遠征三日目の午後は福島の日山に登りました。
茨城からだいぶ北上してきましたが、やっぱり空気が違います。
車を降りるとひんやり…というか、シンとした冷気を感じました。

日山は一時期富士山が見える北限の山とされていたことがある山です。
現在ではさらに北にある花塚山にそのタイトルを譲っていますが、眺望の良い山であることに変わりはないはず。
山頂からの眺望が楽しみです。

それでは行ってみましょうか!




「下の」田沢登山口をスタート地点とする。
もう少し林道を登った先に「上の」田沢登山口があるようだが歩く距離が短くなりすぎてつまらない。



出発!
午前中に引き続き、今回も一人山行だ。
ツートンは車で暖を取っているとのこと。
ペンギン「…いっでらっじゃいグスグスズビっ!」



登山道脇には変な形の岩がゴロゴロしている。
なんか見たことある景色だなぁと思ったら姫神山に雰囲気が似ているのだった。



なにやら道標が指し示す方角にカラーコーンが置かれていた。
通行止め!?と一瞬焦ったが、登山道ではなく散策路の話だった。
そういえば登山口に「日山原生林遊歩道」という看板が出ていたっけ。



暫く登ると林が途切れ草原が広がった。
緑の草原も良いが冬枯れの草原もそれはそれで綺麗なものだ。



柵で囲われているところを見ると牧草地なのだろうか?
なんにせよ眺めが良くて素晴らしい。



御神水の石碑がある場所で田沢登山口(上)からの道と合流する。



二つの道が合流したからなのか少し道の整備状況が良くなったような?
そしてコース中あちこちに休憩所が設けられているのがありがたい。
東屋やベンチが設置された本格的なものだ。



雪だ!
なんだか空気がシンと冷えてきたと思ったら!



山頂手前は再び奇岩地帯となる。
登山道は岩を避けているので歩くのに支障はない。



なかなかユニークな形の大岩がゴロゴロしている。
笠石…とか、名前の一つでもついていてもよさそうなものだ。
しかしそういった標識は一つも見当たらない。



たくさんありすぎていちいち名付ける気にもならなかったとか?



標高が上がるにつれて少しずつ雪の量が増えてきた。
サクサクという雪の感触を楽しみつつ山頂へ向かう。



着いた!
登山口から40分。
思っていたよりあっさり到着してしまった。



日山天王山、登ったどー!
…うーん、他に誰も居ないし一人だとさみしいなぁ。



山頂広場は微妙な高さの灌木に囲まれているので地面に立った状態ではほとんど眺望は得られない。
その代わり立派な展望台が設置されているので登ってみよう。



どれどれ、富士山は見えるかな?
…知ってる。
見えないよね、この天気じゃ。



安達太良や那須も見えなくて残念だが雲間から差し込む光が神々しい。
いや、禍々しい…かな?



北側にはプリンのような特徴的な山が見えるが名前は分からず。



南東方向には大滝根山と太平洋が見えた。
大滝根山もずいぶん昔に登ったなぁ。
山頂で福島第一原発方向に煙が上がっているのが見えてビビった思い出がある。



ペンギン「一昨日登った八溝山も見えるらしいっぺよ」
お茶「ほうほう…。ん?」
ペンギン「…」
お茶「空耳…か」



日山の山頂広場には三柱の神様が祀られている。
どんだけパワースポットなんだよと思ったが、これは麓にある三つの村がそれぞれで社を建てたためだそうだ。
三つの社はそれぞれの村の方角を向いて建っている。
「ここの神様はオラホの神様だっペ!」
「いんや、儂らの神様ずら!」
などという神様争奪戦があった…かどうかはわからない。



お出口はこちら。
ピストンの予定だったが、登りがあまりにあっさりしていたので周回コースに変更することにした。



茂原コースの山頂直下には胎内くぐりと呼ばれる岩穴がある。
…いや、無理でしょ、これ。
出口側から見ているのだが、まったく入れる気がしない。



早々に入るのを諦めて入口…つまり麓側に回り込んでみた。
反対側からだと入れそうなのが怖いな…。
先に出口を見ているから入らないが、意気揚々と入り込んで途中で詰まったら…と思うと恐ろしい。



茂原コースは田沢コース以上に緩やかな道が続く。
というか、本当に下っているのだろうかと思うほど水平方向への移動だ。
夕闇が迫ってきたので少し急ぐか…。



途中に一箇所だけ分岐がある。
急げども、分岐点での方角チェックは確実に!
ここで間違えると山の裏側に下りてしまう。



いよいよ何かが降臨してきそう。
厨ニ心がくすぐられるぜぇw



茂原コースはようやく下る気になったようだ。
いきなり急な下り坂になった。



スタート地点のパークゴルフ場が見えてきた。
このあたりは眺めが良い。



そんな眺めの良い場所にいい具合に休憩所がある。



休憩所をすぎると、あとは登山口に向けて一気に下っていく。
反対側から来る場合、この厳しい登りを終わったところに休憩所がある寸法だ。



茂原登山口に着いた。
付近には野外活動センターみたいなものがあるらしくバンガローや炊事場が整備されている。
冬キャンは受け付けていないらしく閉鎖中だ。



あとは舗装路を通って田沢登山口へ戻るだけ。
眼の前には、たった今登ってきた日山が見えていた。
こうして見るとたおやかな女性的な山容をした山田ということがわかる。



駐車場に戻ってきたらジム兄だけがポツンと佇んでいた。
出発するときに何台かいた車は全て帰ってしまったらしい。
まぁ、もう夕方だしね。
お茶「我らも帰ろうか」
ペンギン「おいじいもの…、なにがおいじいぼのを食べさせでーーーー」
お茶「飢えてる!」

初めて登った日山。
登りに使った田沢コースは危険な場所も難しい場所もなく、よく整備されたハイキング道でした。
道の両脇には広葉樹の明るい林と林床の笹、そして様々な形をした奇妙な岩が点在していました。
なにかデジャヴュを感じたのですが思い起こしてみると姫神山に雰囲気が似ているんですよね。
城内コースあたりが一番雰囲気近いかもしれません。

山頂からの展望は予想通り素晴らしく東西は太平洋から脊梁山脈まで、南北は蔵王から八溝山など関東の山まで見通すことができる…らしいです。
残念ながらこの日は雲が多く遠くの山は見えませんでしたけどね。
できれば、よく晴れた日に登って富士山の姿を確認してみたいものです。

おしまい

詳しいルートなどについてはヤマレコにて