山形プチ遠征、一日目の二山目として雨呼山に登りました。
雨呼山、なかなか詩的な名前ですね。
山中に龍神池と呼ばれる場所もあるようですし、雨にまつわる伝説なんかがありそうです。
さっそく登っていきましょう!



雨呼山の登山口は「ジャガラモガラ」と呼ばれる天然記念物の近くにあります。
そのため、このジャガラモガラの案内板に従って車を進めて行けば登山口に導かれることになります。
舗装路が唐突に終わる場所に駐車スペースがあり、ここに10台くらい停められる感じ。
さらに奥に未舗装の林道が続いていますが「工事中」と看板が出ていたのでここまでにしておきましょう。

 

未舗装の林道を歩いていきます。
未舗装とはいえキレイに均されていますな。
工事車両の轍だけがくっきり残っていて、なんだか足跡を着けるのが悪いみたいです。

 

道の傍らには重機がぽつねんと停まっていました。
今日は工事は休みだったみたい。
これなら車で入ってきても良かったか。

 

林道の終点に数台の駐車スペースがあります。
ちょっと泥濘んでますが、車を停める分には問題無さそう。
この奥から徒歩道となります。

 

登山道に入ってすぐに「村雲の池」という標識があるのですが…池?
湿っぽいだけで水たまりすら無いように見えるんですけど…。
これを池というのはさすがに無理があるような(笑

 

登山道に突入して、すぐに分岐が現れました。
地獄コースなどと怖い名前が着いていますが、これは別の登山口から登ってきた道でしょう。
我々は山頂を目指して左手へ進みます。 



分岐を過ぎると道はいきなり急な登りとなりました。
階段が整備されてはいますが、なかなか足に堪える道です。
段差は大きいし、段の幅は狭いし…。
ここはゆっくりじっくり登っていくことにしましょう。

 

急勾配にあえいでいると、突然前方を大型の野生動物が横切りました。
たぶん鹿だとは思うのですが、いきなりガサガサやられるのは心臓に悪いなぁ。
つい先日、熊と出会ったばかりなので神経が過敏になっているのです。

 

標高800mを越えた頃、尾根筋に出ます。
急登は鳴りを潜め、穏やかな林間の道になりました。

 

朝に登った水晶山が見えています。
結論から先にいうと、このあたりが一番眺望が良いのではないでしょうか。
このあとは樹林に阻まれて展望は望めません。

  

登山道脇に半ば枯れ葉に埋もれかけた祠がありました。
ここが龍神池…かぁ。
昔の人はここに竜神がいたと考えていたみたいです。
水、枯れてるんですけどね。



雲が晴れて天気が良くなってきました。
終わりかけの紅葉でも晴れるとキレイに見えるものですね。
枯葉色の木漏れ日が存外美しく感じられます。

 

山頂手前に、やや急な上り坂があります。
50mほどの高低差ですが、ここは足場が良いのでそれほどきつく感じませんでした。
最後のひとかんばりといったところでしょうか。

 

山頂は木立の中の小さな空間にあります。
落葉期だからこの明るさですが、盛夏には鬱蒼としていることでしょう。
三角点と石造りの標識があるのは隣の水晶山と似たような感じ。

  

ガイドブックによると、山頂は樹木が伐採されて眺望がある…というような感じで書かれていたのですが…。
木がすっかり育ってしまったらしく、ご覧の通り何にも見えませんでした。
長居するような感じでもありませんね。
下山しましょう。

 

同じ道を戻りますが、登ってくる時は気が付きにくい分岐点が何か所かあります。
ほとんど道標などは無いので、うっかりすると別な方向へ下ってしまいかねません。 
要注意です。

 

登りの時に目にした「地獄コース」への分岐点まで戻ってきました。
全て同じ道を帰っても面白くないので地獄コースへ行ってみることにします。

 

おどろおどろしいネーミングなので警戒しながら歩いていきます。
しかし、特に難所というわけでもないですね、地獄コース。
なんでこんな物騒な名前になったんだろ? 



やがて樹木が途切れ、視界が広がりました。
登山道脇のちょっとした丘には東屋が設置されています。
ちょっと休憩して行きましょう。

 

この東屋からは天童の市街地が一望できます。
今日歩いた中で一番の景色ですな(笑

 

東屋からは五分とかからず舗装路に出ることができます。
市街地の眺望だけなら、わざわざ山頂まで行くことないですねぇ。

 

15分ほど車道を歩き、車を停めた場所まで戻ってきました。
おつかれさまでした!…と言いたいところですが、せっかくなのでジャガラモガラという謎の天然記念物を見にいくことにします。

 

再び山道に突入。
ここの道は一般の観光客向けに案内を出しているだけあって整備状態がいいですね。
道幅も広いですし、第一よく踏み固められていて不安がありません。

 

木々の間から、さっき登った雨呼山が見えていました。
…いや、見えているのはその前衛かな?

 

しばらく水平移動した道は、階段を下って木道に続いています。
この下り坂で思わぬハプニングが発生しました。
遊歩道的に整備されている道なんだなと油断したのがいけなかった。 



バキ!っという大きな音とともに思いっきり尻もちを着きました。
突然のことで何が起きたのか一瞬理解できなかったが、足元を見ると木の階段が腐って折れています。
どうやら無防備にこの木段を踏み抜いて転倒してしまったようです。
いやぁ、久々に本気尻もち着いちまったぜぇ…。
危なく遊歩道で怪我をするところでした。

 

木道も新しそうに見えて、表面に苔が付着して滑るので要注意です。
遊歩道、意外と危険だったぁ!

 

何気ない窪地を前にして木道が尽きました。
ここがジャガラモガラ…なんでしょうか?

 

説明板が無いとさっぱり分かりませんが、この窪地が「ジャガラモガラ」なんだそうです。
石の間に空間があり残雪を溜め込むことで天然の冷蔵庫になるということなんだとか。

 

周囲の気温とジャガラモガラから吹き出す冷気の温度を表示する機械が据え付けられていました。
これで周囲とジャガラモガラの気温の差を体感してもらおうということですね。
ところが晩秋の今は、むしろジャガラモガラの中のほうが温かいようでした(笑

 

この穴が冷気の吹出口でしょうか。
冷気は下に貯まるため、この窪地では植物の垂直分布が逆転するんだそうです。
つまり窪地の下の方にいくほど、高山の植物が生育するということになります。
面白いですね。
ただまぁ、今の季節ではそれを実感できるものは何一つ無いんですけどね(笑

 

この花も狂い咲きなのかな?
冷気の吹出口近くだけに数輪の花が咲いていました。


さて、初めて登った雨呼山ですが、ここも里山らしく急登で一気に高度を稼いでいくタイプの山でした。
岩場や崖などはないですが、全体的にスリップ注意な感じ。
標高は900mを越える山ですが、眺望はあまり良くなく、そういう意味ではあまり楽しめる山ではないです。
春の新緑や秋の紅葉を楽しみながら散策するのが良いかと思います。

この山の一番の特徴は、山中にある「ジャガラモガラ」です。
一見するとなんてことはない窪地なんですが、地質上の特性から天然の氷室を形成していて盛夏でも冷気を吐き出しているという特異な場所なんだそうで。
さすがに晩秋では冷気は失われていて体感することはできませんでした。

麓は「ジャガラモガラの里」というブランド?で地域の特色を出そうとしているようです。
ジャガラモガラの名前を冠した蕎麦やこんにゃくなどを食することができますので、帰りに立ち寄るのもいいかもしれません。

おしまい