この記事は「みちのく潮風トレイル浦戸諸島 野々島」の続きです。

 

 


無料渡船が運休中で危うく野々島に取り残されそうになった我々。

しかし、とっさの機転で市営汽船に乗り、無事に野々島を脱出することができました。

ペンギン「それは大げさな物言いだっぺ」

 

 

というわけで、なんとか桂島に上陸することに成功した。

ちなみに桂島には港が2ヶ所あり、今居るのは石浜港である。

ここから島内を散策し、もう一方の桂島港を目指すのだ。





さっそく島内探索に出発!

ペンギン「いきなり山登り」



石浜港周辺は、ここまで巡ってきた浦戸諸島の中で一番人の気配が濃厚な場所だ。
限られた土地に家々が立ち並んで独特の景観を作っている。



集落の最奥に白石廣造邸跡がある。

地域の発展に寄与した人らしいが建物は失われている。

土台と崩れかけた土蔵が残るのみだ。

栄華は長く続かなかったということか。

ペンギン「単に引っ越しただけかもしれんぺ」



その邸宅跡裏手には怪しげな階段が!

お茶「旧邸宅跡に隠された階段! これは事件か財宝の匂いがする!」

ペンギン「マンガの読みすぎだっぺ。しかも隠されてないし、階段」



我々は最新の注意を払いながら、少し荒れた感のある階段を登っていく。

お茶「気をつけろ、いつ奴らの残党が襲ってくるかもしれん」

ペンギン「あくまでもその体でいくのすか?」



五分ほどで浦戸諸島最高峰の津森山山頂に到着する。
ペンギン「のぼったどー」
お茶「標高61m」



山頂には雨降石と呼ばれる岩がある。

昔、この石の雨乞いしたことからそう呼ばれているのだとか。

とりたてて特徴のある石とも思えないのだが…。

そんな石に雨乞いをしてしまうくらい、島民にとって水の確保は切実な問題だったのかも。



残念ながら山頂からの眺望は得られない。

眺めが良いところが多いのにこれは残念。



雨降石の近くには石浜神社がある。

立派な社殿だがひっそりと静まり返っていた。



森を抜けると青空が広がった。

島の中では比較的平坦な土地らしく畑などが作られているようだ。



その一角にオブジェや花壇などが整備された場所がある。

昔、白菜の種を採取するための菜の花畑だった場所だそうだ。

白菜は近似種と交雑してしまいやすく、純粋な白菜の種を採るために離島の環境が適していたとのこと。



高台から下りると目の前に桂島海水浴場が広がる。

トイレやシャワールームも設置されていて使い勝手が良さそうな海水浴場だ。

もちろん、今の季節は閉鎖されていてひっそりとしていた。



これは気持ちいいな!

流木以外にはこれといったゴミすら落ちていないきれいな砂浜だ。

残念ながら風が強くなってきてしまい長居することはできなかった。



海水浴場を過ぎると道は再び高台へ。

島の西側はこの高台の上から景色を眺められる展望台が点在している。



まずは観月崎展望台。



二度森展望台。



連続する展望台を過ぎるとタブの森に入っていく。

当たり前のことではあるが、このあたりの木々を傷つけるようなことはしてはいけない。

なぜなら…



タブノキの林の中には松崎神社があり、ここの神様は境内の木に刃物を入れると祟るのだという。

気をつけよう。



松崎神社から降りると昔からの家並みが続く路地に出る。

あの津波にも流されることなく残った景色だ。



港に続く道は島の繁華街…だったのだろうか。
数軒の商店らしき建物があったが残念ながら営業はしていないようだ。

ペンギン「なにか美味しいものでも売ってないかと思ってたのに…」



集落を抜けると桂島漁港。

漁港の一角には定期船の待合室もある。



ペンギン「さよなら、浦戸諸島」
お茶「なかなか楽しかったね。島ごとに雰囲気が違うし」



船に乗ってしまえばあっという間に塩釜が見えてくる。

桂島からの所要時間は約20分。



帰還!



あとは本塩釜駅に戻るだけ。

離島から帰ってくると塩釜の街が大都会に見える。



これにて本日のトレイル終了!
ペンギン「お疲れ様でした!」

潮風トレイル浦戸諸島区間。

スタートするまでが大変なコースではありますが、島内に設定されたハイキングコースはどこもしっかり整備されていて歩きやすいです。
島だけに随所で海が眺められるポイントもあります。
しかもこれが松島を沖合から眺める構図なんですね。
観光地の喧騒を対岸に、静かな松島を堪能できるのもポイント高いです。

また各島ごとにそれぞれカラーというか特色があるのも面白いポイント。
寒風沢島は歴史の島。
野々島は花の島。
桂島は眺望の島といったところでしょうか。
漁業も盛んなようですが、惜しいのは島内でそれを食べられる場所が無いことでしょうかねぇ。
それが心残りでした。
ペンギン「んだ! ポスターで浦戸諸島の海の幸とか書いてるの見たけど食べれてない!」

 

おしまい

 

詳しいルートなどについてはヤマレコにて