温泉宿の楽しみはもちろん温泉なのですが、やはり食事も重要な楽しみの一つ。
温泉で汗を流したあと、ほどよい頃合いで食事処に案内された。
まずは前菜ということで旬菜の盛り合わせが登場。
菊花和え、湿地茸、水菜 いくら添え
秋刀魚 トマトミルフィーユ
無花果、柿利休和え
つぶ貝旨煮
秋鴨さらだ包み
穴子八幡巻
栗チーズ寄せ
趣向を凝らした料理は見るのも楽しい。
普段なかなかこういった料理を食べる機会もないので、じっくり味わいながらいただこう。
「全部食べたっぺ。美味しかった♪」
「もう食べ終わったの!?」
お造りは鮪、鯛、焙り烏賊。
山の宿なのでお刺し身に関してはとくに物珍しいものはない。
もちろん、我々が普段スーパーで買って食べる刺し身とはモノが違うのだが。
「久々に生マグロ食べたっぺ~」
主菜は岩手牛のしゃぶしゃぶ。
ほどよいサシの入ったお肉が神々しい…。
地物の野菜とともにしゃぶしゃぶ。
「美味しいっぺ~」
「牛なんて久々に食べた~」
ちなみにしゃぶしゃぶのつけダレは、よくある胡麻ダレも選べるのだが、こちらのオススメはオリジナルのオレンジぽん酢ダレ。
オレンジ果汁を使って作ったポン酢だそうな。
まろやかな酸味と甘さが牛の脂と野菜の甘味によく合う。
蓋物として飛竜頭含め煮、木耳、隠元豆 練辛子蟹餡掛け
焼き物として三陸サーモン木の子味噌焼き
止め肴は蒸し牡蠣、彩りピクルス
マンゴーピュレ 香菜
「止め肴と言われても、酒が止まらん」
「いつまでチマチマ食べてるっぺ。ちょっとずつ残してる料理、食べてやるっぺ」
「やめろ! これは俺の酒の友なんだ!」
「ほら、もうご飯出てきたっぺよ」
「今日の俺なら白米を肴に酒が飲める気がする」
「勝手にするッペ」
デザートは丸十ムースフルーツ添え
洋梨シャーベット
「満足だっぺ!」
「ごちそうさまでした!」
食事の後も温泉へ。
露天風呂のすぐ外を渓流が流れている。
滑床のきれいな川だ。
昼間にはカワガラスが行き来していた。
頭の片隅に「クマが行き来したりしないだろうな」という懸念が一瞬湧いたが気にしないことにした。
※この時期、県内ではかつてない勢いでクマが出没していた。
ふぃ~、最高ですなー。
この後、部屋と温泉を往復すること3回。
たっぷりと温泉宿を堪能したのであった。
「おはようございます! 朝食の時間です!」
「…元気だね。湯あたりと二日酔いで若干具合が悪い…」
「ツは朝風呂もキメてさっぱり☆」
朝食もなかなかの品数。
納豆や温泉卵、ヨーグルトなど朝食の定番はしっかり押さえられている。
惜しいのは納豆やヨーグルトが地元のものではなかったこと。
西和賀の名産でしょうに。
籠の中には小鉢料理と漬物。
寄せ豆腐。
バンバンジーサラダ。
メインの料理は4種類の中から好きなものを選ぶことができる。
この日は赤魚の粕漬けと…
さわらの西京漬けと…
豆腐ハンバーグ…
そしてウィンナー盛り合わせ。
全員頼むものがバラバラというのが実に厨房泣かせである。
朝食後にも再度温泉に浸かり、これでもかというほどに温泉を満喫し帰路につきました。
「我々、一番先にチェックインして、一番後にチェックアウトしましたな」
「堪能しましたな!」
おしまい