遠征の最後を飾るのは伊豆半島にある天城山である。
最高峰を踏む事だけであればなんという事はないがそれだけでは少々物足りない。
そこで天城高原から天城峠まで縦走するコースをたどることとした。

縦走する場合、車を回収しなくてはならないが
伊東駅から天城高原間のバス、天城峠からのバスとバスから乗り継ぐ鉄道
といったふうに公共交通機関を乗り継がなくてはならない。
この時刻に合わせるのが今回の最大の懸案事項である。

しかし…である。朝起きたら非情にも雨が降っていた。
おかしいな…。予報では今日までは晴れるはずだったのだが…。
こうなってくると話は違ってくる。
ドロドロに濡れそぼった服と装備をかかえて
2時間近くもバスと電車に揺られるのは正直厳しい…。
悩んだ末に縦走を断念。ピークを踏みつつ周回するコースに変更となった。

そんなわけで天城高原までは車で直接乗り付ける。
駐車場はゴルフ場の中にあって、少々戸惑ってしまった。
普段ゴルフなんて縁がないもので(笑

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準備を整え出発する。
この時点では雨は止んでいたが、天城山はガスに包まれ姿が見えない。
「天城山縦走路入口」の文字がむなしい…。

道は最初、薄暗い樹林帯の中を行く。
湿気が多いからなのか、やたらと羽虫が飛び回っている。
ツートンが「ぬぉぉぉ」というわけのわからないうなり声をあげながら
必死の形相で虫除けスプレーを振りまいている(^^;
まぁ、たしかにコレは気持ち悪い(笑

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しばらく歩くと四辻という場所に出る。
四辻といいつつ実際は三叉路なわけだが。
どうもあちこち廃道になっている道があるので、
ここもかつては文字通りの四辻だったのかもしれない。
本日のコースは周回してここに戻ってくる形だ。

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登山道の状況としては山道に不慣れな観光客を見越しているのか
少々過剰とも言える整備が施されている。
踏み荒らしによる植生の破壊を考えると道の整備は必要だと思うが…

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作り方が悪かったり、メンテナンスが悪かったりするとこうなるんだよねぇ…。
階段が既に階段の体を成しておらず、ただの障害物になっている。
なんか赤城山でも見たな、こんなの。

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標高が上がると新緑というより芽吹きの季節に逆戻りしてきた。
伊豆半島は暖かい場所だから、もう少し春めいているかと思ったのだが。
ツートンが期待していた花もあまりみあたらない。

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1時間半ほどで万二郎岳山頂に到着した。
山頂広場は多くの登山者で賑わっていた。
ガスバーナーを取り出してラーメンか何かを作り始めているパーティもちらほら。
さすがにちょっと早くないかい?

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元々灌木に覆われて眺望に乏しい場所だが、
ガスが湧いてきてますます見通しが利かなくなってきた。
それに先ほどからなんとなく頬に水滴を感じる気がする…。
休んでいる登山者を尻目に、我々は早々に出発することにした。

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まずは万二郎岳を下る。
…けっこう下るなぁ…。

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万二郎岳と万三郎岳の間にあるアセビのトンネル。
アセビという名前は知っているが、花を見たのは初めてかもしれない。
白い花がしっとりと霧に濡れていた。

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馬の背を越えたあたりから本格的に雨が降り始めた。
ついに耐えきれなくなり雨具を着込む。
覚悟はしていたが降り始めてしまった。
なんとか午前中は保ってくれないかなぁと思ったのだが…。
やはり縦走を中止して正解だった。

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ところどころ梯子がかかっている場所がある。
難しい場所ではないが、雨に濡れて滑る。
慎重に通過。

石楠花立には、アマギシャクナゲの群生地がある。
今年は全国的に花が早いので、もしや咲いているか?と期待したのだが
残念なことにまだ咲いていなかった。

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時折吹き付ける雨を耐えつつ万三郎岳に登り返していく。
霧に包まれた森が幻想的だ。

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万三郎岳の山頂に着いた。
予想はしていたが眺望はよくない。
特に南側が良くない。

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北側は比較的天気が良いようだ。
かろうじて麓のゴルフコースなどが見えている。
下界は日が射しているような雰囲気もある。
とりあえず、これから北側に下りるので天気が好転する事を祈ろう。

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万三郎岳山頂から少し進むと分岐点がある。
天城峠への縦走路は左だが、我々は右へ。

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今まで稼いできた高度を一気に吐き出すかのような急な下り。
時折他の登山者とすれ違うが皆大変そうだ。
逆回りにしなくて良かった…。

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この急な斜面を下りきると、今度は斜面を等高線沿いにトラバースしていく。

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メインルートとは異なり、整備は必要最小限。
時折、路肩が怪しい場所がある。

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四辻まで戻ってきた。
これで周回完了である。

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お疲れ様でした。

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遠征最後はちょっと締まらない感じになってしまったが
まずは狙った山に全部登る事ができて良かったなと。
初めての関東遠征であったが、とにかく人も車も多くて
東北の山を歩く間隔では計画に大きな狂いが生じることがわかった(笑
次の遠征の教訓としたい。