待ちに待ったゴールデンウィーク!
皆さんはどのようにお過ごしだったでしょうか?
我々ヘロヘロ隊は前半と後半に分けて遠征に行ってきました。
本当は中二日休んで9連休にして関西方面に遠征しようと思っていたのですが、2日にどうしてもはずせない仕事を入れられてしまい(絶対わざとだ…)連休は分断されてしまいました。
ともあれ、めったにない3連休、5連休です。これを活かさない手はありません。

というわけで、まずは前半には福島へ遠征してきました。
最初、只見の博士山に向かったのですが残雪が多すぎて登らずに敗退…。
ここ数年の山行記録を見て行ったのですが、今年は雪が多いみたい…。
(というより、ここ数年が少なすぎたのか???)

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残雪だけなら入山できないこともないのですが、東北有数の急登、それも鎖場有りということ。
また、登山口周辺の雪の上には斜面から転がってきたと思われる落石が多数あり、これは危ないなぁということで逃げ帰りました。
危ない橋は渡らない主義なのです。

で、予定を切り替えて猪苗代方面に向かい3日目に登る予定だった「額取山」に登ることにしました。ここなら険しい場所は無いし、只見に比べれば雪も少ないはずなので大丈夫でしょう。

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額取山に向かう途中、猪苗代湖畔から撮った磐梯山。
写真映えする綺麗な山ですねぇ…。
また登りたくなってきました。

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さて、だいぶ遠回りになってしまいましたが額取山の登山口である御霊櫃峠にやってきました。ここまで全線舗装路なので通行に難はありませんが、せまい道なので通行には注意です。峠の景色が良いことを知っているのかライダーやチャリダーの数も多いので。


登山口を出発します。
だいぶジム爺君にがんばってもらったので、出発直後からかなり開けた景色を楽しむことができます。。
しかし、手軽に来れるだけあって登山口付近はサンダルの観光客や昆虫採集している人、ドローンを飛ばしている人など登山者ではない人が大勢います。てか、むしろザックを背負っている我々が浮いている!?

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最初の小ピークから、すでに素晴らしい眺望です。
猪苗代湖が見え、磐梯山も姿を見せています。
振り返れば那須や尾瀬の山々も見えていると思うのですが、土地勘が無いので山座同定できませぬ。下手な事を書くと恥をかきそうなので、ここは見なかったことにして先へ進みます。






肉眼ではだいぶ遠くに見えている磐梯山ですが、ここで新しく買ったカメラの望遠機能を試してみるべく少しずつ寄って写真を撮ってみようと思います。
上の写真と同じ位置で撮影してます。

ずーーーむ!

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さらにずーーーーーむ!!

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おお! すごい(笑
さすが光学60倍は伊達じゃない。
ただ、これくらいの倍率になるとちょっとした手の動きでブレまくってしまうので手持ちでの撮影は厳しいなぁ。しかしだからと言って三脚もって歩くのもねぇ…。要検討ですな。


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登山道から離れた場所に咲いている花も撮れます。
これはツートンが喜ぶなぁ。




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それほど標高が高いわけではないのですが、吹きさらしの地形で木々の背が低くなっており、高山帯の風情が漂います。

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さりとて、淡々と進むわけでもなくご覧のようなちょっとした岩場が現れたりもします。

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黒岩山に到着。
木々に囲まれているため眺望は望めませんが、休憩するなら良い場所かもしれません。出発したばかりなので休みませんけどね。

後ろを振り返って…。

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この景色の中にスタート地点の御霊櫃峠の駐車場が写っていますが…

ずーーーーーーむ!!!

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お、いたいた。
ジム爺が所在無さげに我々の帰りを待っています。



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黒岩山から少し下って「ブナ平」と名付けられた鞍部に到着します。
非常にありふれた名前ですが場所の特徴を端的に表している優秀なネーミングとも言えるかと…。言えるか? うーん、まぁいいか。

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足元にはセリバオウレンが小さな花を咲かせていました。
この花は雪解け直後に咲くというイメージ。
このあたりもつい先日まで雪が残っていたんでしょうかね。

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再び次のピークに向けて登って行きます。
今度は笹原の中をゆったりと登っていく土道。

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その直後には残雪帯に突入します。
短い区間ですが、いろんな山の風景がギュッと詰まったような感じの登山道です。
正直、変化がないと飽きるわけですが、ここはその心配はなさそうですね。
様々な山岳風景を比較的お手軽に楽しめてしまうという意味で、ここの登山道は稀有な存在なのかもしれません。

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次なるピーク、大将旗山に到着しました。
大将旗とはまたなんとも剛毅な山名ですが由来は不明です。
不明っていうか調べてないだけですが(笑

で、実はこの大将旗山、今日の道中の最高峰でした。
額取山が最高峰と思っていたので、ちょっと意外でした。
で、ここから先、御霊櫃峠に止まっていた車の数からするとずいぶんと大勢の登山者とすれ違うことになるのですが、どうやら磐梯熱海側から登ってきた登山者は大将旗山まで登ってきて引き返す人が多いようなんですね。どうしてわざわざ大将旗山まで来て引き返すのか疑問だったんですが、なんか謎が解けた気がします。
やっぱり最高点は踏んでおきたくなるのが人情ですよね。

さて、早々に最高峰を踏んでしまったわけですが、我々は額取山を目指します。
一応、東北百名山に選定されているのは額取山ですからね。
最高峰は大将旗山、主峰は額取山という棲み分けでしょうか。

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大将旗山から先は残雪の量が増えます。
雪庇こそすでに落ちて肩が丸くなっていますが、急峻な崖に張り付いて残っている雪もあります。下手に残雪に乗ると「下に地面が無い!」なんてことになりかねません。

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ひとつピークを越えると「お、もしかしてあそこが額取山かな?」という場所がでてきました。確認してみましょう。

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確認!
奥のピークが山頂のようです!
ああ、意味なくズームを多用していますが、新しいおもちゃを手に入れてはしゃいでいるのです。飽きるまでしばしお付き合いください(笑


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再び「見たまんま」な地名が(笑
笹原って、本当にまんまだな!
「マムシに注意!」という看板の下に、一言「熊」と書いてあるのが気になる…。
「熊」がなんだというのか? 「熊」の一文字になにが込められているのか???

この看板の前後で登山道わきからガサリ、ガサリという何か大きなものが動く音が聞こえてきました。見ると付近の下草はあちこちで縦横に踏みつけられており、ここが多くの獣が行き交う場所であることを教えてくれています。
もしや…黒いあいつか!?
クマ鈴をかき鳴らしてこちらの存在を伝えます。
結局、クマだったのか鹿だったのか、はたまた残雪が溶け落ちる音だったのか、真相は謎のままです。ちなみに、復路もここを通ったわけですが、その時は音はしなくなっていました。

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このあたりまでくると残雪が増え、登山道の上を覆っていました。

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水場があるようです。
往復3分。

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突然、登山道を雪の壁がふさぎます。
オーバーハング気味にそそり立つ雪の壁は取りつく島もありません。
雪の壁沿いに藪を漕いで行けば、途切れている場所から越えることもできそうですが…。踏んだ衝撃で起き上がった木の枝にパチンパチンやられる未来が見えます(笑
できれば避けたいなぁ…。

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無理やり雪壁の上によじ登りました。
ステップを作るのに何度も雪の壁を蹴ったのでつま先が痛くなってしまいました…。
スコップが有ればもっと簡単にルート工作できたのですがねぇ。
やはり残雪期はスコップやアイゼンは持って歩くべきですな。


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最後の最後でなかなかの難所に阻まれましたが無事に額取山の山頂へ着きました。
360°遮るもののない圧巻の展望所です。

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西には猪苗代湖と磐梯山、そしてその後ろにうっすらと飯豊連峰が見えます。
むむ? 朝はくっきり見えていた飯豊連峰がだいぶ霞んできましたねぇ。
午後から崩れるという天気予報ですから、そろそろ兆候が表れてきたのやも。

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北には安達太良山がゆったりと横たわっています。

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東には郡山の市街地が、そしてその向こうには阿武隈高地の山々が控えめなピークを連ねています。明日はあちら方面へお邪魔しましょうかね。

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山頂付近の木陰へと誘う看板が。
風が強い時はこちらでお休みくださいということのようです。
今日はほぼ無風で非常に過ごしやすい山頂ですが、遮るものが無いため、強風時には結構大変なことになるようです。さほど険しい場所が無いにも関わらずガイドブックにも「強風時の登山は止めたほうが無難」みたいな事が書かれているのでよほどなのでしょう。

山頂で磐梯山などをながめながらのんびり昼食。
デザートとコーヒーまでいただいて満足したので下山に取り掛かります。
下山は往路と同じ道をピストン。御霊櫃峠へ戻ります。

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先ほどチラッと触れましたが、今日の天気は午後から下り坂。
なんとなく日が陰ってきて空気もひんやりしてきたような気がします。
大きく崩れないうちに下山してしまいましょう。

天気の心配をする我々をあざ笑うがごとく、南の空が急激に暗くなってきました。
さっきまで見えていた那須連峰や日光方面の山々は、すでに黒い雲に飲み込まれしまっています。
かすかに遠雷が聞こえてきました。これは…ちょっとやばいかもしれない…。

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郡山の上空の雲からは地上に向けて白い帯状の靄が下りているのが見えます。
あのへんはもう降っているな…。
これは本当にやばいかもしれない。

御霊櫃峠の直前、最後のピークには「風神」「雨神」の二柱が祀られています。
風神ときたら雷神かなと思ったのですが、ここでは雨神様のようです。
この祠に「無事に帰ってこれました。ありがとうございます」とご挨拶して車に戻ろうとすると俄かに冷たい風が強く吹き付けてきて、バラバラバラっと雨が降ってきました!

ぎゃー!
そりゃないぜ、神様!!
いったい我々の何が気に食わなかったのでしょうか?

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急げや急げ!ということで、ツートンは超快速で逃げて行きました…。
とりあえず車まで5分のかからない位置だったので濡れることなく車にはたどり着きましたが…いやはや、最後の最後でひどい目に遭うところだった。

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さて、今GWの遠征登山1発目、額取山ですが、兎にも角にも「眺望の山」です。
下から登った場合はわかりませんが、今回歩いたコースでは最初から最後まで眺めの良い場所が続き、天気が良い日であれば十二分に眺望を楽しめる良コースだと思います。

また、適度なアップダウンや地形の変化なども楽しめるので山行が単調にならずに最後まで楽しめるというのもこのコースの良いところではないでしょうか。
百名山に列する山々を5つ以上も眺めながら歩けるのもポイントが高いかと。
楽しみました!

さて、明日以降の予定はすっかり白紙になってしまいましたが…。
今晩酒を飲みながら考えることとします(笑

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我々が山を下りた後、天気は急速に悪化し、強風が吹き荒れ、雨が叩きつけるという最悪の状態になりました…。
道の駅での車中泊は車を降りることも満足にできず、大変な思いをすることに(^^;
いや~、とりあえず下山後で良かった…。