野辺地にある烏帽子岳という里山に登ってきました。
本当は新郷村の戸来岳に登る予定だったんですが登山道へ続く林道への入り口の100m手前で国道が冬季通行止めになっていてあえなく敗退…。
どこか登れる山は無いかとウロウロしながら北上して、この山に落ち着いたという次第。
調べなかったのが悪いのですが、道路の冬季通行止めは頭になかったなぁ~。失敗失敗。
烏帽子岳に通じる林道も12月1日から冬季通行止めの予定だったので一日違っていたらここにも登れなかったという…。
なんとか間に合ってよかった。

登山口へのアクセスですが、まずは国道4号線から運動公園を目指し、そのまま道なりに林道へと進みます。
他に入山者はいないようで、轍が一切ない林道を奥へ奥へと進んでいきますが地面がどうなってるかわからないのって不安なものですな。
未舗装(簡易舗装?)の林道を2kmほど進むと「父恋し夜泣き岩」という岩があり、その前が駐車場となります。
ちなみにこの「父恋し夜泣き岩」の由来ですが…わりと救いようのない悲しい話で登山前から暗い気持ちになってしまいました(^^;

そんなわけで、トイレらしき古びたコンクリート製の建物がある…けど、怖くて確認せず(笑
よく心霊スポットとかにならないな、ここ。
駐車場から少し進んだ林道と登山道との分岐点に登山届ボックスがあります。




轍が一切ない林道を進む

  


夜泣き岩の前が駐車場


  

登山道と林道の分岐点に登山届ボックス

  


登山道に入りしばらく進むと「駐車場」という標柱が立っています。
しかし整備されている様子がないので手前に駐車するのが無難かな。
足に伝わってくる感触は凹凸が多いので、雪の下の地面はボコボコかもしれません。

山麓の積雪は足首くらいまで。
昨日今日降ったような柔らかい雪です。
ほとんど抵抗がないのでラッセルという感じではありません。




駐車場?


 

もふもふ

  

小川を越えて森の奥へ




入山してすぐに烏帽子岳野営場に到着となります。
10年以上前に買ったガイドブックには「夏には賑わう」と書かれている野営場ですが、なにやら廃墟っぽい雰囲気が…。
東屋は修理されているのですが、炊事場などは傾いたまま放棄されていて野営場としてはもう使われていないっぽいです。
  
その代わりと言ってはアレですが登山道の整備は行われているようで、新しい道標が建てられていたりします。
同じガイドブックに「朽ちかけて歩きにくい」とされていた木道も新しくなったみたい。
登山ブーム到来後、各地で里山登山道の再整備が行われて嬉しい限りです。




放棄された?烏帽子岳野営場

  

野営場跡を突っ切り登山道へ

  

小川を渡渉する
滑って足を突っ込んだらやだな…



野営場を抜け小川を渡渉すると急な登りになります。
あたりの森はヒバの原生林だそうな。
こんなに里に近いのに原生林が残っているのはすごいですね。
青森ヒバなんて良材として真っ先に切られそうなものですが。
不抜の森として地域住民が残したのでしょうか?
なにか物語がありそうです。


  

ヒバの原生林の中を登る


  

中腹でわずかにヒバとブナの混成林となり…


  

上部はブナ林となる




ブナ林に入ると登山道の傾斜はさらに増しジグザグに登っていくようになります。
標高もぐんぐんあがり、次第に景色が開けて周囲が明るくなってきました。
すっかり葉を落とした木々の間からは山頂のシルエットも望めるようになってきますし、視線を転じれば鈍色に光る海もチラホラ。
木々の隙間から覗く感じなので眺望というほどのものではないですが頑張って登ってきた感じが実感として感じられ嬉しくなってきます。


  

ブナ林の中をジグザグに登っていく


  

次第に周囲が明るくなってきた

  



木々の隙間から山頂も見えてきた

 

海も見えてきた
  



標識が出てきて山頂まで残り1kmを切ったことが判明しましたが、さっぱり山頂が近づいたように見えません。
これは山頂東側の急な斜面…というより崖を避けて大きく回り込むためのようです。
東側から登ってきた登山道は、最終的には西側から山頂にアタックします。

東北町に続く道と分岐し西方向へ続く尾根に乗り上げると山頂はもうすぐ。
西方向へ続く尾根に乗り上げると山頂に立つ鉄塔が間近に見えてきます。
このあたりだけ樹木が貧弱なのは鉄塔工事で一度伐採されたからでしょうか。




山頂が近づいてこないなぁ…

  

東北町に続く道と分岐

  

西方向へ続く尾根に乗り上げると山頂は近い

  


山頂直下には小さなお社がひっそりと佇んでいますが、これは神社の跡とのこと。
神様は山頂に鉄塔が建設された際にコンクリート造りの新しいお社に御遷座されたようです。
もと居た場所が潰されたわけでもないのにお社を残して移動するのも珍しい話ではないでしょうか。
確かに、鉄塔に近いほうが車道も来ていることもありお参りする人にとっても便利ではありますが。

このお社から山頂の間が最後の砦です。
ここだけなぜか低木が密生していて突破するのに苦労しました。
足元はしっかり道になっているのですが、低木の枝が左右に張り出していて通せんぼ状態。
もみくちゃにされて雪まみれ…。
転んだわけでもないのに頭から粉雪をかぶる羽目になりました。




山頂直下に小さなお社

  

山頂手前の灌木帯が最後の砦

  

このようにもみくちゃにされます





山頂に到着しました。
気づけばコースタイムより大幅に時間がかかってしまいましたが、降ったばかりの雪道という悪条件の下ではよくがんばったのではないかと…
それにしても5割増しとは少々驚きましたが…。

とりあえず登頂記念の写真を撮りましたが、無風で穏やかだった林間とは打って変わって山頂一体には暴風が吹き荒れています。
じっとしているとみるみるうちに体温が奪われてしまいます。
せっかく山頂に来たのでゆっくりしたいところですが、さくっと景色を確認して下山することにしました。
  



山頂に到着

  

記念写真~♪

  

北は野辺地の街と野辺地湾が見える

  

東には湖沼が点在しているのが見える
小川原湖…かな?

  

北には八甲田の外縁の山が見えるはずだが雲に隠れて判然としない

  

西側には夏泊半島を挟んで青森湾
浅虫や青森市もこの方角だが見えない


  
下山は登りと同じ道を戻ります。
同じ道なので安全♪…のはずだったのですが、登りの時には感じなかった危険がいっぱいありました。
雪の下の落ち葉が曲者で、なんでもないところでスリップを誘発してくるのです。
このトラップに引っかかって面白いくらい転ぶ転ぶ!
まぁ、笑っていられるくらいのトラップでしたが、半年分くらい転んだ気がします。




本日5度目の尻もちをついた人

  

それでも怪我もなく下山してきました






予定変更の挙げ句、苦肉の策として登った烏帽子岳ではありますが、今季初の雪山ハイクを楽しむことができてなかなか楽しかったです。
もう少し晴れていれば山頂からの景色も良さそうですし、コースもよく整備されていてファミリーハイクに良いんじゃないでしょうか。
初冬期の里山散策は楽しいですね♪

おしまい