久しぶりの福島遠征は運の悪いことに台風の影響の下…。
午前中は予報通り雨だったのだが、午後は雨が止んだので鳥屋山に登ってきた。



鳥屋山の登山口標識周辺には車を停める場所がない。
路肩も狭く数台停めるのが限度だろう。
今回は他に車も無かったので良かったが、混み合った場合麓集落の集会場に駐車することになる。



登山口には案内看板と登山届ポスト。
鳥屋山遭対協が管理しているらしい。
地味な里山と思いきや遭対協があるとは!



しばらく続いていたコンクリート舗装路が途切れた。
周囲の空き地は耕作放棄地っぽい。
以前はこのあたりまで農耕車が入っていたのだろう。



小さな沢に橋が架かっている。
意外と人の手が入った山のようだ。
橋の袂の木には「力清水」と書かれた標識がかかっているのだが…



うーむ、濁った沢にしか見えんのだが…。
まさかこの沢を登っていくのか?



沢を越えると急傾斜地の階段地獄が始まる。
午前中まで降っていた雨の影響か異常に湿度が高い。
台風の影響なのか天気が悪いわりには気温が高く蒸し暑い…。



カタクリの群生地を示す看板がある。
鳥屋山は春にはカタクリのお花見登山に訪れる人で賑わうようだ。
しかしこの初秋の中途半端な季節には登る人が少ないようで久しく入山した形跡が見られない。



当たり前だが今の季節にはカタクリの姿は無い。
おそらく人為的に整備されているのであろう群生地には、青々とした空間が広がっているだけだ。



登山道は何度か林道を横切っていく。
この林道も車両が入らなくなって久しいようだ。



林道との交差点等、要所要所に道標が設置されている。
この先の距離から所要時間まで分かる優れものだ。



250mあまりの標高差を一気に登ると第一見晴台に到着する。
眺望はまぁまぁ…かな。
初秋や晩秋ならもうちょっと視界が広がるだろう。



第一見晴台から先は意外に痩せた尾根道だ。
無風から一転、今度は横から強風が吹き付ける。
台風の影響だろうか。



眺望が開けた。
だが周りの山々は厚い雲の中だ。
…まぁ今日は雨が降っていないだけで御の字ですから…。



第二見晴台直下には急な階段が設置されている。
おまけにこの階段を構成する丸太がテラッテラに濡れていていかにも滑りそう。
これは帰りはスリップ注意だわ。



急階段を登り切ると第二見晴台に到着! 
小さな祠が出迎えてくれた。
この第二見晴台だが地図によっては「太夫岳」という名前が表記されている。
しかし現地ではこの名前は無かったことにされているようだ。



歩いてきた尾根を振り返る。
あら、青空が見えてきたじゃないの♪



いいねいいね、この調子で晴れてくれ。



第二見晴台から先は、ほとんど高低差のない道が続くように見える。
案内板によると山頂まであと10分ほどのはず。



太夫岳と鳥屋山の鞍部付近から「弘法清水」の看板が掛けられた枝道が分かれていた。
片道200mか…。山道での200mはそれなりの距離だよなぁ。
興味はあるが、さっき見た「力清水」の濁った沢水が脳裏をよぎる。
うむ、嫌な予感しかしない。パスだパス。



どんよりとした空の下登ってきたが、山頂付近でついに日差しがさしてきた。
木漏れ日の小道、いいね!



今度は「便所」という標識が登場。
「便所」って字、最近あまり見ないよね。
昔は駅でも公園でも「便所」だったけど、今どきは「トイレ」だもんね。
それにしても便所だと小汚いイメージなのはなんでなんだろう(笑



んで、怖いもの見たさで「便所」に行ってみた。
こ、これは…。
ブルーシートの扉の前には「使用中」の文字。
怖くてこれ以上は近づけませんでした~。



「便所」看板から間もなく山頂に到着。



三角点タッチ! 
一等三角点!



一等三角点のある山頂からは素晴らしい眺望が…。
磐梯山、見えない!



飯豊山、見えない!
…まぁ、仕方ない。
台風だもの。



鳥屋山の山頂標識は面白いシステムになっている。
標識の裏にあるボックスから任意の数字カードを取り出して…



このように日付をセットすることができる。
記念写真にどうぞ。
ちなみに前回の日付は9月23日になっていた。
約一ヶ月ぶりの来訪者だったらしい…たぶん。



今回の遠征で登る予定だった博士山が見えていた。
なんだかんだで二度フラレている。
次こそは…。



帰りは山頂直下に分岐があるので間違わないように気をつけよう。



尾根の突端から麓の萩野が見えれば、あとは急坂を駆け下りてゴールとなる。


初めての鳥屋山。
春はカタクリの群生地で有名な山なんだとか。
しかし当たり前だが花の姿はすでにほとんど無く、さりとて紅葉には早くひたすらに緑に覆われた山道をたどった。
午前中までの雨で湿度は高くミストサウナの中で登山しているような気分だった。

稜線に出たら出たで、今度は台風の影響と思われる強風に曝され一気に涼しくなる。
激しい体感気温の変化のためか、歩いていると快調だが立ち止まった瞬間に吐き気とめまいを感じるという、今までに無い不調を感じた。
すぐに収まったがあれはいったいなんだったのだろうか…。

一等三角点のある山頂からは晴れていれば磐梯山や飯豊山が眺められるらしいが、雨が降っていないのが御の字という状態では望むべくもなく。
それでも麓の集落や会津若松の市街地あたりまでは眺めが広がっていたので良しとしよう。
余談だが大きめの蜘蛛がいっぱい居て苦手な人には厳しそう。
他の山ではあまり見たことがない黄色い蜘蛛の巣を貼る不思議な蜘蛛だった。

おしまい


詳しいルート等はヤマレコにて