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日本二百名山・東北百名山の一座である神室山に行ってきました。
1500m以下の標高でありながら、長大な尾根と雄大な展望を有する魅力的な山である…という話は聞いていたのですが、盛岡から中途半端に遠い位置にあるため登る機会を逸していた山です。
アクセスの悪さ、ハードな登山道で難易度が高めの山らしいので、ヘロヘロ隊としては緊張せざるを得ません。楽しみ半分、不安半分でこの山に挑んできました。


本日の行程は長いので早出必須。
宿泊場所である道の駅おがちを出発したのが午前5時でした。
この季節、明るくなるのが遅くなっているので早出といっても限度があるのが困りもの。とくにアプローチに林道走行がある場合、あまり暗い時間帯には走りたくないですからね。


秋の宮の集落、その奥にある最終民家付近から道路は未舗装になります。
それでも最初は田んぼの真ん中の農道といった感じで、普通車でも余裕で走れますが、鳥居がある交差点を右折したあと、次第に荒れていきます。
ネット上には「車の底を打った」「運転するのが怖い」という情報があったので身構えて行ったのですが…うーん、まぁ気を付けて運転すれば大丈夫じゃないかなー。
ただし、林道上を水が流れたような跡が複数個所で見られます。
大雨の後などは道が荒れるのかもしれませんのでご注意ください。





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林道を15分ほど走ると道案内の看板がある登山口に到着します。ここは下山に使うパノラマコースのゴール地点です。もう少し奥まで車を入れることはできますが、どうせ帰りはここに下りてくるので車を停めます。
駐車可能台数は…がんばって10台くらいでしょうか。


登山口を出発します。
我々の前に単独の男性が出発して行きましたが、他には人影はなし。
車がもう一台あったので、入山している人はいそうです。




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最初は針葉樹林帯のフラットな林道を進んでいきます。
このあたりは普通に車の走行が可能です。
先に出発した男性の気配はありません。どうやらパノラマコース側に向かったよう。





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ワリ沢出会い。林道を沢が横切っています。渡渉と言うか洗い越しですが、まだ車の走行は可能です。






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林道は沢の本流からは離れた場所にあるのですが、大雨のたびに水が出るようで次第に荒れていきます。ちょっと写真ではわかりづらいですが、かなりの凹凸ができています。
しかし、多少の底打ちを覚悟すれば、まだ普通車でも走行可能。





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西ノ又コース入口の標柱が現れました。
この付近に3~5台ほどの駐車スペースがあり、2台ほど車が停まっていました。
上記の通り、それなりに荒れた林道を通ってくるので西ノ又コースをピストンするのでなければ無理してここまで車を入れる必要はないかと思います。





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登山口の標柱から先も、しばらくはかろうじて車が進入できそうな道が続きますが、やがて路面はいたる所で洗掘に見舞われます。最後は山側の斜面が崩壊した場所で完全に轍が途絶えます。






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奥に砂防ダムがあるので、かつてはそのあたりまで自動車が入っていたようですが今はこの通り。道幅自体は車道の幅を有していますが、か細いシングルトラックが奥へと延びるばかりです。




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なかなか美しい渓相です。
もう少し紅葉が進んだら、もっと素晴らしい景色になりそう。





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しばらく進むと第一渡渉点に到着します。
ここには吊橋がかかっているのですが…なんか吊橋の主塔が歪んでませんか?
吊橋の構造上、ここが歪むのはやばい気がするのですが…。




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ゆっさゆっさ、けっこう揺れます。
川面までは結構な高さがあり、わりと怖いですよ?




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こーんな感じ。






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吊橋の上から見る景色は素晴らしい!
(でも足元がおぼつかなくて怖い)





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対岸に渡ると河川の屈曲部を高巻きしていきます。
川に向かってなで肩気味の登山道です。
おや、なんか昨日の高松岳を思い出しますな。




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なにやら年季の入った看板が設置されています。
「この先登山道が不明瞭なので左図により進んでください」
なるほど、わからん。
図が大雑把すぎ(笑




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不明瞭な登山道とはここのことだろうか?
確かに高巻いている踏み跡や川岸を行く踏み跡などが交錯しています。
なんとなくですが、残雪期や沢が増水した時など、その時に応じて歩く場所が違うので結果として踏み跡が別れてしまい不明瞭になっているんでしょうか。
とりあえず一番高い位置にある踏み跡をたどります。無難な気がするんで。





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無難かと思って進んだ高い位置にある踏み跡ですがアスレチックみたいな場所が出現。下にある川原の道は平たんな地面が見えています。平水のときは川岸を行ったほうが安全かもしれません。
こればっかりは読めないというか、行ってみないとわからないというか。





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この「不明瞭な登山道」を過ぎると第二渡渉点が見えてきます。
遠目に吊橋があるのがわかりますが、なんか違和感を覚えます。





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近づいてみて違和感の正体に気づきます。
この吊橋の主塔は完全にゆがんでますよね!?
本来テンションがかかってなければならないはずのアンカーケーブルがたわんでしまってるんですけど!
大丈夫か? 落ちないだろうな???





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そう簡単に落ちないだろうと思いつつも万が一を考えてしまい冷や冷やしながら吊橋を渡り終えました。
対岸に渡ると登山道は一気に高度を上げていきます。どうやら川と寄り添うのはやめた模様。とはいえ、道はこの先まだまだ沢沿いに続いていくのは確実なので一時の別れ。





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ある程度登ったら再び斜度は緩くなり、谷の奥へ奥へと水平移動していきます。
ザワザワとした瀬音も遠ざかり、静寂の森の中を歩いていきます。





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癒されるなぁ。






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しかし、しばらく進むと沢の方が高度を上げて近寄ってきました。
次第に谷側が切れ落ちた峻険な地形になっていきます。
ただし、未だに水音は遠く、川面とはかなりの隔たりがある事がわかります。
さっきは無かった「滑落」の危険と隣り合わせになりました。






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道の左右は次第に角度を増し、斜面というより「壁」となってきました。
その中にある一筋の平場を歩いていくわけですが、それだけならそんなに怖いことはありません。
怖いのは道が沢と交差している部分。





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西ノ又沢本流に注ぐ支流を何度も越えていかなければならないのですが、そういう場所はたいてい水流によって深く削られており悪場になっています。
平場に道を通せなかった場所は高巻きしなければなりませんし…。






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ここなんかは一瞬行き止まりかと思ったくらい。
沢を渡った先は、どこを歩くというのか?





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ここ行くのか~。
写真だと伝わりにくいですが足場は靴の横幅分。おまけに濡れていて滑る。
で、万が一左に落ちたら数十メートルまっさかさま。緊張の一瞬でした。





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これはやまぶどうでしょうか?
食べてみればよかったかな。






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谷の中腹を経攣っていく緊張の場面が続きましたが、前方の景色が変わってきました。
水音が大きくなってきたなぁと思っていたら、なにやら滝のようなものが。
地図にある三十三尋の滝でしょうか?





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どうやらそのようです。
この滝が見えるあたりに「第三渡渉点」という小さな道標があります。
それにしても堂々たる滝ですね。もっと細い滝を想像していたのですが。





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で、第三渡渉点ですが、ここには今までのような橋はかかっていません。
文字通り渡渉が必要です。秋なのに意外と水量が多く渡るのに苦労しました。
我々はそのまま通過できる場所を探してウロウロする羽目になったのですが、大人しく靴を脱いで水の中を歩いたほうが安全かもしれません。
平水でこのレベルなのであれば、増水している時はかなり厳しい場所なのでは…。


つづく