遠征4日目。
またしても予報は午後から雷雨の可能性とのこと。
いくつかあった候補の中から比較的短時間で登ることができそうな鉢伏山を選んだ。
それでもさすがに山頂直下まで車で登るのはあんまりなので宮入峠から宮入山・前鉢伏山を経由して鉢伏山まで往復してくるコースを選んだ。

宮入峠までの林道は松本側は全線舗装。
その先は不明。
鹿よけゲートがあるので開閉はしっかりと!



登山口には駐車場は無いが峠付近の道幅が広くなっているので通行の邪魔にならないように駐車する。
登山届ポスト・トイレなどは無い。
なんだか昨日の夕立で色んなものが流れ出てきた模様。
足元が悪くないことを祈っていざ入山! 



よかった、あまり豪雨の影響は感じないぞ。
多少地面がフカフカしているが泥濘んではいない。 



で、入山からものの5分で宮入山の山頂を踏んだ。
よし、これで万が一途中撤退しても「敗退」ということにはならないな! 



…などと不吉な冗談はともかく、宮入山から先へ歩みを進めていこう。 



明るい樹林帯の道は緩やかな登り坂になっている。
樹間に見える空は真っ白でガスに包まれていることがわかるが悪い感じじゃない。



やがて針葉樹と林床に笹という組み合わせになり景色が変わる。
木々の上の方から小鳥が囀る声が降ってきてなんだかいい感じだ。 



概ね緩やかな道のりだが前鉢伏山手前はなかなかの急斜面だ。
ここがこのコースの核心部だろう。



特に上部は笹が登山道上に覆いかぶさってきている。
この日は朝露か前日の雨なのかわからないが、じっとりと濡れていて雨も降っていないのに下半身がずぶ濡れになった。 



この笹原の急登を登り切ると前鉢伏山だ。
いきなり周囲の景色が開けて明るくなった。



前方には鉢伏山本峰。
ガスが割れて青空も覗いている。
いいねいいね。 



登山道は途中から林道?と合流。 



さらに鉢伏山荘から来る道とも合流し山頂を目指す。
このあたりはガッチリ整備されて遊歩道の体。
山荘まで車で上ることもできるからお気軽ハイキングをすることもできる。 



鉢を伏せたような山だから鉢伏山なんだろうけど、ここまで来ると鉢というより皿とか盆を伏せたように平べったい。 



山頂周辺にはなにやら趣のある建物がある。
絵になるが近づいてみたら廃屋のようだった。 



ノビタキが目の前で囀っている。
我々のことは眼中に無いみたい。



お、ホオアカだ!
初めて見た。 



次々に現れる野鳥たちに気を取られて山頂をスルーするところだった。
平坦な草原の真ん中にポツンと山頂標が立てられている。
ただの道標かと思ったよ。



山頂は踏んだものの、少し奥に展望台があるようだ。
せっかくなので行ってみる。



ところが展望台は立入禁止になっていた。
残念ながらこれは展望台周辺から見た景色。
どのみちガスに遮られて遠望は望めない。 



展望台の近くには鉢伏神社がある。
鉢伏大神が祀ってあるようだ。
鉢伏山そのものが御神体っていうやつかな。 



コーヒーを啜って一息ついた。
さて下山するか。
なんだかまた夕立が降りそうな気配がする。
いや、夕立どころか昼くらいから降るからなぁ、最近は。 



前鉢伏山方面に戻る時はここの分岐を見逃さないように注意が必要だ。
林道は同じような方向へ向かっているようで実はぜんぜん違う方向へ進んでいく。 



前鉢伏山に戻ってきた。
予想通り下からガンガン雲が湧いてきてあたりは真っ白になってしまった。 



前鉢伏山からは急な下り坂。
スリップしないように注意しながら進む。
ところで登山道に溝のようなものが走っているのが分かるだろうか。 



最初は昨日の夕立で水が流れたのかと思っていたのだが、どうやらオフロードバイクで登山道を走った痕のようだ。
気をつけて見てみると登山口から前鉢伏山のすぐ手前まで続いていた。 


本日見た花。
 

 

ホタルブクロ。 



マツムシソウ。 



ナデシコ。 



イブキトラノオ。 



チシマフウロ。

  
初めての鉢伏山宮入コースだったが樹林帯歩きがコース占める。
樹林帯とは言うものの明るい林相なので歩いていて気持ちがよい道だった。
午前中はそこらじゅうから野鳥の鳴き声が響き、さながら森のコンサートを聞きながら歩いているかのようだった。

400mの高度差を制し前鉢伏山に出ると丘が無数に連なる高原の中の道となる。
湧き上がる雲に邪魔されて遠望こそ得られなかったものの花と草原の緑は十分に我々の目を楽しませてくれた。

登山道上に刻まれたオフロードバイクの轍については、とりあえずバイクで入山することについての是非はここでは言及するつもりはない。
ただ、これだけは言いたい。
登山道をほじくり返すな。
歩きにくいではないか…と。

おしまい