレイルの本線と合流する。
ここから相馬の松川浦までが潮風トレイルと重複する区間となる。
我々も昨日は右手の道からここまでやってきたのだ。



珍しい形の案内標識があった。
木に墨書きとはなかなか凝っている。
このあたりはごく初期に開通したので今のように標識の形態が統一されていなかったのだろうか。
それとも地元の人の熱意?



新地の一目千本桜!
ペンギン「満開だっぺ」
お茶「いい時に来たなー」



千本桜の近くには右近清水という湧き水があった。



地元の人達に大切にされているようで周辺はきれいに掃き清められている。
我々の到着と相前後して水を汲みにきた人が何人もいた。



花トレイルは続く。
とにかくどこへ行っても桜が満開なのが嬉しい。
ペンギン「団子が無いのが悲しい…」



いよいよ鹿狼山が近づいてきた。



そんなタイミングで、どこからともなくわんこ登場。
野犬かと一瞬身構えたが、足元にまとわりついて離れなくなってしまった
なんか懐かれたぞ。
なでてもされるがままになっているし、首輪はついているから飼い犬なのだろう。
放し飼いにしているのか、はぐれ犬なのか。



袖振り合うも他生の縁…ということで、しばし同行することになった。
お茶「うちらの飼い犬と思われるのも困るんだけどね…」
ペンギン「放し飼いは違法だっぺ」



しばらく一緒に歩いていたが「では私はここで…」と交差点で別の方角へ去っていった。
彼には彼なりに行きたい場所があるのだろう。
ペンギン「さよ~なら~」



鹿狼山の麓の真弓清水。
山岳セクションに入る前に給水できるポイントなのだが、残念ながら涸れてしまっている。



しばし舗装路歩きが続く。



分かれ道があった。
いよいよ山中に突入か?
残念、ここは真弓清水コース入り口だ。
我々は鈴宇峠から入山する予定だ。



さらに舗装路を進んで鈴宇峠まで登りつめた。
ここからようやく登山道に入っていく。



ペンギン「スミレ~♪」



ペンギン「イチゲ~♪」
お茶「春だねぇ」



このコースは蔵王眺望コースと名付けられているのだが、ずっと樹林帯の中を行く。
どのへんが「蔵王眺望」なのか問い詰めたい。
蔵王どころか麓の集落すら見えないではないか。



道は小さなアップダウンを繰り返す。
しかしキツイわけではなく、歩きやすい快適な道だ。



どうやら真弓清水コースは廃道になってしまったようだ。
ロープが張られて侵入を拒んでいる。
そういえば麓の登山口にも簡易バリケードが設置されていたような?
てっきり車両進入禁止の意味かと思っていたが登山道事態が無くなっていたのか。



真弓清水から先は「連絡コース」という名称のようだ。
相変わらず眺望は今ひとつ。



なんか霞がかっていて海も見えない。
おかしいなぁ、なんかもうちょっと天気良いかと思っていたのに。



それでも歩き続けていれば景色は変わってくる。
木立の間から鹿狼山と思わしき山が浮かび上がってきた。



前方が明るくなってきたなと思ったら…



展望が開けた。
少し視界が回復してきたのか、新地の火力発電所の煙突も見えている。
ゴールの松川浦もすぐそこに見えていた。
ペンギン「ゴールがもう目に見えるところまで来たっぺね」
お茶「感慨深いなぁ」



鹿狼山山頂も近くなった。
しかし山の形からして最後に一発急登がありそうな予感がする。



ペンギン「予感、的中したっぺ」
お茶「それにしてもこの柵はなんで道の真ん中に?」
ペンギン「歩きにくいっぺよ」



最後の急登も五分ほど頑張って登れば山頂のお社が見えてくる。
ペンギン「着いたっぺ~」



鹿狼山山頂にはいくつか社が設置されている。
これは足尾神社。
脚の病などにご利益ありとのこと。
ペンギン「私の靭帯も何卒よろしくだっぺ!」



こちらは本社の鹿狼山神社。
手長足長が祀られている。
ペンギン「すげーもん祀ってるっぺね」
ちなみに手長足長とは仙人・妖怪の類で異様に手足が長い巨人なのだとか。



ペンギン「鹿狼山、登ったどー」
そうそう、なんか以前登った時のことを思い出してきた。
すごい立派な山頂碑があったっけ。



角田・丸森方面展望。
今日は内陸側のほうが天気が良い。
雲が多いなりにも青空が広がっている。



新地・相馬方面展望。
潮風トレイルとしては、こっちの眺望がメインなんだろうけど。
ペンギン「なんかこう…ぼやーっとした景色だっぺ」



三角点タッチ!



眺めが良い山頂でしばし休憩した後、下山の途に着く。
下山は樹海コースから。
この日は平日にもかかわらず大勢の人が登りに来ていて賑やかだった。



それもそのはず…



登山道脇のあちこちに春の花が咲き乱れているのだ。



みんなこれがお目当てのようで、あちこちで立ち止まって写真を撮る姿が見られた。



中でも樹海コース中腹のカタクリの群落が素晴らしい。
ペンギン「花畑だっぺ♪」



登山道はどこも手入れが行き届いている。
山頂で登山道の整備をしているという一団と出会ったのだが熱心に活動している様子が見て取れた。
こういう人たちのお陰で、我々ハイカーは楽しく山歩きができることを忘れてはいけないと思う。
ペンギン「ありがたいっぺ」



登山口の鳥居付近には狛犬ならぬ狛鹿と狛狼。
はて、こんなのあったかなと一瞬戸惑ったが、最近建立されたもののようだ。
どうりで記憶に無いわけだ。



無事下山。
駐車場はほぼ満車。
平日だっていうのにね。
ペンギン「人のこと言えた義理じゃないっぺ」



ペンギン「いい山だったっぺ」



新地の町外れでトレイルコース本線を離脱。
本日はここまで。
ペンギン「お疲れさまでした~」


潮風&浜街道トレイル新地町区間。
このコースの見どころは何と言っても麓の一目千本桜と鹿狼山でしょう。
千本桜のほうはちょうど満開の時期に重なり、お花見ができました。
平日とはいえ、ほとんど人がいなかったのも良かったですね。
一日居座ってのんびり花見をしたい気分に駆られました(笑

鹿狼山は東北百名山攻略の際に一度登っているので二度目の登山です。
登りは初めて通る蔵王眺望コース。
下りは樹海コース。
どちらのコースもとてもよく整備されていて歩きやすかったです。
地元の人達の愛を感じますね。

曇り気味だった天気も山頂につく頃には少し回復しており、素晴らしい眺望を拝むことができました。
よく晴れていれば蔵王も見られるようですが、今回は春霞でそれは叶わず。
それだけがちょっとだけ残念でした。

さて、みちのく潮風トレイルも相馬区間を残すだけになりました。
特にトラブルが無ければあと一日でゴールに着く予定になっています。
なんとか今年中に決着をつけたいところですが…どうなることでしょう。

おしまい


詳しいルートなどについてはヤマレコにて