手軽かつ、それなりに積雪がありそうな場所ということで女助山に登ってきました。
まだ登ったことなかったし。
年末の岩神山で果たせなかったスノーシューの魂入れもしてこようと思います。
では、行ってみましょう!
女助山の登山口には駐車場がないのでケッパレランドに車を駐める。
少し余計に歩かなければならないが、トイレも借りれるので路駐などせずにここに駐めるのが吉。
「急がば回れだっぺ」
あぜ道や民家の脇を通って女助山へ向かう。
県道を横断。
田舎道とはいえ盛岡と和賀を結ぶ主要な道なので交通量はそれなりに多い。
「横断するときは車に注意だっぺ!」
雪が降ってから女助山に入った人は居ないようだ。
踏み跡も無いため道が判然としないが、標識が正しい道を歩いていることを教えてくれる。
最終民家から先は一切踏み跡のまっさらな雪面が続く。
待ってました!と嬉々としてギアを装着する。
「今度こそスノーシューの魂入れじゃ!」
雪原から樹林帯へ入っていく。
あれれ、思ったより雪が少ないぞ。
スノーシューの刃が地面に底突きしているのが伝わってくるではないか。
「これならツボ足でも歩けるよなぁ…」
平坦な森の中の道はしばらく続いた。
しかし、一度斜面に取り付いたかと思ったら狂ったように急斜面を登っていくではないか。
急登だとは聞いていたが前後の落差が激しい。
なんかぱっとしない天気かと思ったら青空が広がってきた!
「やっぱり青空は気持ちいいっぺ」
尾根に上がると少しだけ勾配がゆるくなった。
厳しい登りが続いたので一息つける。
しかしそれも一瞬のこと。
山頂直下の最後の登りは再び鼻こすりの急登だった。
「厳しい!」
「わいはこれくらいの方が燃えるタチだっぺ♪」
「変態だ!」
しかもこの区間は雪が少なく、新雪の下に地面がガリガリに凍結している。
ついにスノーシューでは登りきれなくなってアイゼンに換装する羽目になった。
尾根を直登したいところだが、安定した足場を求めて右往左往。
中途半端な積雪はかえって難易度が高いな…。
いきなり滑る怖い岩場を越えると積雪が復活した。
アイゼンが効く安定した雪面があれば、あとは山頂に向かってトレースを延ばしていくだけだ。
「いえーい山頂!」
「と言いたいところだが、ゴールはここではないのだ」
「え、そうなの?」
隣にあるのが三角点ピーク。
あっちを踏んでこそ、女助山を真に女助山を攻略したと言えよう!
「マジすか。糠喜びしちゃったっぺ」
認定ピーク?から小さな鞍部を越えて三角点ピークへ。
木立に囲まれた狭い空間に山頂標が備え付けてあった。
「ついたー!」
三角点ピークというから多少は眺望が得られるのではと期待していたのだが…。
「里山だし低山だし仕方ないっぺ」
「女助山、のぼったどー!」
「三角点標柱は探せず!」
一休みした後、帰路につく。
自分たちだけの力で刻んできたトレースを見るのは楽しい。
他人が着けたトレースを見てもなんとも思わないのに不思議なもんだ。
「達成感だっぺか?」
最初は往路と同じ道で帰ることにしていたのだが、凍った岩場を下るのが少し億劫だった。
地図を見ていると北方向に別の尾根が延びている。
実際、分岐点に行ってみると、なんか赤ペンキで矢印が書いてあるではないか。
こちらからでも下りれるようだ。
「よし、行ってみるか!」
一歩踏み込んだ足が膝上まで埋まった。
こちらは吹き溜まりになっていて積雪が多いらしい。
登るのはキツイが下るなら楽ができそう。
豊富な積雪をガフガフとかき分け急な斜面を下っていく。
一部切れ落ちている片尾根のような場所も通過する。
登り返しは難儀なので、慎重に方向を見定める。
フカフカの雪を蹴り一気に高度を下げていくと林道に出た。
傾斜が無くなったとたんに雪の重さが両足にのしかかってくる。
ラッセルラッセル!
…というほどのものでもないが、積もった雪をかき分けながら進んでいく。
あとは地道に林道を歩いていけば山を下れるはずだ。
ぱっと目の前が開けた。
樹木が伐採されているおかげで岩手山が綺麗に見えているではないか。
岩手山から秋田駒まで連なる大展望を堪能。
まさかこんな見晴らしの良い場所があるとは思わなかったので嬉しい。
「山頂より、よほどこっちのほうが眺めがいいっペ」
さらに林道を下っていくと集落裏の耕作地に出た。
付近には野生動物が雪や土を掘り返した跡が多数残されていた。
冬でも田畑の周りを荒らされたら農家は堪らんねぇ…。
森を抜けると今度は男助山が目の前にどどーん。
小さな里山だけど、なかなか存在感がある山だよなぁ。
最後は除雪された集落道に出て山歩き終了だ。
「お疲れ様でした!」
さて、雪を求めて雫石の山に行ったわけですが、さすがの雫石といえども今年は雪が少ないようです。
スノーシューの能力を全開にできるような雪山ハイクにはなりませんでした。
強風の影響か吹き溜まりが多く、積雪のある場所ない場所がくっきりと分かれていました。
雪がない場所はスノーシューで歩けなかったり、凍っていてアイゼンに切り替えたりとギアの選択が難しかったです。
結果から言うとアイゼンにワカンの組み合わせが最適だったかなと。
女助山は、噂には聞いていましたが、なかなかの激登りと激下り。
正月で鈍った体が重くて重くて…。
鍛え直さねば!
「年中そんなこと言ってるっぺ」
おしまい
詳しいルートなどについてはヤマレコにて