今年の夏はいったいなんなんでしょうね?
連日のように雨、雨、雨…。
アウトドアを趣味にしている人にとって最悪の夏じゃないですか?
もちろん我々ヘロヘロ隊も大いにその雨の影響を受けまして、いろいろと計画していた山行はことごとく中止となっています。
少しでも天気が期待できそうな…、いや、せめて雨があまり降らなそうな日を選んでの日帰り山行が精いっぱいです。


本日登る苗場山も、そんな「せめて…」という条件の下選んだ山だったのですが、いざ登山口に着いてみると濃厚なガスに包まれており一気にテンションが下がります。
んで、着替え始めるとパラパラと雨が降り出し、車から降りるとポツポツと雨脚が強まり、靴の紐を締め終えザックを背負う頃になるとザーザーと音がする本降りの雨…。

嫌がらせか!?

入山を躊躇したりもしましたが、まもなく雨が小降りになってきたのと雨が降っている以外は風も無く穏やかだったので「行くだけ行ってみるべぇ」ということになりました。一向にテンションはあがりませんけどね。
自分ですき好んで来ているはずなのに、この「やらされている感」はなんなのだろうか?(笑

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登山道は連日の雨でヌタヌタ状態…。
粘土質の表土は多数の登山靴でいい感じにこねくり回され、どこにもグリップする余地が無いっていうほどの超絶泥濘。
こりゃぁ転んだら被害甚大だなぁ。

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こんな登山道をずっと歩くのかと、鬱々とした気持ちで登って行きます。
しかし、間もなく登山道は舗装された車道に合流します。
なんだ、こんなことならずっと車道を歩いて来ればよかった…。
ちなみにこの道路、和田小屋を宿泊か休憩で利用する人は車で通行することができるそうな。あとは送迎での利用も可とか。

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スキー場の施設が立ち並ぶ和田小屋付近からはいよいよ本格的な登山道に入っていきます。
…が、雨は霧雨から本降りに…。
一応、今日の予報は晴れに向かう予報なんで歩いてるんですが、まったく晴れそうな気がしません。うーむ…。

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泥と木道と…。
非常にスリッピーな登山道です。

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和田小屋が5合目ということらしく、5号目半から標識がスタート。
以降半合ずつカウントされていきます。
ここは6合目。

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雨で景色もへったくれもないので記事はサクサク進みますよ。
実際はまとわりつく雨と湿気にあえぎながら登ったため、ずいぶんと歩みが遅く感じられました。

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7合目は下ノ芝と呼ばれる草地。
ベンチがしつらえてあり、天気が良ければ絶好の休憩ポイントでしょうね。

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このあたりで、いよいよ雨脚が強まり「土砂降り」と言って差し支えない状況に…。
引き返してくるパーティとも数組すれ違いましたが、なんとなく引き返すきっかけが無く、そのまま進んでいきます。
暑くも寒くも無く、不快指数が低かったから進めた気がします。

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ダバダバと水が流れ小川と化した登山道。
登りではあまり感じませんでしたが、下りではスリップ多発でした。

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ふと暖かい空気の流れを感じて顔を上げると…
おや? 晴れてきている?
ふ…、どうせ希望を持たせておいてまた降ってくるんだろ?
そう簡単に信じてやらないんだからね!

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中ノ芝、上ノ芝と通過して行きます。
テラス状の休憩ポイントも数か所設けられています。
晴れていれば越を下してのんびり休憩するのも良いかもしれません。
晴れていれば。

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途中、「トンネル岩」という札が掛けられた謎の岩があります。
向こう側が見えるような穴でも開いている…というわけでもなく、なんで「トンネル」なのか、いまいち由来不明の岩でした。

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一旦登りが終わり、細かなアップダウンの稜線に入って行きます。
その入口あたりに「股擦り岩」と名付けられた岩場があります。
ははぁ、たしかに足を滑らせたら突き出した岩場に股間を強打しそうな…。
考えただけでも恐ろしいですな。
今日は滑りやすいので本気で注意して進んでいきます。

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このあたりまでくると登山道の両脇にお花の姿がたくさん見られるようになりました。ここまで黙々と雨に耐えて登ってきたツートンですが、ご褒美タイム突入です。

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神楽ヶ峰まで登ってきました。
苗場山の前衛峰ということになるでしょうか。
残念ながらガスで眺望は得られません。

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神楽ヶ峰を出発すると登山道は下りに。
進行方向に苗場山本体が見えてきます。
富士見坂という名前がついていて、苗場山を眺めながら歩く展望の道です。

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どうせガスで何も見えないんだろ?とやさぐれながら坂を下って行くと…
おや? なんかガスが晴れてきているような?
でも、まだ信用してやらん。
どうせまた雨降ってくるんだろ?

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神楽ヶ峰と苗場山との鞍部付近から一段とお花の数が増えます。
それこそ、道の両脇にわんさかと。
岩手では中々目にしないものもあったりして、遠征登山の醍醐味を満喫します。

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鞍部から苗場山への登りはかなりの急坂です。一歩一歩確実に登るように心がけますが、このあたりで急激な体力の低下を感じました。
考えてみれば雨の中ろくに休憩もしないで歩いてきたからなぁ…。
若干シャリバテをおこしているのかもしれません。

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雲尾坂なんていう綺麗な名前の着いた坂。
名前とは裏腹に激坂ですが、ともあれこの坂を登り切れば山頂は近い!
もうひと頑張り!

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空が広くなったなと思ったら、突然広大な湿原の只中に飛び出しました。
ほんと文字通り「飛び出した」って感じ。
直前まで雲尾坂の急坂で見えるものと言えば目の前の斜面の土だけといったところから、いきなりこの景色ですよ。

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しかも晴れているじゃないですか!
曇天の一角に偶然青空がのぞいているのかと思いましたが、どうやら本格的に晴れてきたようです。みるみるうちに青空の面積が増えて行きます。

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劇的とも言える景色と天気の変化です。
これはテンションあがる!

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天気のいい高層湿原は天国だなー。



見て! この青空!
途中で引き返さず登ってきた甲斐があったというものです。

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まずは山頂を踏んでおきましょうか。

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登頂! あきらめないで登ってよかった!
苗場山の山頂は広大な湿原の中の小高い丘の上。
周りを樹木に囲まれているため眺望はありません。

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一応、苗場山に登頂することができましたが、山頂を踏んで戻るだけではもったいない! なにせこの天気、この湿原風景なのですから。
というわけで少し散策してみることにしました。

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やっぱり自然の風景は日の光が当たってなんぼですよね。
雨上がりの澄んだ空気、瑞々しく輝く植物たち…。
池塘に青空が映えます。
なに、この天国感。






気持ちが満たされたところでおなかも満たそうと思います。
コンビニで買ったパンやらおにぎりが中心ですが、自然の中で食べると絶品の御馳走。普段、職場のPCの前で食べるパンなんて侘しいことこの上ないんですが(笑
同じもの食べているのに、湧き上がってくるこの多幸感はいったい…。

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しかし、この晴れ間も長くは持ちませんでした。一瞬風が吹いたかなと思ったら、みるみるうちにあたりを濃いガスが覆っていきます。今見ていた景色は、よもや幻だったんでは…と思ってしまうほどに劇的な変化でした。
さて、潮時ですかね。下山にかかりますか。

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山頂近くのヒュッテまで戻ってきました。
予想外に大きくて立派な小屋でした。
北アルプスの山小屋にも引けをとらないのではないでしょうか?
ここに泊まって、周辺の湿原を探索しつくすなんていうのもいいかもしれません。

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小屋の前で休憩していると一羽のアサギマダラが飛んできて、我々の周りを飛び回り始めました。

赤い色のスパッツに魅かれたのか、私の足にとまるアサギマダラ。

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ずいぶん人懐っこいなぁ。

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いや、ちょっとちょっと!(笑

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人懐っこいっていうか、オレ、なにか吸われてません!?(笑


休憩している間にガスが晴れてくれないかという淡い期待もあったのですが、どうやらそういう方向にはならないようです。いよいよガスが濃くなってきてあたりが暗くなってきてしまいました。
急ぎ足で下山します。

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翌日の天気予報が比較的良かったので、天気は回復傾向なのかなと思っていたのですが、これが甘かった。やっぱり今年の夏の天気は一筋縄ではいきません。
下山途中、またしても土砂降りの雨に見舞われることになりました。
せっかく乾いた服も、ザックも再びびしょ濡れになりました。
あーあ、パンツの中までびしょ濡れだー。
…なんか昔こんなフレーズのCMありませんでしたっけ???

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下りは写真撮影の余裕もなかったので一気に飛びますが、まぁ気を使うことこの上ない感じでした。雨水や泥で滑るのは当然のことながら、水が流れまくって摩擦係数0の木道とか、根元からすっぽ抜け浮石と化す大きな石とか、普段はなかなかお目にかかれないやっかいな罠の数々…。
下りは比較的得意だと思っていたんですが、滑りまくり、転びまくりでした。
まだまだ修行が足りないようです。

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とまれ無事に下山してきました。
大小さまざまな打撲痕はいただいてきましたが、大きな怪我をすることなく下りてこれてホッとしました。
山頂だけは晴れたので御の字ですが、全体的にはなんとも微妙な登山でした。


初めて登った苗場山ですが、覚えているのは土砂降りと山頂の絶景のみ(笑
あとはただただ、すべって転ばないように気を張っていた感じですね。
山頂の湿原などロケーションは文句なく良い山なので、機会があれば秘湯赤湯温泉などを通る別のルートからリベンジしたいものです。

で、残念ながら今年の盛夏の遠征はこれで終了。
本当に、本当に雨ばかりの夏休みでした…。
そろそろ晴れ間が見たい今日この頃。

おしまい

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