天気予報が悪かった地元を離れて、山形まで遠征してきました。
初日、まずは天童市の郊外にある水晶山に登ります。
この山は、みちのく120山や、やまがた百名山に選定されています。
さて、どんな山行になるでしょうか。
里道から舗装された林道に入り5分くらいで登山口駐車場に着きます。
ここにはトイレなどはありませんが、林道の入り口に登山者用のトイレと駐車場があり麓から遊歩道をたどって登ってくるコースも有るようでした。
信仰の山ということで地元自治会の手が入り、全体的にキレイに整備されているように思います。
愛されている山ですね。
登山道には真新しい砂利が敷かれていて、つい最近整備が入った様子。
これまた良く整備された杉木立の間を抜けて登っていきます。
なんとなく厳かな気持ちになりますね。
登山道の傍らに水が湧いています。
嗽清水…だそうな。
これより神域、身を清めて登ってきなさい…ということでしょうか。
嗽清水で砂利敷は終わり、登山道らしい土道になりました。
さっそく「七曲り」という急坂が始まります。
しかし…今年は紅葉が微妙な感じですねぇ。
もう秋も深まってきていますが、すっかり葉が落ちた木と緑が残った木が混在しているような状態です。
それにどちらも色が悪い。
初夏の長雨と、その後の高温ですっかり蒸れてしまったんでしょうか。
七曲りの最後のカーブに「標高668m」と書かれた標識がありました。
え、もう668mまで登ってきたの?と一瞬驚きましたが、山頂まであと668m…という意味でした。
なーんだ。
この668mというのは、水晶山の標高と同じなんだそうな。
それでこの表記なのね。
七曲りを登りきると登山道脇に広場がありベンチが設置されていました。
急坂で疲れた足を休めることにしましょう。
この広場からは、木の梢越しではあるけれど若干の展望も得られます。
眼下に見えるのは天童の町並み。
そしてその向こうに見えるのは月山かな?
南方向に見えているのは面白山…でしょうか?
明日はあちら方面の山にも登るつもりでいます。
登山道のど真ん中の落ち葉の下に平たい岩が顔を出していました。
その名も「滑石」。
恐る恐る乗ってみましたが、いきなり滑るということはありません。
でも、濡れた時なんかに不用意に踏んだら本当に滑るかもしれないですね。
下山の時は気をつけようっと。
滑石を過ぎると勾配もゆるくなり穏やかな散策路になります。
終わりかけの紅葉を愛でながら進んでいきます。
「おつかれさまでした」の看板が出迎えてくれました。
なにやら奥の方には、お社が見えてきましたね。
このお社は水晶山神社というようです。
702年の開山で871年には大和朝廷から位を授かったのだという。
なかなか由緒ある神社でした。
お社の裏手が山頂になっていて、ぐるっとひと回りできるようです。
行ってみましょう。
社殿の裏手には「御室」という岩穴があります。
昔は修験者がこの穴に泊まり込んで修行したのだとか。
けっこう深い穴ですね。
落ちたりしたら嫌なので遠巻きに眺めるだけにしておきます。
御室の裏手にある一段高くなった場所が山頂となります。
三角点があります。
山頂にある岩が御神体ということになるようです。
この岩を陽神、さっき見た御室の穴を陰神として対になっているのだとか。
陽神とか陰神とか、厨二心をくすぐりますねぇ(笑
低山ながら山頂からの眺めはなかなか良い感じ。
ちょっと雲が多いのが残念ではありますが。
うーん、晴れ予報だったんですがねぇ…
雲に纏わり付かれると、ただでさえ土地勘が乏しいので山座同定は厳しいです。
山頂の大岩と社殿の間には石室造りの奥の院が鎮座しています。
こちらもなかなか立派なものです。
下山は同じ道を戻りました。
駐車場まで戻ると意外と賑やかなことになってます。
今日は貸し切りかと思ったんですが、我々の出発が早すぎただけのようです。
さて、初めて登った水晶山ですが、標高や山行時間の割に山頂からの眺望が良い山でした。
もし地元に有ったらしばしば通う山になったことでしょう。
危険箇所もなく、ファミリー層からシニアまで楽しめる癒やしの山です。
昔は水晶を拾うこともできたらしいですが、簡単に拾えるようなものはもはや有りませんでした。
採り尽くされたということですかね。残念。
おしまい