この日は遠野の里山に登ろうと思ってでかけたのだが、積雪などによってアプローチできなかったため引き返してきて黒森山へ向かった。
そのため出発が遅くなってしまった。
なんかもう最近、毎回こんなことを書いているような気がする。
いい加減にしないと、そろそろ痛い目を見そうな気がするな…。


登山口の駐車場は2台分のスペースのみ除雪されていた。
誰がやってくれたのかは分からないが、ありがたく使わせてもらった。



さて久しぶりの大ヶ生黒森山である。
しばらく見ない間に少しだけ雰囲気が変わっていて登山口にはこんな横断幕が張られていた。
登山ブームに乗じて登山者を呼び込もうという試みなのだろうか。



まずはガロの滝を目指す。
林道には重機の通った跡が着いていてガチガチに踏み固められている。
これは…なんか奥で作業をやっているようだ。
ちゃんと通れるんだよね???



このあたりはカケスの森のようだ。
そこら中からカケスの声が聞こえてくる。
静かな森の中にギャーギャーという若干耳障りな音が木霊する。
見た目はキレイな鳥なんだけどねー。



ここは数年前に伐採作業に阻まれて難儀した場所だ。
今ではすっかり綺麗に片付き、植林までされていた。
景色がまったく変わってしまった。



しかし林道の奥は未だに伐採作業が進行中のようだ。
…おや、道がふさがっていないか?
また木材の上を越えて行かねばならないのだろうか。
野積みされた丸太の上を歩くのは危険なのでやりたくないのだがなぁ…。



やっぱり…。
ただし今回は積み上げられた丸太の脇にスペースがあったので、そこを通って先へ進むことができた。
伐採の規模が小さくて助かった。



伐採現場から先は車両が入った形跡もなく記憶にある黒森山の姿に戻った。
やっと山歩きの雰囲気が出てきた。



いつも氷柱が出来る場所には今年もしっかり氷柱ができていた。
今年は雪が多いからなのか太いような気がするな。



その代わりガロの滝は雪に埋もれていて姿が見えない。
水音はするので凍結したわけではなさそう。



ガロの滝の上に架けられた桟道には「山側を通行して下さい」という看板があるが、その山側に穴が開いているではないか。
誰かが踏み抜いた跡もあった。
大丈夫なのか、この桟道。



分岐点からは深沢コースへ進む。
ちなみに峠コース方面にはトレースが無かった。
うーん、下山は峠コースにしようかなとも思ったのだがトレース無しかぁ。



淵の脇を通って先へ進む。
ドボンが怖い場所だが、雪が多いのでいつもより通過しやすかったかも。



すっかり雪に埋められた深沢コース。
段差が埋まっていて歩きやすい。



奥へ行くほど雪が深くなってくるがトレースの上を歩く分には足は沈んでいかない。
トレースを着けてくれた人に感謝だ。



沢沿いから尾根筋へ上がる。
以前来た時は、もっとキツイ上り坂だったような記憶があるのだが今見るとそれほどでもないように感じる。
長い年月で、もっとえげつない上り坂をたくさん見てきたおかげだろうか(笑



尾根に出ると横合いから寒風が吹き付けてきた。
いつの間にか天気が悪くなっていた。
天気予報どおりといえば予報どおりなのだが、何もこのタイミングで天候悪化しなくても…。



狭い場所は苦手…。
匍匐前進とまではいかないが這いつくばって倒木をやり過ごす。



狭いところは得意♪



途中からは風に濡れ雪が混ざってきた。
ウェアの表面に水滴が着くがしばらくすると氷に変わっていく。
これは最悪なコンディションなのではなかろうか。



だんだん我慢大会の様相を呈してきた。
会話も無くなり、二人で黙々と歩き山頂に到達した。
山名標識が風に揺れてカラカラ音をたてていて侘しさが募る。



今年に入って三つ目の黒森山の山頂だ。
特にこだわりがあってそうしたわけではないのだが、こうなってくると他の「黒森山」に登ることを意識してしまう。
岩手県にはあといくつの「黒森山」があるんだろうか。
ペンギン「まーた制覇癖が始まったっぺよ。」



できれば一休みしたいところだったが、山頂は吹雪に包まれつつあった。
景色も見えないし寒いしで、とてもゆっくりしている気分になれない。
夕刻までの時間も無いしさっさと下山することにした。



そうと決まれば脇目も振らず一目散に下山してきた。
おかげで寒さに震えながらも良いペースで下ってくることができた。



無事下山。
暗くなる前に帰ってこれてホッとした。
お疲れさまでした。

久しぶりの大ヶ生黒森山だったが、登山口を示す横断幕がかけられていたりして少し雰囲気が変わっていた。
それでも登山者はあまり多くないらしく、か細いトレースがついているのみだったが、十分に歩きやすくスノーシューの出番はなかった。
時間が遅かったので他の登山者には会うことはなく、最初から最後まで貸し切りの黒森山だった。

おしまい