良い天気に誘われてプチ遠出…ということで、九戸にある就志森に行ってきました。
盛岡から約2時間。
同じ県内とは言えなかなかに遠い場所にある山です。
それでは、行ってみましょう!





国道から集落の路地に入って少々で晴間沢登山口に到着。
登山口周辺は数台分のスペースが除雪されており安全に車を停めることができた。
たまたまそういうスペースができていたのか、それとも登山者の便宜を図っての事なのかはわからないが。
ありがたく使わせていただいて入山する。
ペンギン「行くぜ!」



雪に覆われた小道を進むと民家に行き当たった。
この民家の正面の立木には「←筑紫森登山道」というような標識がかかっていた。
マイナーな山で人の気配など皆無…と思い込んでいたので少々拍子抜けだ。



登山道は民家前から左手に折れ林の中に続いていく。
林の中に入ると数日前のものと思われる足跡が残っていた。



「三合目」という標識が現れた。
思った以上に人の手が入っている。



里山だけに作業道や杣道など分岐も多い。
一応手元の地図で確認しながら進むが、足跡は迷う素振りも見せず正解の方向へと進んでいく。
ペンギン「足跡の主は地元の人かもね」
お茶「うん、なんかそんな気がする」



しばらく登っていくと木々の間からひと際高いピークが見えてきた。
あれが就志森だろうか。



道の脇には小さいながら雪庇ができている。
今は穏やかだが風が強い場所なのかもしれない。



車も通れるような大きな林道に出た。
山頂は右手に見える急な斜面の上にあるのだが…。



ここは山腹をトラバースして取り付きやすい場所に向かうようだ。
林道から逸れ、右手の林の中に入っていく。



林の中で三合目以来の六合目標識と出会った。
一合目や五合目などは見つけられなかったが見落としたのか、それとも最初から無かったのかはわからない。



その先には分岐点が有り、一方は七合目へ、もう一方は八合目へ向かうと記されている。
ペンギン「右へ行けばショートカットっていうことだっぺか?」
お茶「うーん? たぶんそうだよね」



我々はショートカットして七合目をすっ飛ばして八合目へ向かう道を選んだ。
一合飛ばして進むだけに、それなりに急な登りだ。
腐り始めた雪に足を取られ思いの外苦戦させられた。



急坂を征すると地京登山口からの道と合流する。
そこで我々は意外なものを発見した。
大勢で踏み固められた立派なトレースである。
しかも新しい。
おそらく今日のものだ。



そのトレースに導かれて易易と八合目へ運ばれてきた。
正直、トレースなんか期待していなかったから拍子抜けではある。



九合目には札が二枚かかっていた。
これでもかというほど人の気配が濃厚な筑紫森。
寂峰ではなかったらしい。
このあたりで件のトレースの主に出会う。
十人ほどのパーティだった。
地元の方なのかな?



九合目を過ぎれば最後のひと登りだ。
尾根が狭まっていく先に山頂が有るはず。



ぽっかりと目の前に空が広がった。
就志森の山頂は意外なほどに広い空間を有していた。
低山だから林に囲まれているだろうと眺望は期待していなかったのだが、これは素晴らしい。



山頂には立派な標識が二つもある。
せっかくなのでそれぞれで記念写真を撮った。
「戸田つくし三山」「藩境塚」など情報も多い。



こちらには「九戸10名山」「立石長峰」などの表記がある。
いずれも初めて聞くものばかり。
おそらく何か書物などにまとめられた公式の名称ではなく、地元の方々が愛をこめて名付けた呼び名なのではなかろうか。



山頂からの眺めは特に北東方向が優れている。
階上岳や八戸あたりまで広く見渡すことができる。



反対の南西方向も一部の樹木が伐採されて眺望が確保されている。
写真では見づらいが岩手山や八幡平の山々を望むことができる。



風もほとんど無く暖かかったので山頂でのんびり休憩した。
コーヒーを飲みお菓子を食べ、満足したので下山の途に就く。
下りは基本的には往路を戻るだけだが…



時々、踏み跡から外れてガフガフの深雪を踏んで遊びながら帰った。
なお、山頂から林道までまっすぐ下ろうと目論んでいたのだが、あまりに急すぎて中止した。
なるほど、登山道がわざわざ大きく迂回しているだけのことはある。
ペンギン「あれはほとんど崖だっぺ」



民家が見えてきたらゴールも近い。
こんな立派な家なのに空き家になっているとはもったいない…と思うが、住むとなると色々大変なのだろうな。
安く譲ってもらえるならリノベーションして…とか妄想は膨らむが、たぶんすぐに持て余すことだろう。
ペンギン「ちゃってぃは不器用でDIYとかできそうにないし、ものぐさだから色々手のかかる田舎暮らしは無理だっぺ」
お茶「わかってるって…。コミュ障だしね。」



最後まで景色がいいな!



無事に下山。
ペンギン「お疲れ!」



お茶「…なんかワカンがすごいことになってるね」
ペンギン「ワックスか何か塗ったらええかのぅ」


初めての就志森でしたが、色々と想像していた雰囲気と違っていて楽しい山行になりました。
ネット上の登山記録も少なかったのでマイナーな里山だと思っていましたが予想外に多くの人が入山していました。
貸し切りのつもりだったんですが、登山口で単独の登山者と、そして九合目付近で10人ほどの団体さんと出会いました。
勝手に「寂峰」などと思っていましたが、思いの外に賑やかな山でしたね。

就志森は地元の山岳会によってかなり整備されています。
登山口や途中の分岐にある案内標識、ピンクテープなどの目印、そして山頂周辺の整備などかなり大掛かりに手が入れられていました。
愛を感じますね。

おそらく樹木を伐採して見晴らしを良くした山頂はとても居心地が良い空間でした。
北に傾城峠や階上岳、もしかしたら八戸あたりの海も見えているのかも。
西に岩手山や奥中山高原、安比高原など。360度というわけにはいきませんが、かなり広範囲の眺望を得られます。
もし就志森に行こうというのならば、ぜひ天気の良い日にどうぞ。

おしまい


詳しいルートなどはヤマレコにて