この記事は「日立アルプスをWピストン 神峰山」の続きです。

高鈴山からバイオトイレのある広場まで戻ってきた。
このまま駐車場には戻らず、今度は反対方向の道へ進んで神峰山を目指す。

神峰山への道のりは、途中でいくつか分岐がある。
しかし基本的に稜線上を進む道を選べば間違いないはずだ。
「なんか適当だっぺ。時間がないからってあせってない?」
「…大丈夫…だと思う」

登山道はよく整備されている。
明るい林間の道はトトロでも出てきそうな雰囲気だ。

樹木が途切れると鮮烈な赤色が目に飛び込んできた。
名残の紅葉を夕日が赤く照らしている。
今年、くすんだ紅葉ばかり見てきた目には大層鮮やかに映る。

山頂直下の急な登り坂を一気に駆け上る。

急な坂を登り切ると測候所の跡の建物が目に入ってくる。
この測候所は麓にあった日立鉱山が煙害対策のために作ったものが前身で後に日立市が業務を引き継いで今に至っているという。
現在、気象観測業務はこの建物では行われていないが市役所の庁舎に「日立市天気相談所」が存続している。
…と近くにあった案内板に書かれていた。
「へぇー」
「あんま興味なさそうだね」
「あ、鳥が居るっペ!」

建物の傍らには展望所があり日立の町並みを見下ろすことができる。
街の向こうには太平洋が広がっている。
見える見えると言われ続けて四座目。
ようやく常陸の海を見ることができた。

これは日立のシンボル、大煙突。
測候所とともに煙害被害軽減のために作られたもので当時世界最大の煙突だったとのこと。
残念ながら平成に入って上部3分の2が倒壊してしまった。
現在の姿でもなかなか存在感があるが、完全な状態であればさぞかし威容を放っていたことだろう。

山頂広場の一角には、なぜかハート型の池が。

視線を巡らすと、さっき登ってきた高鈴山が見えた。
気象レーダーがまるで五輪塔のように見える。
レーダーと知らない人が見たら、なんらかの宗教施設に見えるんじゃなかろうか(笑

最後にお約束の…
「神峰山、登ったどー!」
ちなみにツートンのポーズは大煙突からたなびく煙を表しているそうだ。

広く眺望が得られる測候所跡周辺とは対象的なのが神峰神社だ。
薄暗い杉林の中にひっそりと佇んでいる。

ちなみに神峰山の三角点は少し離れた北峰にある。
帰りがけに三角点を確認し帰路についた。
ここの三角点は四等なので標柱はない。
近年になって整備されたコンクリートの目印があるだけである。

ほい、トイレのある広場まで戻ってきました。
「お疲れ様でした!」

夕闇に追い立てられるように車へと急ぐ。
写真だと明るく見えるが、実際はけっこう暗くなりつつある。
時々、周辺の雑木林からカケスの鳴き声が響き渡り不気味だ。

駐車場に帰り着いてみれば、あれだけたくさんあった車は一台も居なくなっていた。
我らの相棒ジム兄が所在無げに佇んでいるだけである。
「ただいまー!」
これにて日立アルプスWピストン、無事に終了だ。
さて、日立アルプスですが「アルプス」を冠していても里山ということで、それほど入山者も多くあるまいと思っていました。
しかし、そこはさすが関東の山。
けっこうな数の入山者がいて非常に賑やかでした。
特に高鈴山へ向かう途中の御岩山付近は、麓の神社から奥の宮に登ってくる参拝者が多く、山の中とは思えないほどの混雑ぶり。
山慣れないのか足元が危なっかしい人もいて見ているこちらがヒヤヒヤしました。
御岩山付近だけはちょっと異質な雰囲気です。
登山道は全体的に緩やかな勾配となっていて整備も行き届いていて歩きやすいです。
アルプスなどと言うから激しいアップダウンがあるとか岩場があるとか、そういうのを想像してちょっと警戒していたのですが、実際はハイキングロードですね。
低山ながら高鈴山も神峰山も眺望に優れているのも良きポイント。
特に神峰山からは太平洋を望むことができて景色に変化がありいいですね。
下山が日没ギリギリになってしまったことは反省ポイントですが、日立アルプスをお腹いっぱい楽しみました。
おしまい
詳しいルートなどについてはヤマレコにて
