1月最後の日曜日、この日はよく晴れそうだったので網張から三ッ石をピストンしてきました。
今回はスノーシューなのでリフトは使えないため下からの登りです。
まぁ、リフトの時間に左右されないのでそれもまた良し。
日の出とともに麓を出発して一日遊んできました。
日の出とともに網張スキー場を出発!
オープン前のゲレンデには人影なし
ゲレンデの隅っこをお借りしてハイクアップ
網張スキー場の最大勾配区間は登るのに一苦労
兎平まで上がってきた
この季節、網張からの正規の登山道は雪の下、それも網張スキー場のゲレンデの下に埋もれています。
そこで途中まではスキー場のゲレンデを使わせてもらいハイクアップしていきます。
スキー場は営業時間前なので人っ子一人居ませんが、マナーとしてゲレンデの端を歩くようにしました。
せっかく整備したところに穴を開けては申し訳ないのでねぇ。
幸いなことに朝方の冷えこみでガチガチのバーンになっていてほとんど沈み込みがなかったので歩きやすかったですし、無用の足跡をゲレンデに残すこともありませんでした。
とはいえ網張スキー場の最大勾配区間は、登るのに一苦労でした。
林間コースを遡り…
通称「10番」に到着
兎平から林間コースをたどり、通称「10番」のポイントに到着。
ここまで下から1時間15分かかりました。
かなり良いペースで登ってくることができたのではないでしょうか。
これは雪の状態によるところが大きいですね。
新雪だったり緩んでいたりしたらこうは行かなかったことでしょう。
スキー場の営業が始まる前にゲレンデから脱することができてホッとしました。
「10番」から先はいよいよバックカントリー
うわ! なんか居た!
…せんとくん?
ペンギン…か、ニワトリ(笑
エネゴリくん?
ムンクさん? 他にカービーやふなっしー説あり(笑
「10番」からゲレンデを外れて樹林帯の中へ。
前日に着けられたトレースが残っていましたが、山の上では多少の降雪があったようで所々で切れていました。
事前情報によると昨日1組のパーティが小屋泊で入山しているようなのでその人達が着けたものでしょう。
消えかけたトレースを再度繋いでいきます。
一見同じような雪面に見えても、一度トレースが着けられた場所とそうでない場所はあきらかに沈み方が異なります。
体力温存のためにも先人の足跡を探り探り先へ進んでいきます。
先人が遺した物といえばトレースの他にもありました。
木々に着いた雪に描かれた顔、顔、顔。
こちらは降雪に負けずに一晩生き残り、我々を歓迎してくれました。
まだ着雪が完全ではなく、頭から枝先を生やしているのがまた愛嬌があります。
我々も後続の登山者に楽しんでもらうべく、何体か増やしておきました(笑
空が青い!
青空に屹立する岩手山
秋田駒ケ岳もバッチリ☆
大松倉山に登っていく
雪面は固く締り楽に歩ける
大松倉山頂付近の雪庇はほとんど発達していない
道標が頭を出していた
三ッ石山と小屋が見えてきた
やがて樹林帯が途切れると大松倉山への登りとなります。
ここはいつも風が強く遮るものがないので厳しい条件になることが多いのですが今日は穏やかなもの。
多少風が冷たくなったような気もしますが、それでもいつもに比べればそよ風みたいなものでしょう。
気持ちの良い青空の下、景色を楽しみながら歩いていきます。
今年は記録的な少雪ですが、ここら一帯も例外でなく雪が少ないようです。
おかげで…と言ってしまっていいものか…どこを歩いても踏み抜いたり沈んだりすることなく楽に歩けます。
山頂付近の道標も頭を出していましたし、雪庇もほとんど発達していませんでした。
なにかいつもより尾根が狭く感じるくらいです。
そういう状態ですから好きな場所を歩いていけばいいのですが、足跡がついているとついついそれを追ってしまうのが人の性。
ここまで付かず離れずで共に進んできたスキーの跡に知らずしらずのうちに誘導されていきます。
しかしやはりスキーとスノーシューでは歩きやすい場所が違うんですよね。
途中から独自のルートに切り替えました。
漫然と歩いていては駄目ですね。
大松倉山を超えると三ッ石山が見えてきました。
三ッ石山の真っ白い斜面ではスキーヤーが戯れているのが見えます。
前日、小屋泊で入山したという人たちでしょうか。
無垢の斜面に次々とシュプールが刻まれていくのがここからでもはっきりと分かります。
滑ってる人たちは気持ちいいでしょうなぁ。
ここから小屋に向かって一旦下っていきます。
視界が無い時は降りる方向を間違いやすい場所ですが、今日はなんの問題もありません。
ただ樹林帯の中でまたしてもスキーのシュプールに惑わされ進路がブレブレに…。
つい人が着けた跡を追ってしまいますが、もう少し自分の感覚を信じても良いようです。
小屋に到着
小屋の脇を抜け先へ進む
小屋西側の尾根に取り付こうと森の中をラッセルラッセル!
くるぶしくらい、時折膝下のラッセル
尾根が見えてきた
雪庇を避けつつ尾根に取り付く
方角を違えることなく無事に避難小屋の前にでることができました。
ホッとする瞬間です。
ただ休憩するのは後にしてこのまま三ッ石の山頂を目指すことにしました。
いつ天気が変わるかわからないですからね。
早め早めに動くに越したことはないでしょう。
山頂へ行くには夏道なら小屋から北上して三ッ石の南東斜面を登ることになります。
しかし今日はその斜面にはスキーヤーが大勢いるようですので邪魔をしないように一旦西側に抜けて尾根沿いに登ります。
夏には歩くことのできない小屋の前の湿原を横切り再び樹林帯へ突入。
今日一番の深雪ラッセルをして道を着けていきます。
やや気温が上がってきて重雪になりつつあり、最大で膝上くらいのラッセルではありますがなかなか重労働です。
このあたりが「楽しい」と思える限界なような気がします。
これ以上雪が深かったり重かったりしたら、それはもう苦行の領域(笑
モンスター…というにはちょっと痩せすぎでしょうか?
岩手山と樹氷未満の木々
尾根上はクラストしていて歩きやすい♪
「なんか食べ物くれぇ…」
山頂直下はハイマツの踏み抜きトラップがある
三ッ石の山頂が見えてきた
登頂! お疲れ様!
尾根上に上がると雪はクラストしていて歩きやすくなりました。
夏道が無い場所なので初めて来たのですが、尾根と言ってもなだらかな地形で安全そうです。
よかった、こっち来て。
あたりにはスノーモンスター…というには痩せすぎ?…が立ち上がり、独特の景観を作り出しています。
ツートンと二人、あれは鶴に見える、いいや白鳥じゃないか?などと言いながら樹氷の景色を楽しみました。
歩きやすく危険の少ない斜面なのでツートンがぐんぐん先行していきます。
とにかくこういう傾斜が続く場所では私はツートンに敵いません。
ところが珍しいことに途中からツートンがスローダウン。
もしかして靴ずれでもできたかと心配して声をかけると
「ハラへったぁ、何かくれぇ…」
とのこと(笑
ガス欠でした。
なんてわかりやすい(笑
そんなわけで山頂を目の前にしながら一旦休憩、もぐもぐタイムします。
山頂直下にはハイマツの踏み抜き地帯があるので、ここで休憩しておくのも悪くない話でしょう。
まぁ、結果としては今回は状態が良くてほとんど踏み抜きもなくあっさりと登頂できたんですけどね。
もぐもぐタイムから5分後、三ッ石山頂に到着しました。
裏岩手縦走路と源太ヶ岳
こっちのモンスターたちは幾分成長しているかな?
もちろん岩手山も堂々たるお姿
下界は雪が少なく黒っぽい印象
烏帽子岳方面には雲がかかってきた
山頂からは遥かに八幡平まで続く裏岩手縦走路が一望できました。
ここまであまり苦労せず登ってこれたので、これなら冬季縦走もできるんじゃない?と思いかけましたが、実際はそう簡単なわけはありません。
今日、わりとイージーモードだったので自分たちが強くなったなどと勘違いしないようにしなくては!
しばらく景色に見惚れていましたが、さすがに山頂は冷たい風が吹いておりあっという間に体が冷えていきます。
名残惜しいですが下山しましょう。
小屋では温かい食べ物が、下山したら美味しいビールが待っていますよ♪
寒くなってきたので下山開始
三ッ石山の標柱もほとんど埋まっていない
ガリガリボコボコの斜面はスキーするには不向き
ふわふわパウダー遊びも尾根から降りる部分だけ
小屋に帰ってきました
小屋からは一旦登り返さなければならない
立ち去り難いですなぁ…
うわ! またなんか居た!(笑
かわいいスノーモンスターがお見送りしてくれました
トレースが鮮明になっていた
灌木帯を抜けるとまもなく大松倉山。
到着!
これで今日の登りは終了~
ここの下りも視界良好のため難なくクリア
無事に「10番」まで戻ってきた
ゲレンデを避け樹林帯を下る
ゲレンデ最下部、奥産道との合流点
お疲れさまでしたー
今回の三ッ石山は全体を通して積雪は例年に比べ少なめでした。
ブッシュが出ている場所もありましたが歩行には支障ありません。
なんだか残雪期みたいなコンディションでしたね。
天気はこの季節にはめずらしく終日晴れ。
風もほとんどなく奇跡の晴天でした。
いつもこんなイージーな感じだと勘違いしないようにしなくては…。
厳冬期というには色々と勝手が違う三ッ石山でした。
おしまい