岩手に多くある「黒森山」の一つ、石鳥谷黒森山に登ってきた。
あ、石鳥谷黒森山っていうのは便宜的に着けた名前なので公称でも愛称でもないのであしからず。
特に登山口を示す標識などがあるわけではないので地図とにらめっこしながら登山口を探した。
登山口を探すのが一番の核心部。
里山あるあるかな。



本日も相棒は代車のスイフト君。



車を降りるなりアカゲラがドラミングで歓迎してくれた。



人懐っこいシジュウカラもやってきて周辺を飛び回る。
楽しい一日になりそうだ。



林道は立入禁止というわけではないがスイフトでは…。
大人しく歩いて行こう。



足首まで沈むくらいの雪を踏み分け林道を進んでいくと何やらピンクテープが出てきた。



奥にもテープがあるな。
ここを入っていけというのか…。

一応、地形図には登山道の表記があるが雪の上にトレースは一切着いていなかった。
雪の下はどうなっているかわからないが、かすかに感じる足の裏からの感触だと道があるようには思えない。
全体的にあまり手入れが行き届いていない植林地の中を登っていくことになる。
林道から山頂までの距離は短いが急登に次ぐ急登だ。
距離とかかった時間の割には汗を絞られた感がある。
倒木回避のためのアスレチック運動も加わったためかもしれない。



急な尾根を登っていく。
一応、ここが地形図上で登山道表記がある場所には間違いないようだ。



倒木と蔦が絡まり合い行く手を塞いでいる。
植林地のようだが、あまり手入れされていないようだ。



山頂近くは落ち葉の上に積もった雪と急傾斜に苦しめられる。



若くひょろ長い木が多い中で一本だけ堂々たる大木があった。
この山の主かな。



写真ではわかりにくいが山頂付近に人工的な平場がある。
地形図に神社の表記があった。
ここのことか? 
すでにお社等は廃れてしまったようだ。



登山開始より1時間強で山頂に到達。
短いながらも急登の連続する手強い山だった。

山頂には山名プレートがあるばかりで眺望は得られない。
そのプレートも割れていたり欠けていたりしてうらびれた風情を醸し出している。
朝は晴れていた空もねずみ色の雲で急速に覆われ風が出てきていた。



山頂は針葉樹に覆われているため、この季節でも眺望は得られない。
黒々とした森という印象だった。



神社跡にはお社などはなく雪の上からでは痕跡すら伺い知れない。
人工的に均されたかも…という平場があるのが唯一の痕跡だろうか。
廃神社って怖いんだよね…。
ゆっくりと休む気にならず早々に山頂を後にした。



下りは雪に体重を預けて…と思ったが、まだ雪が浅く落ち葉や倒木に足をとられる。
おっかなびっくり下る。



とはいえ下りはあっという間だった。林道が見えてきた。



無事に下山。
朝の青空はどこへやら。
この後、帰り道で猛烈な地吹雪に巻き込まれるのだった…。

石鳥谷黒森山は、ちょっとした冒険心を満足させてくれる小さな里山だった。


おしまい

 

詳しいルート等はヤマレコにて