東北百名山の一座として、また有名な泥湯温泉と川原毛地獄を起点として周回できるコースとして以前から注目していましが、今回ようやく歩く機会に恵まれました。
盛岡から中途半端に遠いので後回しになっていたのです。

午前4時に盛岡を出て、花巻あたりまでくると何と土砂降りになりました。えええ!? うそでしょ!?っていう感じですが、天気予報を信じて行くだけ行ってみることに。

祈りは通じたのか7時に登山口に着いた時には雨は止んでいて、時折雲間から日が射しこんでくるような感じになっていました。ただ、時折強風が吹き荒れ、周囲の木々が唸りを上げているのが気になりますがネ…。






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装備を整え、7時30分頃入山。
登山口は泥湯の共同駐車場から県道を川原毛側に少し歩いたところにあります。
「硫化水素噴出につき注意」「遭難多発」「安易な入山は控えよ」といくつもの注意看板が設置してあり、なんとも物々しい。
正直、(硫化水素の件はともかく)そこまで厳しい山だとは思っていなかったのですが、これが甘い考えであったことは後からたっぷり思い知ることになります。






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登山道は全体的に濡れていて、泥と岩が入り混じっていて非常にスリッピー。
いつもこうなのか、降雨後すぐだからなのかはわかりません。







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登山道は全体的に「なで肩」で、路面が谷川に傾斜しているところが多く、不安定な印象を受けます。
実際、あちこちで路肩が崩落しています。







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で、この崩落現場の下はこのように深い谷になっていて下には川が流れていたりします。草が生い茂っているので高度感はあまり感じませんが、間違って滑落したら谷底まで落ちてしまいそう。人間を止めてくれるだけの丈夫な木は生えていないような気がします。





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まれにフラットな穏やかな場面も出てきますが、こういう場所は少数派。
一息つける場所を見つけたら、仕切り直ししながら進むことをお勧めします。







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しばらく歩くと「新湯」に到着。沢の河原から温泉が湧いているようで、あたりはもうもうとした湯気に包まれています。
登山口からずっと続いていた導水管はここが始点のよう。
麓にお湯を引いているんでしょうか?





付近には強烈な硫黄臭が充満しています。
「おめ、コイたべ!」
「ハァ? こったらクセェのおめだべ!?」
などとお約束の罵り合いが始まります。

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ま、匂いだけなら平和なんですが実際はちょっと危険な場所。
写真だとわかりづらいですが地面から噴気があがっています。
周りの草が枯れているところを見ると有毒ガスの模様。
今日はある程度風があるので、それほど心配は要りませんが素早く通過するのが吉。







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どこまでいっても登山道のなで肩状態は続き、常に谷方向に向かって引っ張られるような感覚がつきまといます。これって結構疲れるもんですね。






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ようやく眺望が得られる高さまで登ってきましたが、ガスガス~。
ううむ、天気予報はそれなりにいい天気っぽかったんですが…。
回復を信じて歩き続けますが、今のところ気分はSageSage。








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地味な難所、草に覆われた岩場の通過。
何が怖いって滑るんですよ。
で、おそらく落ちたら生い茂る灌木を突き抜けて谷へ落ちるっていうね。
なんでおそらくっていう言い方するのかっていうと見えないんですよね。
ファイト一発ごっことかしてる場合じゃないです。







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先日の台風の影響でしょうか?
まだ倒れたばかりというような倒木が道をふさいでいました。
もともと歩ける余地の少ない場所なので、これは地味な難所です。







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出発からおよそ2時間。
ようやく小安岳分岐まで登ってきました。
なんだかものすごく長くかかったような気がします…。

小安岳へは、ここから往復20分。
どうせガスで何も見えないだろうし小安岳はパスしようかなぁと思ったのですが、二度と来ることはなさそうなので気を取り直して山頂を踏んでくることにしました。







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たぶん晴れていたら景色いいのかなぁというような尾根道。
ガスでまったく先が見えないので二度ほど偽ピーク騙されつつ進みます。








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気が付いたら山頂広場に着いてました。
とりあえず記念撮影をして山頂を踏んだ証を残します。
一区切りなので休憩しようかと思ったのですが、ガスを含んだ強風が絶えず吹き付け、寒くて休んでいられません。
撤収、撤収!

いやー、厳しい!
最後までこんな感じなのかなぁ!(涙

つづく