前日、県道の通行止めにより失敗した雄勝峠攻略。
潮風トレイルとしての迂回路はあるのだが同じ道を歩くのを嫌って、硯上山から雄勝峠を目指す道を歩くことにしました。
どうせ本線は迂回させられているわけだし、この際どこを通っても一緒だよね!
ペンギン「あ、なんかタガが外れたっぺ」




本日は味噌作林道経由で硯上山に登るのが第一目標。
ついでに赤線を雄勝峠まで延ばし潮風トレイルの本線に赤線を繋いでくるというのが第二目標だ。
ペンギン「なんかもう普通に里山登山だっぺ」



味噌作林道は起点付近は綺麗に整った路盤だ。
…というか綺麗過ぎるくらいだ。
未舗装なのに路面がほとんど均一だし、あまり車が入った形跡がない。
いまのところ雄勝側から硯上山に登るほとんど唯一の道なのだが。



ほとんど車が通っている跡がない。
それもそのはずで奥に行くほどに荒れてくるのだ。



雨裂を越えて無理やり入ってきた轍もあったが、この大崩壊地でそれも潰えた。
地図上では登山口は更にこの先にあることになっているが事実上車で乗り付けることは不可能な様子。
無理やり車で入ってくると、この崩壊地からバックで戻らなくてはならなくなる。



崩壊面が安定し灌木も生えているので、そんなに新しい土砂崩れでもないようだ。
林道の途中までは最近整備した跡があるのに途中からはまったく手つかずということになる。
諦めたのか予算が無いのか。
どのみち、今のままだとまったく使いでのない林道という感じ。



崩壊地からしばらく進むと硯上山の登山口に着く。
十数台停められそうな広い駐車スペースがあるが、今はもう無用の長物だ。
ではさっそく行ってみよう!
ペンギン「ようやくスタート!」



登山口から短い急登を登り切ると道はすぐに緩やかになる。
ペンギン「急なのは最初だけっすな」
お茶「そうは言っても滑りやすそうだから帰りは要注意だよ」



広く立派な登山道だが、あまり歩かれていないようだ。
路面は完全に落ち葉に埋め尽くされている。



樹林帯が途切れ鉄塔がある広場に出る。
どうやらここが山頂のようだ。



山頂!
ペンギン「登ったどー!」



三角点タッチ!
硯上山は地味な里山ではあるが「1990年版東北百名山」や「みちのく120山」に指定されている。
両タイトルの完登を狙っている身としては一粒で二度美味しい山だったりする。
ペンギン「ちゃってぃは完全制覇とか好きだの~」



さっきから轟音が響いていたが山頂に来て正体が判明した。
松島基地のF-2が頭上を飛び回っていたのだ。
訓練飛行なのか頻繁に飛んだり降りたりしている。



山頂からは雄勝湾が見える。
前々回くらいからのお付き合いだが、なかなか脱出できないな(笑



この後歩いていく牡鹿半島と金華山も見える。
大船渡あたりからシルエットとしてずっと見えていた金華山だが、ここに来て島のディティールが分かるほどになってきた。
なんだか感慨深いものがある。



そして、さらにその先に控えているのは石巻市の市街地だ。
いや~都会だな~(笑
この後、さらに仙台市街が控えているわけだ。
ここまでずっと田舎道をたどってきたのだが、都会のロングトレイルってどんな感じなんだろうか。



さて硯上山に登るだけならこれで終わりだ。
しかし、今日はもう一つの目的がある。
雄勝峠まで潮風トレイルの赤線つなぎに行こう。
ペンギン「ちゃってぃは赤線繋ぐとか好きよね~」
お茶「いや、八戸からここまで延々と繋いできたんだし、ここで途切れたら気持ち悪いじゃん…」



硯上山の山頂を後にして雄勝峠に向かう。
相変わらず広い道だが広すぎて分岐を見逃しそうだ。
放置された登山マラソンの看板のおかげで分岐に気がつくことができた。
そうでなければそのまま作業道を直進してしまったことだろう。



分岐から雄勝峠に向かう道は一転して薄暗い樹林帯の中。
道の部分が周辺より一段高くなっている。
どうしてこんなことになっているのか分からないが道がわかりやすいのはありがたい。



樹林帯を抜けると万年通行止めの県道に出た。
二車線の立派な道ができているが当然のことながら車が走った跡はない。
きれいな路面が泣いているぞ、早く役目を果たしたいって。



県道を横断しトレイルの杭を発見した。
これで正規ルートに復帰である。
ここで帰っても良かったがせっかくなので雄勝峠まで行っておこうと思う。



少し登ると女川側から登ってくる道と行きあった。
このあたりが地図上では雄勝峠とされている。
それを示すようなものは特に何もないので今ひとつ確信が持てないが…。
ペンギン「目印の一つも無いとは甲斐が無いよのぅ」



わざわざ登山道の入口に落枝が寄せられている。
どこの業者だよ…こんな雑な仕事してんのは。



帰路ではあるが再度硯上山に登り返さなければならない。
同じ道を戻るのも芸がない。
山頂直下に違う道があるので今度はそっちを歩いて行こうと思う。
ペンギン「パノラマコース、だってよ!」



雄勝湾を眺めながら歩けるという触れ込みだったが…灌木に囲まれてあまり眺望は得られないなぁ。
ペンギン「看板に偽り有りだっぺ」


眺望よりも山頂直下の急階段が印象的だった。
最後にこの角度はエグい…。



さっきとは反対側から硯上山に登ってきた。
ペンギン「腹減った、一休みすっぺ」
微妙に冷たい風が吹く中、ベンチに座って一休みすることにした。

よくよく見ると足元を含め山頂一帯には鹿の糞がたくさん転がっていた。
…転がっているなんてレベルじゃないな。
まんべんなくバラ撒かれているといった感じ。
女川周辺は特に鹿が多い場所だとは聞いていたがこれは大変だ。



一休みしたら下山の途に就く。
まずは登山口まで降りる。
落ち葉で地面が見えない場所が多く意外と時間がかかった。



味噌作林道を終点まで歩き車を置いた広場に戻ってきた。
ペンギン「お疲れ様でした!」

とは言え、このままだと潮風トレイル本線との赤線が繋がらない。
お茶「責任を持って赤線つなげてきます」
ペンギン「え? どうするつもりだっぺ?」
お茶「一人で国道まで歩くから車を回送してきてよ」
ペンギン「そこまでする!?(笑」



お茶「行ってしまった…」



10分ほどで麓の集落に出た。
いや、集落跡といったほうが正しいだろうか。
民家は一軒を残して土台だけ残っているような状態だ。
たぶん津波でやられたんだろうなぁ。



さらに10分ほどで国道まで戻ってきた。
これで無事に潮風トレイルの本線と赤線が繋がったということだ。
やれやれ。



というわけで初めて登った硯上山ですが、山単体としては小粒な山でした。
麓から歩いても4時間あれば往復できますし、道も問題なく整備されています。
山頂まで展望はほとんど有りませんが、明るい林の中を歩くのは気持ちよく晩秋から初春の里山ハイクにピッタリかと思います。
山頂からの展望は文句なく良いですしね。

麓から雄勝峠まで通しで歩くとしても県道を歩くのとコースタイムも体力度もそれほど違わないような気がします。
これならば硯上山越えのコースを潮風トレイルの本線にしても良いのでは?と思うんですがね…。
なんでわざわざ舗装路を歩かせようとするのか疑問です。
どちらかというと無理やりにでも未舗装路を歩かせようとするのが、いつもの潮風トレイルスタイルなのに(笑

おしまい

詳しいルート等についてはヤマレコにて