「すもん」という独特の名前の響きや、東洋一の大雪庇というイメージで憧れていた守門岳についに登る機会を得た。
さすがにこの季節では雪庇はありえないのだが、とにかく眺望も良いということなので楽しみだ。

今回は二口登山口から登り、山頂を踏んだ後に大岳を経由して下山の予定だ。
入山予定の二口登山口までの道は全線舗装路だが道幅狭小である。



二口登山口の駐車場は近くの橋の工事のため手狭になっている。
幸い朝早く到着したので難なく駐車できた。
この日は橋を通ることができたが完全に通行止めになる日もあるようだ。



工事中の橋を渡るとすぐに登山口がある。
登山届ポストはこちらにある。
さて行ってみましょう!



道は最初緩やかに始まる。
開けた谷を守門岳に向かって進んでいく。



「登山口」の標柱が現れた。
あれ?
今までの道はなんだったんだ(笑



登山口の標識を過ぎると登山道っぽくなった。
さっきまで歩いていたのは作業道か何かだったのかもしれん。
気を取り直して急坂を登っていく。



木の枝に「熊さんにごあいさつ」と書かれた札とともに鐘が取り付けてあった。
「熊に注意」などと書くより茶目っ気があって面白い。
景気よく鳴らして挨拶しておこう。



しばらく進むと、また鐘が設置してあった。
もちろん今度もカンカーンと鳴らしておく。
そしてこの鐘、プロパンガスのボンベのキャップじゃね?
上手い再利用法を思いついたもんだ。



二口コース最後の水場、護人清水に到着。
なんともご利益がありそうな名前の清水ではある。



水汲み場もきれいに整備されている。
地元の山岳会の人たちの仕事だろうか。
丁寧な整備に頭が下がる思いだ。



また「挨拶鐘」が設置してあった。
今度は赤く塗装されているな。
いよいよクマの危険が迫っているということか?



水場を過ぎると道の傾斜は少し緩まり明るい疎林の中を行く。
ツートンがしきりに「気持ちの良い森だ」「森林浴だ」と繰り返す。
どうやらこの雰囲気が気に入ったらしい。
ペンギン「癒やされる~♪」



ぽっかりと頭上が開け、これから向かう山の稜線が見えてきた。



登山道の様子も少し変わってきた。
痩せ尾根というほどではないが時々岩場があったりする尾根歩き道となる。



難所の少ないルートだが稀にこんな場所もある。



灌木に囲まれているので、それほど高度感はないが実は結構高い場所まできていた。
見下ろす谷が深い。



歩き始めて2時間。
ようやく外界が見渡せるようになってきた。



「中間点」と書かれた標柱が立っている小さなピーク。
ここが地図に「滝見台」とある場所かな?



天気も上々。
ここから先は気持ちの良い稜線歩きになるのだろうか…と期待したのだが…。



実はここは地獄の一丁目。
泥濘地獄の始まりだった。
粘土質の土は水分を含んでヌタヌタで足を置くなり滑る!



この状態は主稜線に出たら改善するのだろうか…。
いけどもいけどもの泥濘地獄に心が折れそう。



ずっと足元に気をつけていなければならないので、この区間は随分と長く感じた。



苦闘1時間。
やっとのことで泥濘地獄をクリアして大岳分岐まで到達した。
いやー、今の区間は下りでは使いたくないね…。



というわけで帰路は大岳を経由して帰ろうと思う。
保久礼コースは一番のメインコースなので歩きやすいだろうという目論見だが、さてどうだろう。



分岐を過ぎると会津の山々が見えてくる。
山座同定はできないがシルエットになって見えている山々の中には我々が登ったことのある山もいくつかあるはずだ。



おお、滝雲だ!
ちょっと流れ出ている雲の量は少ないかもだが、なかなか見ごたえのある滝雲ではないか。



なだらかな姿の西側斜面と打って変わって守門岳の東斜面は険しい。
冬になるとこの斜面に「東洋一」と言われる大雪庇ができるんだね。
一度見てみたいものだ。



大岳分岐から主稜線を辿り最初にたどり着くピークは青雲岳だ。
なかなか詩的な名前にふさわしく周囲を見渡すと青い空と白い雲の大パノラマが広がる。



辿ってきた稜線と大岳。
大岳は分岐から見る姿とだいぶ違った印象になった。



会津の山々。



そして目指す守門岳。
凸凹していて複雑な地形だ。
これもやはり麓から見た印象とはだいぶ違う。
守門岳は二面性のある山なのだな。



西側は広々とした平野とそこから立ち上がる山々が印象的な風景。
新潟県内の山を広く見渡せるはずだ。



青雲岳からの眺望を思う存分楽しんだ後はいよいよ守門岳の本丸に向かおう。

つづく