白鷹山は良い山であったが、さすがに2時間と少しの山歩きでは物足りない。
そこで盛岡に帰りがけにもう一座登ることにした。
同じように2時間くらいで登れる(とされている)翁山だ。

実は翁山は一度敗退している。
林道が崩れていて登山口にすら着かなかった…という話だが、今度こそリベンジしたい。

前回はここで敗退しているが、今回は林道に入ることはできた。
真新しい轍の跡もあるので、少なくとも我々の前に数台は通行しているはずである。
よし、これは行けそうだ!

ガイドブックに「かなりの悪路」とあったので内心びくびくしていたが
昨日の黒伏山への林道に比べれば大したことはなかった。
これで翁山は攻略したも同然という楽勝気分で車を進めたが
途中で山仕事の男性から「この先は通行できない」と告げられた。
仕方がないのでクルミ平沼と書かれた看板の近くに車を停める。
まぁ、あと500mくらいで登山口だし…。
 
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車が通れない原因はコレだった。
人一人が通れるくらいには枝が払われているが、これではジムニーといえどお手上げである。
 
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倒木の下をくぐり抜け、翁山小屋までやってきた。
ここまで車で来れるはずだったのだが…。
この翁山小屋であるが、通称ハリマ小屋というらしい。
ガイドブックにも書いてある事だが、その由来については謎である。
まさかハリマ翁(おう)?
 
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小屋を過ぎると本格的な登山道となる。
水が豊富な山なのか、幾筋もの沢が道を横切っている。
写真もその沢の一本なのだが、今まさにツートンが乗っている板、これがくせ者であった。
ものすごく滑るのである。
 
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写真をよく見てもらうとわかるのだが、ツートンの両手が激しくブレている。
これは、まさに滑って転けそうになっている瞬間の写真なのだ!

ちなみに、この後私も通過したのだが、
滑るとわかっていてもなお転びそうになるという、まことに恐ろしい板であった。
対岸に飛び移った方がよほど安全そうである。
 

しばらく進むと登山道が雪で覆われていた。
面白山でも黒伏山でも、ここまでまとまった残雪は無かったのだが
周りの木々は新緑から深緑へと移り変わろうとしているのだが、なおこの雪の量である。
 
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そろそろ眺望が開けてくるかと思っていた矢先、登山道が雪の下の消えていた。
この沢の源頭部まで行って対岸に渡らなければならないのだが…。
 
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写真ではわかりづらいが、上部には深い亀裂が入っており
下部は下部で斜度がきつく、うっかりすると滑落しそうである。
軽アイゼンとストックがあれば、普通に通過できそうな感じではあるのだが持ってきていない。
徒手空拳では危険が大きいような気がする…。

残雪のさらに上部の藪をトラバースする…というのも試してみたのだが
途中でどうしても雪の上に下りなくてはならない場所があり
そして、その場所には大きな亀裂が口を開けて待っていた。

10分くらい試行錯誤したが、なかなか上手い方法が思いつかない。
そのうち、藪をかき回したためか大量のブヨが周りを飛び回り始めた。
もうツートンは完全に戦意を喪失している。
これは撤退だな…。

ブヨから逃げるように一目散に下山し、翁山攻略は終わったのであった。
もちろん、結果は敗退である。
同じ山に二度も敗退するというのは、今まであまりなかったパターンである。
ううむ、CT2時間の山なのだが、恐るべし、翁山。

これはリベンジするとしても季節を変えるとか、宮城側からアタックするとか
パターンを変えていかないと永遠に攻略できないような気がしてきた(笑
どうやら我々は翁に嫌われたようである。

おしまい