栗駒山は盛岡からだと半端に遠く、紅葉の季節は大混雑で登りにくい山という印象だったのでしばらく足が遠のいていた。
しかし花の季節ならどうなのよと思い直し、まだ未踏の宮城側から登ってみることにした。

当日は少々体調が悪く出だしが遅くなってしまったため、登山口についたのがすでにお昼近く。
東栗駒山コースと中央コースとをつないだショートコースを歩くのがやっとという時間だがガソリン代をかけてきたので、急いで登ってみる。



広い駐車場を備えるいわかがみ平を出発。
まずは東栗駒山を目指す。
一組のパーティが看板の前に立っているが、あそこが東栗駒山コースの入口だ。 



駐車場があまりに立派なのでガチガチに整備されたコースなのかと思ったら…そうでもなかった。
ヌタヌタドロドロの道床は滑って歩きにくい。 



道はやがて新湯沢に行き当たる。 



すぐに渡渉とはならず、流れに沿ってしばらく上流方向へ進む。 



最後に向こう岸へ渡って登山道に復帰する。
オンシーズンの今は沢の上流下流どちらにもロープなどの目印があるので一般ハイカーでも安全に通行が可能だ。 



渡渉を終えるとハイマツ帯の中の岩ガラ道に変わる。
視界が悪い時は道がわかりにくいのかもしれない。
鐘が設置してある。 



谷を挟んで栗駒山本峰が見えてきた。
ちょっと時間が遅くなってしまったので、すでに雲が上がってきている。 



前方の丘の上になにやらケルンのようなものが見えてきた。
東栗駒山だろうか。
似たような丘状の起伏が続くため、目視だとどこがどこだか分かりづらい。 



遠方からも見えていたソレは、確かに東栗駒山の山頂を示すケルンだった。
それほど大きな物ではないが、有ると無いとでは視認性がだいぶ違うもんなんだな。 



さて、次はいよいよ栗駒本峰を目指すことになる。
谷を迂回して尾根上を進んでいくので見かけよりは遠い道のりとなるはずだ。 



登路のカーブの頂点あたりに東栗駒山分岐がある。
ここは裏掛道との分岐点だ。
表掛道、裏掛道は昔からある信仰の登拝路とのこと。
興味はあるが健脚向けらしい。 



ここまで来れば本峰もだいぶ近くなる。
もうお昼を回ってしまっているので先を急ごう。 



一旦涸れ沢に下りた後、急な階段で山頂を目指す。
ジリジリと照りつける午後の日差しが厳しい。
さっきまで曇ってたのに…。 



中央コースと合流すれば山頂はもうすぐだ。 



山頂に到着。
急ぎ足で登ってきた気になっていたが途中から花に足を止めまくっていたので結構時間がかかった。
もう2時じゃんよ。 



急がなきゃ…というところだが、今日も山ご飯を用意してきたので停滞だ。
今日のランチはロコモコ丼。
目玉焼きは現地で焼いたものだ。
生卵を山行に持ってきたのは初めてだが割れなくてよかった。 



一昨日の早池峰山の残り物のラーメンも一緒にどうぞ。
ロコモコ丼&ラーメンセットなんて、なんだか怪しげな食堂のメニューのようだ(笑

 

最後はドリップコーヒーで〆。
豆は盛岡のいなだ珈琲舎のKブレンド。
今朝家で挽いてきたばかりの粉なのでよく香る。
手間はかかるが安いドリップ珈琲とは雲泥の差だなぁ。 



岩手県側の景色を見ながらのランチタイムでした。
幸せな時間だった…。 



もともと遅い時間なのにノンビリしすぎた。
ガスがどんどん上がってきて薄暗くなってきてしまった。
神様に挨拶して急いで下山の途につく。 



下山は中央コースを使う。
こちらは予想通りガチガチに整備されていて歩きやすい。
登山道というより遊歩道だ。 



気温が下がってきた気がする。
遠雷も聞こえてきたような…。
急ごう! 



中央コースは最後には石畳風の舗装路となる。
結構な急勾配だが躊躇なく一直線に下っていく。
正直、歩きにくいぞ。 



最後はビジターセンターの前に出て終りとなる。
「登山の準備は万全ですか」の問いかけが胸に痛い。
なぜなら、二人ともカメラを忘れて来たからだ。
よりによって二人とも…である。
なので今日の写真はスマホのカメラで撮ったものだ。
格安スマホなので画像が不鮮明だなぁ。



来た時は半ば埋まっていた駐車場もガラガラになっていた。
そういう意味では午後登山も悪くない気もするが、やはりこの時期は雷が怖い。
無事に下山できてよかった。 

最後に、本日見たお花たち。
 

 

これはイワイチョウ。 





キンコウカ

 



ゴゼンタチバナ。
まだ花が付いてるのに早くも紅葉の気配? 



コバイケイソウ。 



コメツツジ。 



ハクサンシャクナゲ。 



タテヤマリンドウ。 

 

 

イワテトウキ。




シラタマノキ。 

 

 

オノエラン。



シロバナニガナ。 

 

 

タカネアオヤギソウ。



ナンブアザミ? 



ハクサンチドリ。 



ヒナザクラ。
花の百名山で栗駒山で見た花として紹介されている。 



マイヅルソウ。 



トキソウ。
トキソウはめちゃくちゃたくさん咲いていた。
ツートンはこれが見たかったと小躍りしていた。


栗駒山の未踏のコースを辿った今回の山行。
最初こそ、泥の登山道で印象は良くなかったのだが、途中から様々な花が咲き乱れる雲上の楽園となった。
さすが花の百名山、素晴らしい。
時間がないので急いで登るつもりだったのだが、次々と現れる花に足を止めすぎて結局いつもより遅いペースになってしまった(笑

ただ時間が遅くなったことが幸いし、駐車場の混雑の割に登山道に人影は少なく快適な登山を楽しめたのは僥倖だった。
花を見るのも景色を楽しむのも、混み合った中だと気を使ってしまうからねぇ。
今回の登山で栗駒山に対する印象が良くなったので、今度は表掛コースなどクラシックコースにもチャレンジしてみたいと思う。

おしまい