「岩手の山150」攻略の一環として志賀来山に行ってきました。
この山は他にも「岩手の雪山&ハイキング」で初心者でも楽しめる雪山として紹介されています。
そんなわけでずっと昔から狙っていたのですが、なぜか行く機会に恵まれず計画がお蔵入りしていました。
今回、その計画がようやく日の目を見たというところです。

志賀来山の麓には志賀来スキー場があるので、それを目指して行けば容易にたどり着けます。
登山口の駐車場はこの時期積雪で使えないため、駐車場はスキー場のものを使わせてもらいました。
スキーヤーの姿が見えないスキー場を横目に登山口に向かいます。




スキー場の片隅に車を駐めて入山。
ペンギン「いってきまーす!」



過去のログではゲレンデを突っ切って登っているものもある。
しかし、まだ営業期間中なのでゲレンデを迂回して登山口へ向かう。
駐車場から入山地点までは車道歩きなので車に注意。
一応、歩道もあるようなのだが除雪されていない。



最初は林道歩きだ。
斜面は急だが道は車両通行可能な程度な角度で緩やかに山を登っていく。
準備運動の区間としては最適だろう。



しばらく進むと林道は終点となった。
ここには案内板があり、志賀来山周辺の遊歩道などが掲載されていた。
どうやら夏道もあるようだ。
冬山としか認識していなかったので意外だった。



車道が終わった途端急登が始まる。
もう車に気を使う必要は無い、直登で登ってしまえ…ってな感じだろうか。



小さなピークを過ぎると道は下りへ転じる。
どうやら志賀来山本体へはアップダウンを繰り返しながら進んでいくようだ。



尾根筋には小さな雪庇ができていた。
これはこの先大きく発達したりするんだろうか?



ゲレンデトップに出た。
ここは公式にもゲレンデ展望台として眺望地になっているので営業中の今でもコース内に出て問題ないだろう…たぶん。
それよりもコースの真ん中に灌木が生えていて、とても営業中のスキー場とは思えないことが気にかかる。



展望台を過ぎれば、いよいよ志賀来山本体に取り付く。
ここまでも、まぁまぁ急な坂道だったが見上げる山の斜面は壁のようだ。
ペンギン「まさか直登するんじゃないっぺよね?」
お茶「いや、まさか。…とは言い切れないところが怖いね」



いきなり道が尽きた。
ピンテはあるが灌木をかき分け登っていかなければならないようだ。
ペンギン「嫌な予感しかしないっぺ…」



ピンテに従って急斜面をトラバース気味に登っていく。
何度か折り返しがあることから夏道は雷光型につけられているようだ。
しかし、中途半端に雪に倒された灌木の横枝がうるさく歩きづらい。



しばらくは横枝をしばき倒しながら道型に従って登っていたが面倒くさくなってきた。
どうせ歩きにくいなら直登してしまっても大差なかろう。
急斜面に正面から挑むのはキツイが、灌木が薄い部分を選んで進める。



斜面が緩むと山頂へ続く尾根に出た。
この尾根筋は雪庇地帯になっている。
踏み抜かないよう注意しながら進む。



ペンギン「のぼったどー!」
志賀来山山頂到着!
思ったより苦労したような、想像していたよりアッサリしたものだったような…なんか不思議な感じだった。
豪雪地帯で胸までのラッセル…というイメージとはかけ離れた現状だったからか。



山頂からの眺望は、灌木に囲まれているため微妙な感じ。



そうそう、灌木に囲まれているものの東側の斜面は切れ落ちているので注意が必要だ。
風を避けようとして踏み込んで滑落なんてことになったら洒落にならん。
ペンギン「カメラ落としそうになったっぺ?」
お茶「ギクッ、どうしてそれを?」



では、帰りましょう!



山頂から続く尾根の突端からは西方向の眺望が得られる。
ここが一番景色が良いかな。
山頂にこだわらず、ここで休憩しても良かったかな。
ペンギン「風強くて寒いっぺよ」



時間にも体力にも余裕が残っていたので、帰りは登りと違うコースで帰ることにした。
志賀来山の南側に流れる川に氷瀑ができるというので、それを見ていこうと思う。
お茶「とはいえ、今年は氷瀑になっているかどうかわからんけどね」
ペンギン「暖冬だっぺからねぇ」



作業道らしき道方を南に辿ると再びゲレンデトップに踊り出た。
登りの時に見たのとは違うゲレンデである。
こちらにはリフトの支柱が設置されていたが現在は利用されていないようだ。



ゲレンデトップからの眺め。
スキー場のセンターハウスや我々が車を駐めた駐車場などが一望できる。
そしてやっぱりコース内に灌木が生えているように見えるんだよなぁ。
営業してるはずなんだが…。



ゲレンデの上辺を横切り、さらに南へ進む。
お茶「営業時間中のゲレンデに立ち入るのは多少気が引けるような気もする」
ペンギン「言うても誰もいないっぺよ?」
お茶「まぁ、そうなんだけどね」



ゲレンデから出たら尾根筋なぞり、林間を下降していく。
標高が下がるにつれて尾根を追いづらくなるが、雑木林と植林地の境を目標にしていけば大丈夫。



斜面を下りきると林道のようなものに行き当たった。
この道にはピステンがかけられていて平らに均されている。
スキー場からは離れているのに、なぜ?と不思議に思ったが、どうやらクロスカントリースキーのコースとして整備されているようだ。



このピステンの跡をありがたく利用させてもらって林道を進んでいく。



森が開けてきた。
先人の記録によると、このあたりから沢筋に下りていくはずなのだが…。



トレース発見!
こんなところについている足跡は滝見のもの以外ないだろう。
先人の道案内で森の中へ入っていく。
ちなみに、このあたりには沢の他に用水路が走っているので落ちないように!
ペンギン「落ちかけた人が言うと説得力あるっぺな」



急な斜面を下ると沢底に到達する。



本流ではなく、沢岸の崖から滴り落ちる水が凍っていた。
氷爆というよりは大きな氷柱の壁といった感じだ。



うーん、写真で見たのより全然小さいな…。
もうちょっと成長すれば氷爆というのにふさわしい姿になるのかもしれないが。
今年は暖冬だから仕方ないか。



氷爆見学後、再び林道をたどって駐車場に戻った。
ペンギン「お疲れさまでした!」


志賀来山がある沢内は岩手県内でも豪雪地帯で知られる場所。
当然、厳冬期の今の季節はガフガフの雪が積もっているはず。
過去の記録を見ると胸までのラッセルに苦しんだなどという記述もあり、それなりに覚悟して挑みました。

ところが、現地に行ってみるとガフガフの雪どころか、みっしりと引き締まった雪面が我々を迎えてくれました。
さすがにツボ足ではふどってしまいますが、スノーシューやワカンを装着していればほとんど沈ます普通に歩けます。
まるで残雪期のようなコンディションに、少々拍子抜けでした。

今年は本当に雪が少ないのですね。
西和賀地方でこんな状況とは驚きです。
あまりに雪が締まっているので、むしろ下りの時のスリップに悩まされました。
スノーシューよりワカンの方が良かったようです。
このところ、ギアの選択に苦しんでます…。

さて、これで「岩手の山150」も残り八座!
完登が見えてきました♪
次はどこに登りましょうかねぇ。

おしまい


詳しいルートなどについてはヤマレコにて